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セブンスソード―七つの聖剣―  作者: 音無 桐谷
第五章 七王会議編
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七王会議編5-2

 ――――――――焔&アリス

 会議は、城の「円卓の間」というところで今回は行われる。何故「王の間」ではないのかというと、単純に、会議の人数が多いからである。

 この「円卓の間」は中央の13個の椅子がついた円卓を取り囲むように百を超える観覧席(または傍聴席)があり、この会議において重要な人は円卓へ、それ以外の王の重役や召使いは周りの席へというのが今回の会議の特徴だ。(ちなみに会議の最終決定権は中央に集まる人間である)

 焔たちが中に入るとまだ中央席にはまだ誰もいず、周りも人一人いなかった。

「ねぇ?この会議では何の話し合いをするの?」

「群雲城の攻略について」

 焔はアリスから来た質問を当然のように答えた。だがアリスは「え?どうして?」と言う顔をしていた。


 群雲城、別名魔王城、3年ほど前、北の大陸で繁栄していたユーデル族の王が納めていた大陸でココ最近の「大会議」(四つの国の王が中央大陸に集まり話し合いをする場所)での議題でもある。


「もしかして、悪魔達に乗っ取られた話は本当だったの!?」

 アリスは会議の内容の一部を聞いてすばやく理解したようで焔は助かった。

 そしてその後すぐに、焔のきた扉から身長百八十センチほどで、頭以外の全身を頑丈そうな金属鎧を身に着けた男が会場内に入ってきた。男の眼は鋭く、たくさんの人を殺して生きて生きたという眼だった。髪と瞳は蒼く、焔と同じ、大東連合のあるこの土地で生まれたことが容易にわかった。

「もしかして本物の、クラウス・レイステア?」


 クラウス・レイステア(第一位)、二十九歳、現在存在する五大陸の頂点に立つもっとも強い男。武器は片手剣と巨大なタワーシールド。その圧倒てきな防御センスから、「鉄壁の王」と呼ばれるようになった。


「鉄壁の王」のクラウスの入室に伴い、次々と人々が集まって来た。アリスは興奮し一人一人を凝視する。


 マグヌス・ヘルマン(第二位)、七十七歳、七王の最年長で身長はもう百三十センチ程度。髪は白髪で瞳は灰色。武器は両手杖で得意魔法は召喚魔法サモン。普通の魔導士では一体出しただけで気絶してしまうバハムート級を一度に三体も出すことから、「召喚の賢者」と呼ばれている。


 ニルス・カルフヴァーラ(第三位)、二十五歳、身長百七十五センチほどで、金色の短髪、綺麗な碧眼を持つ双小剣ツインダガー使い。すばやい身のこなしからの美しい剣技から、「鮮血の踊り子」の名を持つ。ちなみにチャライ


 ヴィルヘルム・アホカス(第四位)、三十歳、身長は百九十以上あり、黄緑色の瞳を持つ。そして七王の中ででもっとも目立つ。理由はセンスゼロの星型サングラスに、黄色のアロハシャツを着ており、なおかつ、自分の顔よりでかい紫色のアフロを持っている。武器はダイナマイトや爆弾と言ったもので、それに「酔拳」という斬新な武術から、「泥酔の爆撃機」という呼ばれ方をしている。


 アリスはその四人の影に隠れていた五人目を見て驚いた。

「瑠璃……なんであなたがココにいるの?」

 瑠璃もアリスがいることに少々驚いたようで、手を口元にあてている。

 瑠璃は一つ礼をしてある女性の後に続いた。


 遠山エカテリネ(第五位)、二十五歳、身長百八十五センチほどで、腰まで届くつやのある黒髪を持っている。瞳はブラウンカラーに近く、七王唯一の女性である。エカテリネの武器は、まだ魔法も発達していなかった頃にこの国で生まれた、「刀」なる物を使う。その刀の中でも、「抜刀術」というのが得意らしい。その一撃は人間を輪切りにすら出来ると聞く。


 焔はそんなアリスの顔から思っていることがわかったようで、

「あ、瑠璃のやつ半年ほど前からエカテリネさんの所で修行しているんだよ……多分、アリスと同じでお手伝いなんじゃないのか?」

 と答えを教えてくれた。


 そして六人(七人目はもうこの世にいない)全員が集まったのを見ていたかのように、先ほど会った首相フェルナンドと、王宮内の有力者が集まった。


 すると全員がいるのを確認した首相は立ち上がり


「これより、七王会議をここに開廷する!」

 と言った。


 その宣誓と共に、七王会議は始まった。


 ◇◆◇◆◇


 ――――――ミネルバとアクセル


「……おい話が違うぞ焔……無茶苦茶強いじゃねーか!!」

「……次は絶対に……殺す!!!!」

 ミネルバはその時木材置き場で、稽古をしていた。しかし、稽古への意欲は今では殺意へと変わっている。

 理由は、焔がアクセルに稽古を頼んだようで、始めの方はそこそこ教えてくれていたのだが、少し呼吸を整えているときに何も言わずに右胸を揉んだのでこんなことになっている。

「そんなに胸に触ったのにおこっ……危な!!」

「それ以上、わ、私を辱めるなぁぁぁぁぁぁ!!」

 そう言ってミネルバはアクセルから奪ったハンマーを振り回し迫る。

 アクセルはすぐに立ち上がりバックステップで距離を取って回避していた。そしてミネルバはアクセルを隅っこに追い詰めることに成功した。

「タイム!タイム!!ジンジャーエールご馳走するから許してくれ!!!この通りだ!!!!」

 そういってアイツは土下座をしてきた。

「なら……これで許す」

 そう言って私は右足で蹴り上げを放とうとしたその時、

 アクセルはミネルバの足を両手で持って振り回し、自分の後ろの壁に叩き付けた。

「くっ……キサマ卑怯な……」

 そう言って体中の痛みをこらえながら私は立ち上がろうとした、だが

「チェックメイトだぜ、お譲ちゃん」

 アクセルはミネルバの首にナイフを突きつけながらそう言った。


 ◇◆◇◆◇

 リーナ&エドワード


 二人は庭で模擬戦をしていた。

 リーナは水魔法で鞭をつくり、中距離から攻撃を仕掛けていた。エドワードはバラを片手に軽々とその攻撃をかわしている。

(この人強いな~、当たんないよ~)

 リーナはそう考えながら鞭で攻撃するが

「そのままじゃ、一生当たんないよー、リーナくん」

 そう言いながらエドワードが華麗にかわす。

 リーナは、

「これならどうですか?」

 そう言って鞭攻撃をやめて、手で鉄砲の形を作り、銃口を人差し指に見立て、魔力を集める。そして詠唱を始める。

「我、水を愛し、水に感謝する者なり、その水を愛さぬ信仰者に、裁きの一撃を!」

 そして、見せ付けるかの用にその魔法名をいった。

「マリン・マグナム!!」

 人差し指に集まった、水の球は、勢い良くエドワードに飛んで行き直撃したかの用に思われた。しかし、

「我、炎獣の名の下に、すべてを焼き尽くす我が盾となれ!」

 エドワードは魔法の詠唱をすばやく行い、渦巻く炎を出現さして、蒸発させてしまった。

「そんな……」

 リーナは今まで防がれた事の無かった大技を防がれて驚き、数歩後ずさった。

 そしてエドワードは動揺したのを見てさらに詠唱を続ける。

「我、そなたと契約する精霊使いなり、我との盟約に基づき、我に力を貸さん!!」

 そして大量の炎がエドワードの周りを渦巻き、魔力を集める。

「来い!炎神の九番目の眷属、キマイラ!!!」

 そして現れたのは、体が燃え盛り、凶暴なライオン見たいな顔を持つ精霊だった。

 リーナは両手をあげて「降参」のポーズをとりながら、

「へー、眷属級ビーストですか……私は犬級ドックもいないのに…………」

 と言って眺めていた。その呟きが聞こえたエドワードは心底驚いたように尋ねてきた。

「……もしかして、精霊と契約していないのかい?」

「そうですが、それがなにか?…………あ、」

 そして、リーナは気づいた。精霊魔法を行うための大前提、「精霊との契約」について、


「不思議な子だねリーナくんは……」

 エドワードの小さく呟いたそんな声が良く聞こえるくらい、その場は静まり返っていた。

 その時、確かにリーナには聞こえた。首にかけているペンダントからはっきりと心臓のような鼓動が響いているのを。


 続く

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