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セブンスソード―七つの聖剣―  作者: 音無 桐谷
第六章 魔王討伐編
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魔王討伐編6-2

さぁ、連続投稿だ!!(日にち的な意味で)



 二ルスVSレッド


 始めに動いたのは二ルスだった。とても魔法なしとは思えないようなスピードでレッドへ迫りツインダガーによる華麗で強力な連撃を繰り出す。

 レッドはそれを後ろに下がりながらすべて紙一重で回避している。そこはやはり四天王といったところなのだろう。

「ヘイヘイ!!どうした?かすりもしないぞ?」

「おい、そのしゃべり方うざい」

 そう言った後も一撃で命を奪える、首筋や心臓に向かって連撃を放つがまるで、空中のたまねぎを二秒で完璧な微塵切りに出来るこの連撃が見えているかのようにうまくかわされる。頭に血が上った二ルスは普段あまり使わない、突き刺す、と言う攻撃をした時、大幅に体重移動をしてしまった。

(しまった!)

 そして、二ルスはカウンターによる鳩尾に強力なパンチを浴びる。

「ぐはっ!!」

 声を上げた二ルスは、一度攻撃の手を止め腹を押さえた。

「どうした、もうガス欠か?」

 レッドが挑発するように声をかけてくる。言われた二ルスは、ツインダガーを胸の前で十字型に組んだ。

状態転換タイプチェンジ……天使エンジェル!!」

 そう言った瞬間、二ルスの赤いTシャツで紺色の短パンというありきたりの服は焼け消え、何もないところから純白のコートが現れた。さらに、その背中からは同じく純白で大きさが三十センチ程度の小さな一組の翼が生えた。

「おやおや?さてはそれで空を飛ぶな?甘いな!!こっちにだって遠距離魔法は使えるのだよ!!」

 そう言ってレッドは手の平から紫色の火球を出し、て投げつけた。

「ざんねん 俺の羽は空には飛べないんだよ」

 その瞬間レッドの視界から、二ルスは消えた。

 レッドは瞬時に、上を向いたが、


 そこに二ルスの姿は無かった。


 レッドはすぐに、己の考えが甘いことを思いさせられた。

「ざんねん、俺の羽は空には飛べないんだよ」

 ちゃんと言っていたのだ。そして、前を向いて二ルスを確認することも出来ず、意識は消えていった。


「これで終わりだデーモン・レッド」

 後ろに回り込んでいた二ルスは、真っ二つにし鮮血がしたたるレッドを見ていた。二ルスの手にはさっきの倍近くの刃渡りがあるツインダガーに着いた血を振り払い、同じくその長さに合った鞘にしまった。


状態転換モードチェンジ」これが彼、二ルスの唯一使える魔法である。

 魔法が上手に使えない人はたくさんいるし、魔法は普通に使えるが、その一分野を極めた人もいる。だが、彼の能力はその中でも、規格外だった。

 この魔法は自分の身体ステータス、「腕力」、「素早さ」、「判断力」、「生命力」「視力」、「嗅覚」

 など様々だが、そのどれか一つを極限まで高めることができる魔法である。

 ただ、それを使うには、魔法の定める、特定の単語を言う必要があり、現段階では自分で設定できず、わかっているのが、素早さの「天使エンジェル」と力の「堕天使フォールン・エンジェル」視力の「ウルフ」の三種類である。


 そして戦いの終わった二ルスはその足で、焔たちと合流するべく、その先の廊下へと進んだ。


 ◇◆◇◆◇


 ――――――クラウスVSブルー


 この二人はにらみ合っていた。開始からもうすでに一分近く経ったが、いまだにどちらも近づかない。

「どうした、かかってこないのか?」

 クラウスが挑発してくるが、ブルーは動かずそのままだった。否、動けなかった。

 何故なら、今ブルーの頭の中は恐怖で支配されていたからである。

(え?何あれ、あんな隙のない構えをどう突破しろと?いや、無理無理、近づいた瞬間絶対死ぬだろ!!)

 よって、出た答えは一つ、「むこうが攻撃を仕掛けてきた瞬間、自慢の「スピード」で秒殺する」であった。

「……ちっ、これ以上は待たないからな」

 クラウスはそう言った瞬間、盾を正面に構えながら、結構な速さで突っ込んでいった。

(よし!今だ!!)

 ブルーはつっこんできた瞬間に体を低くし腰からタルワールを抜き、十分にひきつけてから、ジャンプした。クラウスも上に回避するとは予想外だったようで、体が追いつかなかった。

「フハハハ!!もらったぁ?……グフッ!」

 ブルーは勝利を確信し襲い掛かった。だが逆に、自分が致命的な一撃を食らうとは知る良しもなく数メートル先の壁に骨の折れる不快な音と共に、壁に叩きつけられた。

 そこにはこの世界ではまだ数が多い方の動物である「ゴリラ」がいた。ただし、普通のゴリラではなく、その体には電気と金属の鎧を纏っており、体長は七、八メートルは軽くあるゴリラだった。無論精霊である。


「いつのまに……」

 そう言ってブルーは地面に崩れ落ちた。そこに、金属製鎧の擦れる音と共に、クラウスが歩み寄ってきた。

「いやわるいねぇ、こいつさ、詠唱ナシで出てこれるんだ とんだじゃじゃ馬だよ」

 その後、クラウスがその手でブルーの心臓を剣先で貫き、絶命へと追い込んだ。


 ◇◆◇◆◇


 ――――――賢者アロイス&ホワイト&ブラウンVS焔&アリス&ミネルバ


 真っ先に動いたのは焔だった。練成によって産み出された七本目の聖剣「インフィニティーギャラクシー」を背中から抜き、アロイスに迫った。

「そうはさせない!!」

「させるかでゴワス!!」

 そう言ってホワイトとブラウンが目の前に立ちはだかるが

粉砕エクスプロージョン!!」

 焔の剣が銀色に輝き、剣撃を放とうとする。さらにそれをみた二人は

「攻撃を止めてくれ!そのあいだに攻撃をする!!」

「ゴワス!!」

 と連携をとるが、

「無駄だぁぁぁぁぁぁ!!」

 焔は叫びながら力いっぱい白銀の剣を振るった。その瞬間、大盾を持って構えていたブラウンの胴体が真っ二つに切り裂かれた。

(え?)

 ホワイトはすでに、攻撃の態勢に入っていたため、止めることも出来ず、そのまま一回転してやってきた白銀の剣によりブラウンと同じ運命をたどった。


 アリスはそれを見ていて、思った感想は

「これ、私が防御魔法覚える必要あったの?」

 だった。それほど驚く光景を見せられた。だが、そこまで考えてからその思考を振り払った。何故なら次は本当の意味での側近である「賢者」のアロイス、その次には、それらも凌駕する強さをほこるかもしれない「魔王」なのであるのだから。


 それを見ていたアロイスはパチパチと褒め称えるように拍手をしていた。

「いやー、すばらしい、俺が魔法で生み出したヤツラとはいえ、こうも簡単に殺すとは……褒めて使わすよ「選ばれし者」 」

「仲間が殺されたのに涙一つ流さないとは、さすが悪魔だな」

 焔は睨みつけながらアロイスに話しかける。そのセリフを聞いたアロイスは

「フフ、フハハハハハハ!!悪いがそれは俺達にとって最高の褒め言葉だよ!!」

 そして、狂ったような笑みを浮かべて

「その言葉に恥じないような殺戮ショーを見せてやるよ!!」


 そう言った瞬間アロイスの体から邪気のようないやな空気が漂った。




次回は、陽動部隊の戦いと、アロイス戦決着です。


それでは、

   by最近チョコレートとミルクティーにはまっている音無

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