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若返った元聖女(40)は、初恋の護衛騎士と20年越しの恋をする【なろう版】

作者: 夏八木アオ
掲載日:2026/01/20

 霧のような雨の降り注ぐ、冬の午前中のことだ。王都の中央に位置する大聖堂の奥に、ステンドグラスで彩られた祈りの場がある。

 その中央に跪くのは、今年四十歳を迎えた元聖女のロジーナ。

 彼女が女神の像の前で目を閉じ、下を向いてベールを外す。ベージュの癖毛がふわりと揺れた。二十年以上、白いベールに覆われていた彼女の髪が、今日は光の元に晒されている。


 ロジーナは、七歳のときに教会に引き取られ、十六歳で聖女の役割を引き継いだ。聖女は、市井を離れ、女神の声を聴き、この国の人々を導く役割がある。

 彼女は昨日聖女の役割を終えて、故郷の修道院に向かおうとしている。出発前に新しい聖女に呼ばれ、早朝の大聖堂にやってきたのだ。


 ロジーナの目の前には、聖女の衣装に身を包んだ若い女性の姿があった。新たに聖女となったアナである。

 銀色の髪を白いベールで隠し、紫の瞳が、ロジーナをじっと見つめていた。


 昨日引き継ぎの最後の挨拶をしたとき、アナはまだ不安そうに見えた。しかし今日は、もう何年も聖女としての役割を務めてきたかのように堂々として見えた。


(大丈夫よ、アナ。貴女は私よりずっと立派な聖女に見えるわ)


 アナが、ロジーナに一歩近づいた。


「ロジーナ様……女神様が、これまでのお礼に貴女の願いを叶えたいとおっしゃっています」

「え?」


 ロジーナは困惑してアナを見返したが、アナのほうが困っているように見える。こんな話は昨日しなかったし、ロジーナが聖女の任を引き継いだときにもやりとりした覚えがない。


(女神様ったら……)


 聖女としての力を失ったロジーナには、もう女神の声は聞こえてこない。

 しかし、おしゃべりな神様の声が聞こえたような気がして、ロジーナは思わず口元を緩めた。


(願い事……ね)


 聖女になったとき、ロジーナの人生は自分のものではなくなった。今更「願い」と言われても、すぐに思いつくものではない。


 ロジーナはしばらく考えてから、大聖堂の外で待っている自身の護衛騎士のことを頭に思い浮かべた。


(もう一度聖女になる前に……十六歳の頃に戻って、エリックと恋をできたら……なんて)

 

 ふと頭に浮かんだ願いは、幼く、非現実的。ロジーナは自分は世間から離れて久しいので、中身が十六歳からほとんど育っていないのはそのせいだと思うことにした。

 中身が多少夢見がちでも、大人としての取り繕い方はきちんと身につけている。ロジーナはアナを安心させるように彼女に微笑みかけた。

 

「聖女アナ、女神様にこう伝えてくださいますか? 『女神様、寛大な御心に感謝しております。貴女と過ごした日々は、私にとってかけがえのないものでした。これからもどうかこの国をお守りください。そして、できれば……今日旅に出る私のために、雲のない晴れた日にしてください』」


 ロジーナが願いを口にした瞬間、ステンドグラスの向こうから、柔らかな光が降り注いだ。

 真っ白い大理石の床が、華やかな光で彩られる。


(まぁ……なんて美しいの)


 ロジーナは聖女として、毎日この場所で女神様に祈りを捧げてきた。

 最初は義務感で。そして心を込めるようになり、そのうち当たり前の日々になった。


 日常そのものであったその時間がもう戻らないことを理解する。もう二度と見ることはないであろう、美しい光景を目にして、ロジーナの胸にはやり遂げた晴れやかさと一緒に、寂しさが実感として込み上げてきたのだった。


 彼女がアナと別れて大聖堂を出ると、外は快晴。爽やかな冬の空が広がっている。


 ロジーナは、首元を撫でる冷たい風に身体を震わせた。ベールで頭を覆う義務はなくなったが、冬は何か被るものがあるほうが良さそうだ。


 彼女は、大聖堂の外で待っている背の高い男性の姿を視界に入れた。聖女の護衛騎士であるエリック。

 彼はロジーナより八つ年上の四十八歳だ。白髪の混ざり始めた黒髪を几帳面に後ろに流し、いつもと同じ騎士服に身を包んでいる。


 ロジーナは、十六歳で聖女になってから、ずっとそばで彼女を守ってくれた彼に淡い想いを抱いていた。


 昔は少女らしく、自分の運命を息苦しく感じたり、エリックが自分を連れ出してくれないだろうかと妄想したこともあるが、さすがに月日が経ちすぎた。

 今では友人のような、家族のような――言葉にするのは難しいけれど、大切な人である。

 ロジーナはこれから彼と共に、故郷の修道院に向かう。その旅が終われば、彼とはもう二度と会うことはないだろう。


「エリック、待たせたわね」


 切れ長の青い瞳が、珍しく丸々と見開かれた。


「あら……どうしたの?」


 ロジーナは、彼の反応を不思議に思ったが、ふと思い当たることがあった。恥ずかしそうに自身のベージュの髪を触る。


「髪型がおかしい? 人前で髪を見せるのは本当に久しぶりなのよ。流行りも分からないし、どこか変かしら」


 もごもごと言い訳をする自分の声に違和感を抱く。やけに幼い気がするのだ。喉に手をあて、「あー」と声を出す。なんだかおかしい。


「ロジーナ様……ご本人ですか?」

「え?」


 疑うようなエリックの声に、ロジーナは首を傾げた。


「こちらを」


 彼は魔法を発動し、水を手のひらに乗せた。ふわりと浮いたそれが、薄く広がり、鏡のように成形される。

 昔、ロジーナが鏡を忘れたときに、人前に出る前にエリックが機転を効かせて展開してくれた鏡の魔法。ロジーナはその懐かしい魔法の鏡を覗き込んだ。


 水面の鏡は揺れて見えづらいところもあるが、それでもはっきりと分かる。

 ベージュの柔らかな髪に、緑の瞳は今朝支度をするときに見たのと同じ。しかし白い頬はふっくらと瑞々しく、桃色に染まっている。目元にはしわ一つなく、顔には薄いそばかすが散っていた。


 十六歳、聖女の任を引き継ぐために初めて王都を訪れたときと同じ姿で、ロジーナはそこに立っていた。


「……どういうことっ⁉︎」



「なんてこと! どうしましょう、あらあら、まぁまぁ……!」


 ロジーナはエリックの前でおろおろと歩き回った。


(まさか、まさか……! 私の心を読んだんですね、女神様!)


 ロジーナは、先ほど女神の前で心の中に浮かんだ願いを思い出して、へなへなと地面に座り込んだ。


「大丈夫ですか、ロジーナ様!」

「え、ええ……ありがとう、エリック」


 ロジーナは、エリックの差し出した手を取ることができない。手を握ったら「若返って、彼と恋をしたい」などという願いを心に抱いたことを知られてしまうような気がしたのだ。


「ロジーナ様?」

「あっ、ご、ごめんなさい。腰が抜けてしまって……! 冷たい土が気持ちいいからこのまま座っていようかしら! 季節を感じるわ!」


 ロジーナが笑って誤魔化そうとすると、エリックが疑い深そうに目を細めた。騎士服の上着を脱いで、彼女の頭から被せる。


「えっ、な、何⁉︎」

「失礼します」


 彼はロジーナの隣にしゃがみ込み、その背中と膝裏を支えると、彼女を横抱きにして立ち上がった。


「きゃ!」

「人に見られる前に馬車に向かいます。そこで一旦状況を整理しましょう」


 エリックの静かな声が、服の向こうから淡々と聞こえてくる。

 ロジーナは、自分を包み込む石鹸のような見知らぬ香りが気になって、それどころではなかった。


 彼の騎士服で顔を隠したまま、ロジーナは馬車にたどり着いた。御者に話しかけるエリックの声が聞こえる。


「ロジーナ様は、ご気分が優れないらしい。中で休むから声をかけるまで出発はしないでくれ」


 皮のにおいに満ちた車内で、ロジーナはエリックと向かい合わせになって腰掛けた。


「ありがとう、エリック」

「いえ……何か飲みますか? 落ち着いてから話しましょう」

「大丈夫よ」


 ロジーナは、深く息を吐いた。毎日見ていた自分の手の甲が、ふっくらとして若々しくなっていることに気づく。先ほど鏡で見た姿と、エリックの反応を思い出せば、若返ったことは間違いなさそうだ。


「どうしましょう」

「大聖堂で何かあったのですか?」


 ロジーナは答えに詰まってしまった。説明に迷って黙っていると、エリックがじっとロジーナを見つめて尋ねる。


「どんな魔法か調べさせていただいても?」


 ロジーナは、少し迷ってからゆっくり頷いた。魔法の仕組みを確認したとしても、“何のための魔法か”までは伝わらないはずだ。


「失礼します」


 彼はロジーナの隣に移動すると、彼女の両手を握った。

 魔力の影響でふわりと温かくなる。握ったままの指先から、彼の体温が伝わってきて、ロジーナは自分のてのひらに汗が滲むような気がした。

 エリックがわずかに顔を顰めた。


「なんと……幻覚ではなく、本当に身体の状態を変えているようですね」

「あぁ、女神様……! 私、本当に十六歳になってしまったのね」

「十六歳?」


 エリックが手を離し、不思議そうにロジーナを見つめる。


「あっ、えっと……その」


 ロジーナは気まずそうに目を逸らしてから、言葉を選んで絞り出す。


「大聖堂を離れる前に……聖女アナに、女神様が私の願いを叶えてくださるとおっしゃって……十六歳に戻りたい、と」


 エリックは納得していないような顔をしている。ロジーナはどこまで正直に話すか悩みながら口を開いた。


「心の中で、聖女になる前に戻って、これまでできなかったことをしてみたいと思ってしまったの」

「なるほど」


 エリックの視線が痛くて、ロジーナは下を向いた。


(みっともないと思われたかしら)


 今すぐ姿を消したい気分だが、ロジーナにはそんな魔法の力はない。聖女の任を終えた彼女ができることは、全国にいる神官と同じような簡単な治癒魔法のみである。


「どうしたらいいの……」


 ロジーナは、これから故郷の修道院に向かい、神官の一人となる予定だった。人々の悩みに寄り添い、治癒の魔法を使って人々を癒し、静かに余生を過ごすのだ。

 若返りの祝福など、聖典に記されているような奇跡がロジーナの身に起きたと知られたら大騒ぎになってしまう。修道院で静かに暮らすことなど不可能になる。

 この祝福は解除できるものなのか、もう女神の声を聞くことができないロジーナには知る術もない。


 ロジーナの口からは重たいため息が漏れた。


「ロジーナ様、身体や魔力に違和感や不快なところはありますか?」

「いいえ、ないわ。むしろ元気が有り余っているくらいよ」


 最近は毎朝起きると腰のあたりに違和感があったのだが、全く感じない。身体が軽くてどこへでも行けそうな気がした。


(いくら身体が軽くても、こんな姿でこれからどうしたら……)


 これまでは、答えがなければ、女神に助けを求めていた。しかしもうロジーナには彼女の声を聴く術はない。進む先が分からないどころか、積み重ねてきたものが全て消え、自分という存在をどう成り立たせていたのかすら分からない。

 ロジーナの手が小さく震える。


 エリックが、その震えを止めるように彼女の手を握った。


「ロジーナ様、であれば、せっかく女神様にいただいた機会です。その“これまでできなかったこと”をしませんか。修道院には、到着が遅れると手紙を書いておきます」


 彼の提案に対して、ロジーナは緑の瞳をぱちぱちと瞬きした。


「そんなことをして許されるのかしら……それに、戻れなかったらどうしたら……」


 ロジーナは、不安と戸惑いで泣きそうになる。


「今日一日だけ」


 エリックの声で、はっと顔を上げる。


「短い時間です。何も考えずに楽しみませんか」

「楽しむ……?」

「ええ。その後のことは、それから考えましょう。聖女のアナ様にも面会を依頼しておきます。大丈夫です。私も今やそれなりに権力もありますので、融通も効きます。きっとなんとかなりますよ」


 エリックが生真面目な顔で言い切った。それでも彼の青い瞳には、いたずらっぽい光が宿っている。

 真面目そうに見えて、エリックは規則の抜け道を見つけるのが上手い。二十年以上の長い拘束時間に息抜きや楽しみを見出してこれたのは彼のおかげでもある。


 ロジーナは、彼女の護衛騎士の誘いに乗ることにした。



「王都では私の顔が割れていて動きづらいので、隣街に行きましょう」


 ロジーナは、馬車の中でエリックが広げた地図を覗き込んだ。


「そこからおとり用の馬車を用意し、二方向に別の馬車を出します。その間、我々は徒歩で西に移動、このロブリスの街からであれば王都も近いですから、陽が落ちる頃に戻りましょう」


 エリックが地図の上で指を滑らせてつらつらと説明するのを聞いて、ロジーナは身を乗り出した。


「なんだかスパイにでもなったような気分だわ。手際がいいのね」


 まるで最初からこうなることが分かっていたかのように、エリックはおとり用の馬車や宿を手配した。迷うことなく話を進めていく。

 彼は少し気まずそうに見えた。


「実は……修道院に行く前に寄り道できるように準備をしていました」

「あら、そうなの? どこへ?」

「どこへでも」


 ロジーナはエリックの返答の意図を読み取ることができず、ただぱちぱちと瞬きをした。


「元聖女として修道院に向かう旅は、結局人々に呼び止められてしまうでしょうし、聖女としての移動と大きく変わらないだろうと思ったのです。修道院の神官も自由な移動は叶いません。その前に貴女が行きたい場所があればご案内したいと思っていました。ですから、私にとっては、むしろ予定どおりなのです」


 彼の言葉は冗談めかしているようでいて、ロジーナのことを心から考えてくれていたことが伝わってきた。

 エリックの青い瞳が優しく自分を見つめると、心臓がどきどきしてしまう。


「ありがとう、エリック」


 彼の親切心に過剰に反応してときめいてしまうのは、身体が幼いせいだ。ロジーナは熱くなった頬を両手で冷やした。



 咄嗟に“できなかったことをやりたい”と答えたものの、ロジーナの頭に具体的なことが浮かんでいたわけではない。

 隣町に移動してまず何をしたいかと聞かれ、彼女の頭に浮かんだ少ない選択肢の一つはマーケットでの買い食いだった。


 馬車の中、エリックは彼の髪色に合わせて、グレーの混ざった付け髭を撫でた。


「ロジーナ様、恐れ入りますが、街中では私のことは『お父さん』と呼んでいただけますか。我々が一緒に歩くには、親子が一番怪しまれません」

「お父さん?」

「ええ」


 エリックは頷いた。十六歳と、四十八歳。親子にしてもやや歳が離れている。

 

(親子だなんて……。私だけ若返っても、これではとても恋なんてできないわね)


 もちろん、親子ではなく恋人として振る舞おうなどと提案はできず、ロジーナは彼に同意した。


「分かったわ。でも、お父さんが娘に『ええ』なんて返事をしたらおかしいと思うわ」

「確かに、そうですね」

「練習しましょう。『お父さん』」

「……ああ」


 エリックの気まずそうな返事に、つい笑いそうになってしまう。

 護衛騎士は聖女と異なり婚姻を制限されないので、彼には本当の娘がいてもおかしくはないのだ。だがエリックは、職務を優先して、結婚しようとしなかった。

 娘として振る舞うことで、彼の人生を拘束した罪悪感が少しだけ薄れるような気がする。


「ふふ」

「貴女は姿が違うのでバレることはないでしょうが……念のため偽名を使いましょうか」

「偽名! ワクワクするわ。でも、聞き慣れていない名前で反応できるかしら……」

「ジーナ」


 昔、聖女になる前であれば、こうしてあだ名で呼ばれることもあった。

 ロジーナはびっくりして飛び上がりそうになった。


「……は、どうですか?」

「あ、そ、それなら、きっと気づけるわ」

「では……行こう、ジーナ」


 御者から顔を隠すために、ロジーナは深く帽子を被った。

 馬車の扉を開ければ、冬の風が入ってくる。エリックが手を差し出した。

 ロジーナはそっと彼の手に自分の手を乗せた。手の大きさの違いや、冷たい風の中で触れた温かさに、落ち着かない気持ちになる。


(とても父だなんて思えないわ)


 地面にしっかり足をつけたら、ロジーナはつい手を離した。


「一人で歩けるから大丈夫よ!」


 ロジーナは幼少期に親元を離れているので、思春期の反抗心をぶつける大人はいなかった。遅れてきた反抗期のように“父親”からふいっと顔を逸らして、石畳の上を歩きはじめた。



 王都の隣町は賑やかで、普段馬車での移動が多いロジーナにとっては衝撃的な人混みであった。


(どこを通ったらいいのかしら?)


 店の呼び込みや、雑談に興じる人々の間を縫うように通り抜けようとするが、ロジーナには難しい。


「ジーナ」


 エリックに声をかけられ、彼に腕を引かれて建物の影に入る。


「人がすごいのね……!」

「冬は娯楽が少ないので、マーケットに人が集まるのです。何か気になるものはありますか?」

「シナモンの良い香りがするのは何?」

「多分クレープですね。あとはスパイス入りのワイン。両方試してみましょう」


 ロジーナは、エリックに手を引かれるまま街中を進んだ。忙しい人々は誰も自分たちのことを見ていないことに気づいて、彼の手をしっかりと握り返す。


「いくつか種類がある。どうするジーナ?」


 クレープ屋の前に到着すると、エリックはぴたりと足を止めた。雑踏に紛れないようにいつもよりずっと近い声で彼の声が聞こえる。

 ロジーナは種類の書かれた案内をさっと見てから、店主と目を合わせた。


「えっと……シナモンと砂糖を。お願いします」

「はいはい、シナモンね」


 店主はテキパキと生地を広げ、その上にうす茶色い粉のスパイスと、砂糖をふりかけた。


「はい、熱いから気をつけて」

「あ、ありがとう」


 店主にお礼を告げて、今度はホットワインの店へ。


「お持ちしましょうか?」

「大丈夫よ。自分で持ちたいの」


 白い湯気と、つんとした香りが立ち上がる両手を見て、ロジーナは興奮気味に答えた。


「分かりました。人が多くて食べ歩きしづらいので、少し道を外れましょう」


 ロジーナは彼に言われるがままついて行き、メイン通りよりは人の少ない場所に出た。狭い坂道を緩やかに下りながら、右手のクレープにかぶりつく。


「温かいわ。ナイフもフォークも使わずに食べるのははじめて。素朴な生地で美味しい。砂糖が溶け切っていなくて、食感が残っているのも楽しい。ワインも本当にいい香り……身体が温まるわ」


 スパイスの香りを味わっていると、ふとエリックが自分を見ていることに気づいた。


「ごめんなさい、独り占めしてしまったわね。ええと、これはどうやって分けたらいいのかしら……」

「いえ、私は……」


 エリックとロジーナの横を、仲の良さそうな若い少女たちが歩いていく。お互いに「食べる?」と手に持った食べ物を分けて笑いあい、そのまま人混みに消えていく。

 ロジーナはクレープをエリックに差し出した。


「食べる? こうして、分けるものなのよね?」


 エリックは一瞬固まった。


「必ずしもそういうわけでは……全てロジーナ様のものですよ」

「『喜びは、隣人と分かち合うことでより増す』のに?」


 聖典の言葉を引用すると、エリックは「それはまぁ、確かに」とモゴモゴと呟いてから、ロジーナの手から一口食べた。



 食事を終えて、川辺に出る。向こう岸がずっと遠くにある大きな川は、まるで湖のように見える。船が交差する様子を眺めながら、ロジーナは冷たい風に身体を震わせた。

 

「綺麗だけれど、とっても寒いわね」


 隣を歩くエリックに笑いかける。


「そうですね」


 エリックは自身の外套を脱いで、当たり前のように彼女の肩にかけた。その重さ、そして何より温度が、ロジーナを動揺させる。


「そういう意味じゃないのよ!」


 エリックはロジーナの慌てぶりに短く笑うと、外套のボタンを閉めてしまった。


「こうさせてください。私にも、“やりたかったけれどできなかったこと”があるのですよ」

「やりたかったこと?」

「寒さに震える貴女に手を差し伸べることです」


 ロジーナは過去に彼と寒空の下を並んで歩いた覚えはなく、首を傾げた。基本的に聖女は大聖堂の建物の中にいるものだ。暑さや寒さの中で活動することは少ない。


「外套を必要とするような場所に行ったことなどあったかしら」

「ええ。西の保護区で救援活動に参加しました。まだ貴女が聖女の任を引き継いだばかりの頃ですね」


 ずっと昔のことを思い出そうとするが、そのときの気候はロジーナの記憶には残っていない。

 魔獣に襲われてひどい状態の集落だという話だけ聞いて現地に向かった。初めての大規模な救援活動への参加だ。

 ロジーナが到着すると、まだ何もしていないのに人々は期待に満ちた顔を向けてきた。まるでロジーナが、全員の怪我も不安も全てなかったことにできるかのように。

 でも実際は怪我を癒すのは一人一人しか対応できないし、崩れた建物も直すことはできない。聖典で描かれたような奇跡を起こすことはできないのだ。


 ロジーナは派遣されてきた数名の神官と一緒に治療にあたった。

 騎士団の団員が崩れた家を直し、炊き出しを行い、人々を勇気づけるのを見ながら、ロジーナは人々が「なぜ事前に魔獣の出没を予告できないんだ」と責め出すのではないかというプレッシャーと、皆が期待するほどのことはできないという無力感で逃げ出したくて仕方なかった。


「あまり覚えてないわ。ずっと昔のことだもの」

「そうですか。貴女は食事もとらず、風も凌げない小屋の中で、一日中治癒魔法を行っていました。我々の声も耳に入らないほど集中していました。貴女はその後熱で寝込んだでしょう。無理矢理休ませなかったことをずっと後悔しています」

「そんな昔のことを後悔しているの? 私は覚えてもいないのに!」


 エリックはやけに彼女の体調のことを気にするが、それは彼がそういう細かい性格なのだと思っていた。そんな大昔の話を引きずっているなど、想像したこともない。


 あのときと同じような状況は、その後ほとんど発生していない。基本的にはこの国は平和なのだ。

 魔獣の被害をこの目で見たあとは、ロジーナはしばらく女神の声を聞くことに必死になっていた。事前に女神の声を聞いて察知できれば、できることも増えると思ったのだ。

 しかし、分かったのは、女神はそれほど万能ではないということ。

 占いのように当たったり当たらなかったりする。彼女が確実にできることは、祈りを通して人に癒しの力を貸すことのみ。

 

 女神の力を引き出す癒しの魔法は、この国を支える重要な魔法である。しかしそれは聖女のみの限られた力ではない。

 聖女は女神の力を保つために存在し、その身は女神のためにある。聖女の力は実益よりも、象徴的な、より儀式的な役割のほうが強まっている。

 だからこそ、聖女は存在することに価値があり、人々の理想を体現する存在でなければならないのだ。


 聖女の立場が辛くて泣きたくなったとき、ロジーナはエリックに一人にしてほしいと頼んできた。

 それでも一度だけどうしても耐えられなくなった夜、涙が溢れる前にエリックはロジーナを屋根の上に連れ出して、一緒に夏の星空を見たことがある。

 それから時々、ロジーナは時々エリックに頼んで、星空を見るようになった。

 

 基本的に大聖堂の祈りの場と自分の部屋を行き来する毎日を送るロジーナにとっては、彼が見せてくれるものが世界のほとんどだった。

 わけも分からず祈る日々が、彼の目を通して知ったこの国の人々の幸せを祈るための時間になったのだ。


 その彼の“やりたかったこと”を自分が叶えることができたという事実は、ロジーナの胸を誇らしく、温かい気持ちにさせた。


「エリック、貴方、他にもやってみたかったことはある? 私、貴方に感謝を伝えたいと思っていたのよ。私にできることがあれば、なんでもするから教えて」


 思わず前のめりになったが、彼の外套に包まれて、手が出せないことを忘れていた。バランスが取れず倒れそうになったところを、エリックが支えてくれる。

 彼の青い瞳が丸くなっていることに気づいて、ロジーナは自分が興奮しすぎたことを自覚した。頬がぽっと熱を持つ。

 今更少し大人ぶって、余裕に見えるよう口角をあげた。

 

「……ありがとう」


 エリックは穏やかな、リラックスした表情で笑った。


「では一つだけ。王都に戻ってからお願いすることにします」

「今じゃないの?」

「ええ」

「気になるわ」

「気にしていてください」

「まぁ!」


 ロジーナは不満げに彼を見たが、エリックは微笑みを返すだけで答えを教えてくれなかった。



 王都に戻るための乗合馬車を探すため、ロジーナはエリックと共に先ほどとは別の道を進んでいた。

 人混みではぐれないよう、エリックの腕に手を添えて着いていく。


 彼の外套を借りたまま、ぴったりくっついて歩いていると、親子として不自然に見えそうだ。しかし人々は自分の用事で忙しそうでジロジロ見られることもないので、ロジーナは思いきって今の時間を楽しむことにした。


 露店の店を指差して何気ない会話をしていると、くすぐったい気持ちで浮き足立ってくる。


(デートをしているみたい)

 

 ふと、ロジーナの目に色とりどりのガラス玉や安価な貴石を使ったアクセサリーを売る露店が目に入る。

 彩豊かで、キラキラと光を反射するそれらは、おもちゃ箱をひっくり返したような愛らしさがある。聖女は基本的に装いが質素で、儀式のために身につける装飾品は厳かで可愛らしさとは程遠い。

 これまで縁のなかった装飾品を見て、ロジーナの胸に、幼い頃に抱いた憧れの気持ちが蘇る。


「可愛い……」


 数あるアクセサリーの中で、ふと目が留まったのは、小さな青い石がついた銀色の指輪だ。エリックの瞳と同じ色をしている。大きさの違う二つのリングが、隣合って並んでいた。


「気になるものがあったかい? これかな?」


 突然店主に話しかけられ、ロジーナは思わずエリックの後ろに隠れた。店主は、ロジーナが見ていた青色の指輪を手に取っていた。

 店主に分かるくらい分かりやすく見つめてしまったことが恥ずかしく、返事ができない。


「よかったらつけてご覧よ。これはね、恋人とお揃いで……」


 店主はニコニコしながらエリックの顔を見た。


「……つけたり、最近は親子や友達で揃えるのも流行ってるよ!」

「あ、ありがとうございます。でも結構よ」


 ロジーナは笑顔で断った。その場を離れようとすると、店主が囁いた。


「お嬢さん、明日までとっておいてあげるから、いい人を連れておいで。次は親父さんには内緒でな」


 店主が悪戯っぽく片目を瞑ってみせた。

 ロジーナの心臓が、ドクリと大きく鳴る。


(いい人……)


 ロジーナにとっての「いい人」は、今、まさに隣にいるのだ。

 エリックに頼めば、彼はきっと指輪を買ってくれるだろう。しかしそれは、ロジーナが欲しい意味を持った指輪ではない。


 ロジーナはエリックと目を合わせることができず、急かすように彼を引っ張った。


「エリック、行きましょう」



 西陽が沈もうとしている頃、二人は乗合馬車で王都に向かった。騎士団宛に、聖女のアナからエリックの元へと手紙が届いており、手紙には面会時間の案内が入っていた。

 夜遅く、約束の時間になると、ロジーナは顔を隠して大聖堂へと向かう。


「ロジーナ様……! そのお姿は?」

「アナ……これは、その、女神様の力だと思うの。私は、元の姿に戻りたい。どうか彼女の声を聞かせてくれないかしら」


 アナに事情を話し、女神の声を聞いてもらった後、ロジーナはふらつきながら大聖堂を出た。

 ストールで顔を隠したまま。

 そんなロジーナの姿を目に入れ、エリックはゆっくりとロジーナに近づく。


「ロジーナ様……馬車で話しましょう。どうぞこちらへ」


 彼の案内で箱馬車に導かれ、座席に腰掛けると、ロジーナは頭に被っていたストールを外した。十六歳の少女の瞳が涙で濡れている。


 エリックはロジーナの姿を見つめたまま、黙っていた。


「……もう二度と戻れないの」


 ロジーナは、ぽつりと呟いた。

 アナには、若返りから戻るためにはロジーナの“願い”を叶えなければならないと言われた。つまりこの姿で、彼と恋をすることが、元の姿に戻る条件なのだ。

 二十年以上一度も女性として見てもらえなかったのに、親子のような年齢差で、彼に好きになってもらうことは絶望的に思える。

 デートのようだと浮かれてドキドキしていた彼女の隣で、エリックはずっと“父親”として振る舞っていた。


「戻れない......? アナ様がそのように?」


 ロジーナは頷いた。


「私には、もうどこにも居場所がないわ」

「そんなことはありません」


 エリックが言葉を被せるように答えた。エリックは真剣な顔で、ロジーナを見つめた。


「私がいます。私と一緒に暮らしましょう」

「貴方と.....?」


 彼は、ロジーナを安心させるように微笑んだ。


「ええ。今日のように、親子として過ごしましょう。王都に住んでもいいし、どこか誰も知らない土地に引っ越しても構いません」


 ロジーナは首を横に振った。


「こんなことに貴方を巻き込めないわ。せっかく聖女の騎士の任務が終わったのに......」

「構いません。貴方が望んでくださるなら、一生おそばにいます」


 彼の力強い言葉を聞いて、ロジーナの目から涙が溢れた。

 泣き顔を見られないように、彼から顔をそらす。


「ごめんなさい」

「今はきっと、不安でしょう。すぐに決断する必要もないのです。貴女が故郷の修道院に入りたいなら、必ずその道を探します。どうにでもなります。私が必ずなんとかしてみせます。どうか不安にならないで」


 エリックが彼女のために心から尽くそうとしてくれているのに、彼が彼女の幸せを願えば願うほど、ロジーナの胸には虚しさが広がっていくような気がした。

 どれだけ優しくしてもらっても、自分が一番望むものは一生手に入らないと突きつけられるような気がする。

 その気持ちを言葉にできず、ロジーナの目からは代わりに涙が落ちた。


「……一人になりたいわ」

「それはできません」

「どうして?」


 今までは、泣きたいときには一人にしてくれたのに、エリックは離れるどころかロジーナの隣に腰掛け、彼女にハンカチを差し出した。

 ロジーナは、それを受け取らずに彼を見つめる。エリックはロジーナの表情を見ながら、行き場のなくなったハンカチを自分の膝の上に戻した。


「貴女が不安なときに、一人にするのが嫌だからです」


 ロジーナは思わず笑ってしまった。

 彼にはロジーナが泣いている理由が想像すらできないことがよく分かった。


「不安じゃないの。悲しいのよ。貴方は私が望んだらそばにいてくれるんでしょう?」

「ええ、もちろんです」

「望まなければ、そばにはいてくれないってことだわ」

「?」


 エリックは、ロジーナの言葉の意味を確認するように、彼女の顔をまじまじと見つめる。

 

「それは……当たり前でしょう」


 エリックが、鞄から小さな箱を取り出した。

 

「王都に戻ったら、一つ願いをお伝えすると言いましたね。私の願いは、これを受け取っていただくことでした」


 小さな箱を手に載せられて、ロジーナは箱とエリックを順番に見た。彼は無言のまま視線だけ動かして、ロジーナに箱を開けるように指示する。

 ゆっくりと中を開けると、そこには金色の指輪が入っていた。中央に小さな青い魔鉱石が埋め込まれたものだ。


「これは、身を守る魔鉱石の入った指輪です。私物を持たない聖女の貴女には、服飾品は渡せませんでしたが、今なら構わないでしょう。受け取ってくれますか?」


 有無を言わせないような圧力を感じ、ロジーナは頷いた。

 話の流れを読み取れず、彼の様子を窺う。


「貴女はきっと、私が指輪という形を選んだ意味も分からないままつけるだろうと思っていました。この指輪は、そばにいられなくても私を思い出してほしいというエゴの塊です。私は貴女を愛しています。この話を聞いて、どう思いますか? 貴女はせっかく十六歳に戻ってなんでもできるのに、貴女が望まなくても、五十歳近い男に付き纏われたいですか?」


 ロジーナは言葉を失い、エリックの顔を見つめた。


「本当に?」

「本当です。嘘をついてどうするのです」


 彼の言葉を上手く理解できているか分からない。エリックは、見たことのない投げやりな顔をしている。

 今、彼女を「愛している」と告白してくれたとは思えない表情だ。


「……私が、女神様に祈ったのは、十六歳に戻って、貴方と恋をすることなの」

「は……? 俺と?」


 ロジーナは頷いた。


「私もずっと、貴方が好き」


 ロジーナの目に、エリックの瞳の中に映る自分の姿が目に入る。彼の青い目が丸くなった。


「ロジーナ様」


 彼の手が、ロジーナの頬に触れる。乾いた手が頬を撫でる。

 ロジーナは心臓がどきどきと高鳴るのを感じた。喉が渇いて、思わず胸元に手を当てる。そして、肌の感触が変わっていることに気づいた。

 四十代の姿に戻ったのだ。

 ロジーナは、急に不安になってきた。


「あ……えっと、エリック……あの、実は、願いが叶うと姿が戻るらしくて……」


 女神の魔法が、現実味のない“恋”が本当に叶ったのだと教えてくれる。


 彼が「愛している」と言ってくれたのは、十六歳という若さのおかげではないと思いたい。けれど、目の前の姿が急に歳を取ったら、彼は失望するのではないか。不安に揺れるロジーナの瞳を、エリックが真っ直ぐに見つめ返す。

 彼の眼差しは、聖女であったロジーナに向けられていたものとも、十六歳になってから向けられていたものとも違う。熱く、甘やかなものだった。


「そのようですね。キスしてもいいですか? もう待てない」

「えっ……!」


 ロジーナが頷く前に、彼女の唇は塞がれていた。



 翌朝、ロジーナはいつもの習慣で朝日が差し込む直前に目を覚ました。

 窓に目を向ければ、青白く色の代わり始めた空。

 ゆっくりと身体を起こすと、毎朝感じる腰の鈍痛。聖女は長い時間座っている仕事のため、腰に負担がかかる。そのせいで年々朝起きるのが辛くなっているのだ。


(ここ、どこかしら……?)


 見覚えのない部屋だ。

 ロジーナが長年過ごした聖女の生活空間と同じくらい、生活に必要最低限の家具だけが置いてある質素な場所。違うところは、女神に祈るための祭壇がないことだ。


(昨日は……)


 昨日、ロジーナは女神の力で十六歳に若返り、エリックと一緒に街を散策した。そして馬車の中で、エリックに想いを告げ、お互いの気持ちを確かめ合うことができた。


(あまりにも都合がよすぎるわ……まさか、夢……?)


 自分の手を眺めれば、そこには見覚えのある四十歳の自分の手。


(やっぱり十六歳に戻ったのは夢……じゃなくて! この手は、ちゃんと元の姿に戻ったからで……)


 ロジーナは混乱する頭で、状況を整理しようとした。何が現実で、どこが夢なのか――。

 左手に、見覚えのない金色の指輪がはまっている。青色の石が登ってきた朝日でキラリと光った。そしてその隣に、もうひとつ。

 おもちゃのようなガラスの青い石がはまった銀色のピンキーリングである。


「きゃっ⁉︎」


 ロジーナが驚いて叫ぶと同時に、部屋の扉が開いた。


「どうしました!」


 慌てた様子のエリックが、部屋に入ってきた。

 白いシャツと黒いトラウザーズを身につけている。いつもと違い、髪を整える前のラフな格好だ。なんだか見てはいけないものを見たような気分になる。


「エ、エリック、あの、指輪に驚いてしまって……いつの間に買っていたのね。ありがとう」

「ああ……一度やってみたかったのです。おはようございます、ロジーナ様」

「おはよう、エリック」


 エリックは朗らかに笑って、ベッドに腰掛けた。

 柔らかな視線がくすぐったく、ロジーナは照れ隠しで話題をそらした。


「なんだかいい香りがするわ」

「朝食を準備しようかと」

「あら、貴方は料理ができるのね」

「いいえ。実はすでに3回失敗しました。ですがパンはあります」


 エリックにも苦手なことがあると知って、ロジーナはなんだか嬉しくなる。


「私が作ってみてもいい? 幼い頃は得意だったのよ」

「もちろんです。あと5回失敗しても材料は足ります」

「5回ですって? なんて準備がいいこと!」


 キッチンには、二人分の朝食には多すぎる量の卵が置いてあった。ロジーナは籠いっぱいの材料を見て楽しそうに笑い、キッチンの食材や油の香りを胸いっぱいに吸い込んだ。記憶のずっと奥にある、懐かしい香りがする気がする。

 緊張しながらフライパンに卵を落とし、きちんと一度で成功してみせたのだった。


最後まで読んでくださりありがとうございました!

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