表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セブンスソード―七つの聖剣―  作者: 音無 桐谷
第二章 闘技大会編
11/32

闘技大会編2-6

 2-6


 焔が謎の覆面集団と戦闘をしているころ、アリスたちは焔のいる闘技場に向かって走っていた。

「何がおきてるのよ、まったく……」

 アリスが愚痴をもらしながら敵を倒しながら進んでいた。

「すごいですねこの人たち……なんの躊躇もなく人を殺しに掛かってきています…………私にはとてもじゃないけど出来ません」

 ミネルバがそう言いながら鞘に入れた剣を振り回して敵をなぎ払う。ちなみにリーナは敵から奪った長杖ロッドで敵を殴ったり睡眠魔法で気絶させていた。

「焔さん、無事だといいですね アリス」

 あらかた敵を殲滅させたところでリーナが話しかけてきた。アリスはそれにそっけなく

「あいつなら大丈夫よ 今頃きっともう、十人くらい敵を殲滅しているわよ……それより」

 情報収集

 そのことをアリスは一番頭に置いていた。あからさまに、混乱していて駐屯騎士団の方も指揮系統がバラバラでアリスたちの目の前で、一対多の戦闘をしいられ死んでいった。そしてアリスが現段階で手に入れている(または予想される)情報は

 ・敵はとてつもない大部隊で統率が取れていること。

 ・敵はおそらく街中に四~五人の小隊で行動していて、街を占領しようとしている。

 ・そして推測だが、白色の武器を中心に使い、レイピアなどを投入していることから、敵は新・白柱国と思われる。

 の以上で要するに……テロ、または他国の進軍。と解釈ができる。だが、これは民間人が起こした(テロ)とは考えられないので進軍と解釈した。

(今すべき行動は……)

 アリスは、二人の視線がしっかり自分に来ていることを確認して

「今すぐ、アイツと合流してこの街から出るわよ!」

 と呼びかけ移動を開始した。


 しばらく三人は隠れながら闘技場へ進んでいると、近くで金属音が聞こえてきたので向かってみるとそこでは、

「くっ!」

 焔が八人を相手に奮闘しているところだった。アリスは状況も確認せずに、小さな炎の球を三つ飛ばして援護した。そして焔もチャンスといわんばかりに、ムーンライト(以下省略)を振り、三人を殺す。

「風よ、我々に大いなる力を……フーディクレイ!」

 リーナは風魔法で極小さな竜巻を杖から出し敵の動きを封じ、

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

 ミネルバが気合の声とともに敵との間合いを詰めて鞘に入れた剣で相手を気絶させる。

 その戦闘は三人の加勢によってすぐさま終了した。

 ◇◆◇◆◇


「ふぅ、助かったよ ありがとう三人とも」

 俺がそう声をかけるとなぜか冷たい目線で見られた。理由は簡単にわかる。

「どうした?俺の顔になんかついてんのか?」

 一応間違っていたら恥ずかしいので、聞いてみた。するとアリス以外は明らかに、恐怖でおびえているような目をしている。そして、アリスが口を開く。

「そ、そのリ、リリアカーの、し、死体の山はなに?」

 どうやら、あのアリスでも動揺を隠せず噛みまくっている。まぁむりもないか


 リアカーに軽く三十体近くの死体が積まれているのだから。


 ……とりあえず、もっともないいわけをしてこの場はしのぐことにしよう。

「みんな、これはその、俺の風習というか……そう!俺のやっている宗教の行いなんだよ こうやって斬った人の体を火で燃やして天国へ導こうっていう」

 すると、みんな疑わしそうな目でこっちを見てくる。

「……そんな犯罪者みたいな目で見んなよおい」

「アンタ、信じられない」

「あなたはやはり変質者でしたか焔」

「ちょっとこれは……惨いです…………」

 あー、なんかみんなの目が痛い。ものすごく痛い。明らかにひかれている。

 どうしたものかと考えていると、アリスがはっとした様子でこっちを見て

「早くここから逃げましょ アンタとも合流できたからもうこの街に、用はないわ!」

 その言葉に俺は少し意外感を覚えた。そして俺の様子からアリスも読み取ったようで、

「なに?私なら「戦いましょ!」とか、言うとでも思ったの?」

「う、うん まぁ、そんなことを言うと思ってた」

 俺がそれを認めるとアリスは顔を伏せた。怒らしたのだろうか?

 そう思ってアリスの名前を呼ぼうとしたが声は出せなかった。なぜならアリスがものすごく怖い顔でこちらをにらみつけ、そのまま大またで歩いていったからだ。

「なんなのよ!そこまで私は戦い好きじゃないわよ!もう!」

 といった声が聞こえてきたが聞かなかったことにしよう。

 そして戦闘を回避しながら歩いて十五分、ようやく正面門の近くまでたどり着いた。

「うわぁー、これはまずいな」

「確かにまずい、ですねー」

「……これは、ちょっと」

「なによ、これ……」

 先に偵察のために飛ばしたリーナの精霊から送られてきた映像を見てみんな「まずい」と言う言葉を上げた。

 理由は正面門のところには進行してきた敵の本部があり、およそ十五、六人の敵兵がいたからである。もちろん、この街を出るにはこの正面門を通る他なく、残された選択肢は、

「正面突破、しかありませんね」

 ミネルバが言ってくれたその方法だけである。そして映像の中には、それぞれ立てられているテントがあり、その兵隊の中でひときは目立つ者がいた。その目立つものは、白い鎧を装備していて、大盾を持ち、その盾の上から剣の柄が見えている。

「……あいつが指揮している隊長でしょうか?」

 その問いかけにアリスはうなずいて答た。俺もミネルバの方を見てうなずいた。そしてアリスは「よし!」と少し大きな声を出して、作戦を全員に提案した。

 アリスの作戦はまず、ミネルバと俺が敵の正面に飛び出し、敵を一人でも多く引き付け、引き付けている間にリーナとアリスが建物の上から得意の魔法で一斉砲撃をしかけ、基地ごと潰す。そしてその間に残りの敵を全員で倒し街からでる。と言う作戦だった。その作戦には俺を含む、全員が納得して十五分後に始める手はずにした。


 ◇◆◇◆◇


 ……十五分後、焔とミネルバは建物の影からほぼ敵の正面に飛び出した。敵は最初は躊躇したもの六、七名がこちらへ向かって走ってきた。焔は手始めに水平斬りで一人を殺し、すぐさま立て続けに襲ってきた敵に左手の拳を鳩尾にたたきこみ、防御が出来ないようにしてから剣を突き刺す。

 ミネルバは敵を斬った(殴った)あとその気絶した兵士を敵に投げつける。もちろん男で鎧も着けていたため重たく、向かってきたもう一人の気がその兵士に吸い寄せられる。それを確認もしないでミネルバはすぐさまジャンプをして、敵の頭に剣を叩きつけるとゆう、敵の視界の外から攻撃したみごとな奇襲をしかける。

 そして、ついに……

「メテオ・フレイ!」

「シャル・トルネード!」

 建物の上にいた二人の得意魔法が正面門のそばにある基地に降り注いだ。アリスの魔法は燃えている炎の球を何十個も敵の上に落とし、リーナの魔法は上空から水の混じった竜巻を起こして敵のテントを吹きとばす。そうして、あっけなく、拠点破壊という目的と兵士の霍乱に成功した。兵士もほとんどが今の攻撃でほとんどが行動不可の状態まで追い詰められていた。が……

 だが、破壊されたはずのテントが一つだけ残っていて、そこからは一人の男が無傷・・でその場に出てきた。

「やぁ、こんにちは、君たち よくここまで僕が選んだ、精鋭部隊を倒したね 君たちをスカウトしたいくらいだ」

 そういって、あの白い鎧を着たリーダー、ぽい男が拍手をしながら歩み寄ってくる。全員が剣と杖を構えて警戒する。

 そして、やっと砂埃が晴れて、顔を拝むことができた。その顔は白く、髪の毛も白い。まさしく全身真っ白。と言っても過言ではなかった。身長は一七五前後くらいで、左手には自分の胸くらいまである大きなタワーシールド、右手には白くて美しく輝く片手用直剣が握られていた。そして男は焔を見て意外そうな顔を浮かべた。

「おぉ、君は……焔君じゃないか 確か、最後に会ったのは半年前くらいだったかな?」

「そうだな、ワルクーレのおっさん 本当にひさしぶりだな」

 二人は沈黙でにらみ合う。まるで、他の人が目に入っていないかのように。

 アリスはすぐさま炎の球を三つ飛ばしたが、こっちを見ないで左手のタワーシールドを構え弾き返した。すると、これまた、今度は焔がこっちを見ないで、全員に聞こえる大きな声で指示を出した。

「今すぐ全員にげろ、逃げる時間は俺が稼ぐから」

 焔のその提案(逃げる)に対して、一人ずつ言葉を返してくる。アリスは

「私も戦うわ!!アンタ一人だけになん戦わせないわ!」

「そんな危険なこと、私はさせません!」

「焔さん、それは少し自分勝手がすぎるのではないですか?」

 しかし、焔はすべての申し出を

「それは、だめだ!これは俺が一人で解決しなきゃ行けない問題なんだ……」

 拒絶したそして続けて

「はっきり言って、こいつとの戦いにだけ置いて、仲間を守れる気がしないんだ だから、逃げてくれ」

 焔は敵をにらみつけながらそう言った。

「っ!――――わかったわ!!そのかわり、必ず生きてリーナの宿に戻ってきなさい!そして、エレフラワー・タウン名物「メロンイチゴ・タルト」をご馳走しなさい!」

 アリスはそう啖呵を切ってビルの上を後にした。

「あぁ、必ずだ……」

 焔もそれだけ言ってワルクーレだけを視界に入れる。もうすでに、ほかの三人は視界に入っていなかった。否、入れたくなかった。

「もう、お別れはすんだかい?」

「あぁ、でも死ぬのはお前の方だけどなワルクーレのおっさん」

 ワルクーレが不敵に笑うと焔も同じように不敵な笑みで返した。そして、

「では、戦おう 第七位と第六位の殺し合いの始まりだ!!」

 ワルクーレのそんな掛け声とともに、戦いの火蓋は切られた。


 続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ