魔王討伐編6-1
最終章スタート!!
ぜひ感想もください。
「行くぞ、やろうども!!反撃の時だ!!」
『うおおおおおおおおおおおおおおおぉぉ!!!』
「なんとしてでも街を守るぞ!!」
『うおおおおおおおおおおおおおおおぉぉ!!!』
そんな掛け声と共に中立国のグランドから群雲城に伸びる橋のところには数十万の大東連合の兵士がいた。
ここにいる理由は、この橋を中心に戦線を展開し、大東連合やその他の国を守るためである。
そして同時に、七王とその仲間達が城へ無事にたどりつき、魔王を討伐するまでの時間稼ぎでもある。
防衛ラインを三つほど展開してからしばらくすると、最終防衛ラインである指揮隊長の所に報告が来た。
「さっそく交戦が始まったようです」
「敵の部隊構成は?」
それを聞かれた兵士は腰の金属で出来た細長い筒から紙を取り出し、
「どうやら、歩兵を七、八人で構成した主戦力のようです」
それだけ聞いた防衛隊長は報告に来てくれた兵士を下がらせ、その部屋に一人でいた。
(……飛行型の悪魔がいる部隊がいくつかいても良いものだが……さて、どう動くか)
そして、自分の頭の中で、飛行型悪魔のいない理由と同時に、二十通りにもなる作戦プランの中から「対飛行型悪魔」の作戦を見直していた。
◇◆◇◆◇
「三人とも準備はいいか?」
焔以外の七王達は、大東連合の技術をすべて注ぎ込んで作った、小さな潜水艦に乗っており、後は焔を含む四人だけだった。ちなみに、すでに焔の足の怪我は完治しており、自分の準備は万端であった。
「えぇ、もちろんよ!!」
「み、みんなで生きて帰りましょうね!!」
「……もちろんだよホムホム」
焔の質問に対し、他の三人はアリス→リーナ→ミネルバの順番にそれぞれ返事を返してくれた。
「それじゃあ、行くぞ!!」
「「「うん!!」」」
そしてそれぞれの覚悟をきめた少年少女たちは潜水艦へと乗り込んだ。
◇◆◇◆◇
乗り込んだ潜水艦は、城から2キロのところに無事到着し、すぐに散開し、それぞれの作戦位置についた。
「こちら、七王第一部隊♪の通信係二ルスで~す!無事城の裏門までたどり着きましたーーー!!」
「ちょっと、まじめにやっているのですか?ニルス」
「おい、エカテリネ、こっちは少しでも大声上げたら感づかれるんだから気をつけてくれよ」
そんな他愛もない話をしながらクラウス、二ルス、焔、アリス、ミネルバ、の強襲部隊は、マグヌス、ヴィルヘルム、エカテリネの率いる陽動部隊に連絡を取っていた。
「ところで、他に作戦は用意しているのだろうなクラウス?」
マグヌスにそう呼びかけられたクラウスは、
「いや、これ一本だ!それ以外道はない!!」
「「「「「「いや!!用意しとけよ!!!」」」」」」
無線越しにまでつっこまれるような開き直ったことを言った。しかしその後
「!いや、一つだけ考えていた」
そして十分ためた後、
「俺が死んだら、全員逃げろ!!!」
「「「「「「そんなことするか!!!」」」」」」
と、くだらないことをしていた。
◇◆◇◆◇
彼、アロイス・デュフナーはまたもやドアを前蹴りで壊して中へ入った。
ただし今度は、王座のあるところの扉ではなく、その奥にある魔王の自室である。
「おい!魔王様!!……いやサンダース!!ヤツラが城に直接攻めてきたぞ!!」
その行動と言葉の両方に驚いた魔王、サンダースは
「な、なんだって!? まだ俺の腕と足の接着ができてねぇよ!!どうすんだよ!!」
「しるか!!あと数時間もしたら七王のヤツラここに来るから、身だしなみだけでも整えておけよ!」
そう言ってアロイスは耳元にある小型の無線で城の警備をしている部下の悪魔達五千人に
「いいか!七王の連中がすぐココまで来ている!全員戦闘態勢をとれ!!!」
とだけ告げて、魔王の自室を飛び出して言った。
◇◆◇◆◇
そのころ、焔たちのいる第一部隊は、城の内部に侵入し兵士を暗殺しながら中心部へと進んでいた
「悪魔の数が一気に増えた どうやらばれたらしいな……」
「そうみたいね……」
「……大丈夫 そこは陽動部隊がやってくれるから」
「うんうん!その通りだよ!僕達はいかに迅速に魔王を倒して首を持ってくるかなんだから」
と今の状況について次々にそれぞれの考察(感想)を述べていく。そしてクラウスの小さくも威厳を感じる声で次の指示を出した。
「あの見回りの兵士が後ろを向いたら、ニルスが無力化して、先に進むぞ」
「「「「了解!」」」」
そして、警備をしている悪魔がその場を過ぎ去り背を向けた瞬間、二ルスが音も無く高速で近づき、首筋にツインダガーの刃を当てて、音も無く敵を屠った。
「暗殺のスキルに関してはさすがだな二ルス」
「悔しかったら正式な試合でも俺を負かして見やがれ焔」
焔は褒めたつもりだったのに、一番言われたくないことを言われ、剣を抜いて飛びかかろうとしたが、アリスとミネルバがそれをとびかかる寸前で止めた。
そしてさらに五人は奥へと進む
◇◆◇◆◇
――――――そのころ陽動を担当する二班では
「あの~、マグヌスさん」
「何だ?トイレか?」
「ち、違います!!質問ですよ!!!」
リーナは顔を赤らめ、あわてながら否定した。
そしてマグヌスはリーナの質問を聞くことにした。
「で?質問はなんだ?」
「その~、三人だけで大丈夫なんでしょうか?」
その質問にマグヌスは、不気味な笑い声を上げる。
「クックックッ、君は僕の「本職」がなんなのか知っているかい?」
そして、今まで隠していた魔力を開放するかのようにまわりに三つの直系が四、五メートルはある魔方陣を三つ展開し「本職」の名を言った。
「召喚士だ!!」
そして、ど派手な炎の演出と共に、敵と見なしたものを皆殺しにし、鋭い牙と丈夫な羽を持ち、体長が10メートル近くはある召喚魔法最高位に君臨する翼竜、「バハムート」が召喚された。
召喚と同時に、魔力を感じ取って集まりだしていた悪魔に向かって、協力な火炎ブレスを放ち、一瞬でその一帯を灼熱の海へと変貌させた。
「……わかった 気をつけて」
二ルスが突然喋りだしたので他の四人は動きを一度止めて二ルスに注目した。
注目された二ルスは通信の内容を言った。
「陽動作戦開始だそうだ」
「よし!魔王のいる部屋まで全員突っ走れ!!」
クラウスの合図と共に、全員隠れることもせず、前もって調べていたルートどおりに走っていった。
途中見張りの兵士達がいたが、先行していた二ルスが一匹残らず敵を屠る。
全力で走っていると、食堂のような広い開けた場所に出た。
そして、それと同時に、中心の四角くて長いテーブルの上には誰かがいた。それも一人ではない。
「誰だ!」
クラウスは無視できないと判断して、話しかけたすると突然天井の方からライトが当てられ
「我の名はデーモン・レッド!!」
「僕の名前はデーモン・ブルー!!」
「我が名はデーモン・ホワイト!!」
「オラの名はデーモン・ブラウン!!」
「「「「我ら、四人合わして、魔王の忠実なるしもべ!!四天王!!ここに見参!!」」」」
謎な自己紹介のセリフと同時に赤、青、白、茶色の体をを持ち、黒色の角が生えた悪魔達が四人同時に現れた。
「こんなふざけた連中は俺と二ルスが引き受ける!お前達は先に行け!!!」
「ありがとう!クラウスさん」
それだけ告げて焔、アリス、ミネルバは四人の後方にある廊下にダッシュで向かった。
それを見ていた四人の悪魔は突然肩をくみ出し、何か小さく話し始めた。
レッド:「おい、何かスルーされちゃったよ!うわさではこういう人間はこういう時は何かしらのアプローチするって聞いたんだけど?」
ブルー:「そうだな……は!もしかしてこれが俗に言う「放置プレイ」ではないのか?」
レッド:「……そうだったのか!……お笑いとは奥が深いな」
ホワイト:「それより先に行かせちまっていいのかよ」
ブラウン:「そうでゴワス!オラとホワイトで、追うでゴワス!」
レッド:「そうだな!よし、気をつけて行ってくるんだぞ」
白&茶色「ラジャー!!」
そして、話がまとまった四人はそれぞれの行動に移った。白いのと茶色いのは奥の廊下へ向かい、赤いのと青いのはクラウスと二ルスに向かって仁王立ちして
「悪いがココから先へは俺達が死守する!!!」
「お前達は黙ってこの場から去れ!!」
それを聞いた二人は
「いいぜ、四天王の力見せてくれよ……ブ殺してやるからよぉ!!」
「お前、ヒーローの正しいメンバー構成はな五人でそのうち少なくとも一人はカワイイお姉ちゃんなんだよ!!」
とそれぞれの言いたいことを言って、武器を抜いた。
◇◆◇◆◇
「とまりなさいそこの人間!」
「まつでゴワス!」
そんな声が聞こえてきたが焔たちは足を止めず、そのまま突っ走った。しかし、群雲城の王の間へと続く大廊下のところで足を止めてしまった。
理由は、焔たちの正面にさっきとは雰囲気の違う黒衣をまとい、長い杖を携えた悪魔が現れたからだ。
「おい、悪いなこれ以上先にはは進ませねぇよ!!!」
そして当然後ろから追ってきていた二人も追いつく。
「おぉ!!「賢者」のアロイス殿、居られたのか」
「ナイスタイミングでゴワス!!」
「おい、テメェら、何ココまで通してるんだ!俺の仕事が増えただろうが!!」
そして駆けつけた二人はアロイスに怒られ
「「はいぃぃぃ!!申し訳ありません!!」」
と土下座をしていた。
それを見て満足したのかアロイスは三人の方を見て
「お前達に明日はない……何故なら、俺がココで貴様らを駆逐するからだ!!!」
それを聞いた三人は
「……闘うしかないみたいだな」
「……そのようね」
「……十分で終わらす」
と心を一つにして武器を抜いた。
続く
誤字・脱字、アドバイスなどなにかあれば教えてください。