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虚弱体質巫女ですが 異世界を生き抜いてみせます  作者: 緖篠 みよ


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王宮会議

カーディナル王国、王都の中央に第175代シアン·カーディナル国王陛下が治められている王宮が所在する城が建立している。

城の所在地はこの場所だが、長い歳月のなか争いと老朽と修復を繰返しながらも城壁に周囲を囲まれて、圧巻的に立地している。

登城する貴族、士族、国民の城門は各々に設置されていて出入りの管理管轄は近衛隊の任務の一部だ。

城壁の周りは整備された林や庭園に王宮の管轄施設が配置されている。城門に繋がる街道は1本しかないが、施設に繋がる道は各々に王都へと無尽に拡がって整備されている。

城壁からの施設の中に王立アカデミーが、城と街中の間に学舎と、男子寮と女子寮が身分制で建ち、学生達の研究、訓練施設も各々用意されている。



暖かい日差しを背に受けて、王城に向かう街道を乗馬した騎士が貴族門の前に着いた。ダーニーズウッド辺境伯領土からの書簡を持った、第五団隊の使者だ。王城に使者として向かうのは警護団隊の中でも貴族籍役職を持った隊員だが、そのまま城門を通過とは行かない。近衛の騎士が付き添い王宮内部へと付き添う。


ダーニーズウッド辺境伯領土からの書簡は、2通あり文官職の役人が受け取ると、一通は王太子ダニエル殿下宛のシアン国王陛下からの信書と、隣国ジャスパード国からのシアン国王陛下宛の信書の2通が、宰相であるリック·カーディナル殿下の手に届いた。


宰相職は第173代アラン国王陛下の第4王子サイニー様を、第174代ヘンリー国王陛下が即位時に設けられた職位で、王弟サイニー様が担った。

現宰相には、サイニー殿下の入婿となったリック殿下が担っている。サイニー殿下の曾孫が王太子ダニエル様でシアン国王陛下の養子となった。

婚姻を拒否されたシアン国王陛下が、異母兄弟であるヘンリー殿下とサイニー殿下との約定の事。


王宮の会議室には、楕円テーブルに四大側近公爵侯爵と、東西南北辺境伯、侯爵閣下の八名が座している。中央に王太子ダニエル殿下がいらっしゃるが、宰相のリック殿下の離席に少し場が和む。


「リックには助力してもらってはおるが、こう連日の会議に流石に肩が凝る」

と、ダニエル殿下が呟けば、


「殿下は今回が始めての事、慣れて頂くしかございません」

と、アニール·オリゾーラル公爵閣下が嗜める。


「まだ、大きな問題もない会議でございますよ」

と、カムデン·スマールート大公爵閣下も次いで言う。


「分かっておる。問題が無いから義父上は私に指揮を取らせたのであろう。それも皆が協力的な側近である内にな」

と、ダニエル殿下が答える。


「各々シアン国王陛下とは長い時間を共にしておる者ばかりで、ございますからね」

と、ルリーグ·セルリアート公爵閣下が言えば、


「シアン国王陛下が危惧されるのも分かりますな、どの領地も代替りしていきます」

と、ピーター·ジェイクリート侯爵閣下も次いで言う。


「四大側近のそなた達だけでは無いしな」

と、四大側近奥に座る辺境伯侯爵に向かって、ダニエル殿下が言う。


離席していた宰相リック殿下が、書簡を文官に持たせて入室してきた。


「リック、急ぎの用件でも出来たのか?」

と、ダニエル殿下が席に着いた宰相リック殿下に聞く。


宰相リック殿下は、テーブル奥に座しているロビン·ダーニーズウッド辺境伯に視線を向けて、


「今し方、ダーニーズウッド辺境伯領土より書簡が2通届きました。皆さんがいらっしゃる時に検討されるのも良いかと思いまして、持参致しました。

ダニエル殿下、信書に目を通して頂けますか?」

と、宰相リック殿下がダニエル殿下宛の信書を先に渡す。


「リック、顔が怖いぞ。義父上からでないか!」

と、信書に目を通していくと、信書を両手に待ったままダニエル殿下が項垂れる。


「如何なされました?」

と、アニール閣下が問う。と、ダニエル殿下は信書をそのままアニール閣下に手渡す。

アニール閣下も渡された信書に目を通して、隣に座るカムデン殿下に渡り、信書に目を通した後にロビン殿の方を見る。

向かいに座るピーター殿下、ルリーグ殿下と周り四大側近の殿下達が、


「ロビン殿、ダーニーズウッド領土には、何かあるのですか?」

と、カムデン殿下が問う。急に問い詰められても何の事か分からないロビン殿は、


「皆さん、落ち着いてください。私は会議に登城して領土の事は、前領主父カールと息子のミカエルに任せております。何が有ったのか教えて頂かないことには、お返事出来かねます」

と、ロビン殿は言う。


「義父上の信書には、このままダーニーズウッド領土に滞在逗留したいから、国政を私と宰相リックに任すとある。

ロビン、義父上はダーニーズウッド領で何をしておるのだ」

と、ダニエル殿下に視を向けられる。


「何をと仰いますが、私が聞いたところシアン国王陛下は、年間の執務を休み無くされて、定例会義が終わり次第ダーニーズウッド領で休息されるのが、通常ではございませんか?

此度の事は存じませんが、シアン国王陛下がもう少し休息時間を所望されても良いと思います。

今のところ国政に問題が無いのであれば」

と、ロビン殿が返答する。


「確かに、シアン国王陛下は執務の休息時間をお取りにならない」

と、宰相リック殿下も認める。


「義父上は、そんな事をしているのか?」

と、ダニエル殿下が驚く。


「別に通例ではございませんよ。シアン国王陛下のやり方であって、ダニエル殿下が倣うことでないですし、一巡り毎に休息されて良いことです。

シアン国王陛下も国政に問題が生じた場合は、常にではございませんでした」

と、アニール殿下が補足する。


「しかしながら、国政に問題が無ければの話ですので、そうも言っておれませんね。

次の信書は、ジャスパード国からです。シアン国王陛下宛に届きました。

側近の皆さんがいらっしゃる時で良かったですね。ダニエル殿下」

と、もう一通の信書を宰相リック殿下から手渡される。


信書の内容は、ジャスパード国王アカルート陛下から、次期国王セントール王子とダニエル王太子との友好交流の提案依頼で正式な書簡ではなかった。

隣国ジャスパード国とは、シアン国王陛下の叔母が当時の次期国王王子に嫁ぎ後の王妃となった。先代の国王はシアン国王陛下の従兄弟になる。


「ジャスパード国次期国王が、カーディナル国に遊びに来たいと言っているのか?」

と、側近閣下達に信書か周り全員が目を通した時点で、ダニエル殿下が問う。


「確か、現国王は三人のお子様がいらっしっるはずです。王女がお二人で三人目が王子で、年回りは今調べさせていますのでお待ち下さい」

と、宰相リック殿下が言う。


「別に良いのではないのか?義父上の叔母様が嫁がれて姻戚で友好を繋いで来た国であるし、確かに私とも交流を持っていても良かろう」

と、ダニエル殿下が答える。


「交流を持たれるのは良いことでありますが、私は少し疑念がございます」

と、カムデン殿下が言葉を発する。


「何か情報が有るのですか? 疑念とは何でしょうか?」

と、アストロ·ボドール辺境伯が問う。ボドール辺境伯領土は隣国ジャスパード国から一番離れている領土東側で情報が入り難い地域になる。


「只の交流でないのなら、妃候補を探しに来るのではないかと詮索致します。シアン国王陛下には、ダニエル王太子しかいらっしゃいませんので、我々の娘や孫娘が縁付く役割りが担う事になりかねないと思った次第ですが、私の杞憂なら良いのですが。

私は可愛い娘や孫娘を遠くに嫁がせるつもりがございませんので、次期国王王子が来賓される場合は社交を控えさせて頂きたい」

と、カムデン·スマールート大公爵が言葉にした。


「そうなのか?」

と、ダニエル殿下が問う。


「殿下、無思慮ですよ。もしカムデン閣下の杞憂通りなら、殿下の異母妹が候補に上がりますよ」

と、アニール閣下が答える。


「なぬっ? 異母妹は、まだ10歳と12歳だぞ。

それこそ、アニールのところが一番候補に上がると思うぞ」

と、ダニエル殿下が言う。


「……………………………………」場の空気が……おもい



「そうと決まった訳では、ないのですから」

と、ヒューズ·ブーゲンビート辺境伯が言えば、


「じゃあ、返事はどうする?」

と、ダニエル殿下が言って、


「……そもそもシアン国王陛下に来た信書で、依頼書の段階ですし」

と、ルリーグ閣下


「お帰りを願いますか? シアン国王陛下は承諾されると思いますが」

と、宰相リック殿下が代表して言う。

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