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虚弱体質巫女ですが 異世界を生き抜いてみせます  作者: 緖篠 みよ


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説明

「凄く光栄ですね。アイ様にそう言ってもらえると」

と、アートムさんが笑顔で答えてくれた。

本当にシアン国王陛下の事を慕ってるんだなと分かる。


「メリアーナ様とアートムさんが、私の説得に駆り出されたのは、何方の判断ですか?」

と、お二人に聞く。


「メリアーナ様を指名したのは、カール様で私を指名したのはシアン陛下ですよ」

と、アートムさんが教えてくれる。


「お二人は私にどうして欲しいと思いですか?」

と、聞く。


「カール様は、アイ様がシアン陛下の孫娘と分かる前から、此方の館で庇護するつもりでいましたよ。

私が体調不調を言って鬱いでいる時に、私の側に置きたい娘が居ると、説得され身元も言葉も不明な娘をどうするつもりなのか分かりませんでした。

シアン陛下しか意志疎通が出来ないので、カール様はニックやミカエルに指示し、館での生活に不備なく手配をしていました。

女性の身の回りの事など分からないですからね。私に態々聞きに来るのです。

メアリーと同じように接すれば良いではないですかと、助言は致しましたが、私がアイ様に会いたくなりディービスやロッティナにお願いをして体調を整える事が出来ました。

このまま、アイ様が自国へと帰られるまで滞在していただければ嬉しいですね」

と、メリアーナ様が告げる。


「私はシアン陛下が、アイ様を自分の身内若しくは、親しいかった者の近者でないかと、親身にされるのを見てきました。何時もより滞在期間を延ばされ、アイ様を王都に連れていきたいと、カール様を説得されてもカール様の判断の方が正しいと私でも思います。

カール様の判断はシアン陛下の為だけでなく、アイ様の事も考えての事と分かる内容です。私もカール様の判断に添うようにシアン陛下を諌めました。

しかし、今回シアン陛下が感じておられた通りに縁あり孫娘と判明致しましたが、アイ様の安全を考えますと、ダーニーズウッド邸に居られる方が良いかと思います。

でも、アイ様が祖父であるシアン陛下の側に居られる時間は長くはございません。それならばシアン陛下と一緒に過ごされる事も考慮されるべきかと思うのです」

と、アートムさんが告げる。


「王都は、そんなに危険なのですか? そんな所に私を連れていきたいとシアン国王陛下は考えているのですか?

カール様から教えてもらったのは、私の庇護者はシアン国王陛下だと、庇護地はダーニーズウッド領であると」

と、藍はお二人に聞く。


「アートム警備で言えば、王宮の方が手厚いでしょう?」

と、メリアーナ様がアートムさんに聞く。


「人数的には、そうですね。カール様の危険とはシアン陛下の周りにシアン陛下を思って仕えてくれる側近達の事でしょう。良くも悪くも陛下を慮ってどの様に行動するか分からないからですね」

と、アートムさんが答える。


「私は、母から伯母から祖母から、祖父の話を殆ど聞いたことがない無いのです。

私の国には暦の中に、祝日という日が16日有るのですが、その中に個人に感謝する日が有ります。

例えば、母の日父の日子供の日敬老の日と家族に対して感謝を言葉や態度で表す日が有るのですが、

世の中には、母がいない父がいない子がいない祖父母がいない中でもその日は、共通観念として来るのです。普段から感謝をすれば良いのですが、人は決められた事に伴いやすく、一斉に各々感謝を相手に伝える日に、私には祖父はいなかった。

母と伯母には父の日、祖母には結婚記念日でしょうか、寂しい思いをしたでしょう。


シアン国王陛下は、この国でそんな特別な日が無くても思い出したりしていたのでしょうか?

礼拝堂で初めて対面した時に、間違っていてもいいから、自分の家族の事を聞いて欲しかったです」

と、藍は伝える。


「本当ですね。陛下がアイ様の国を知っているなら、聞くべきでしたね」

と、メリアーナ様が同意する。


「アイ様、私もメリアーナ様もシアン陛下から妻子が居るとこを聞いたのは、本当に数日前なのです。陛下にとって打ち明けるつもりもなく、心に鍵を掛けていたところにアイ様が現れた。

臆病にも少しずつ探りながら、ニックに違ってても聞くべきだと諭され、孫娘と分かって浮かれアイ様の怒りに触れて現在落ち込んでいる状態ですが」

と、アートムさんが現状のシアン陛下の事を教えてくれる。


「ニックさんは、シアン国王陛下の事情を聞けば私の怒りは収まると踏んでいる。

確かに私の怒りは私個人の怒りではないですから、生まれたときから側にいなかった人に、感情なんてありません。祖母や伯母 母がしてきた思いが私を怒らせたのは理解しています。現に自分の怒りでないから体調を崩したりしません。

シアン国王陛下でなかった方が私は丸く収まったと思うのです」

と、一つ息を吐き出して打ち明ける。


「時には、感情を剥き出しにして吐き出せる方が良いのかも知れませんね。呑み込むと苦しい時もありますから」

と、メリアーナ様がアートムさんを見て言う。


「お願いですアイ様。先ほどみたいにシアン陛下に思いを吐き出して頂けませんか?

このまま陛下が王都に戻られてもアイ様が気になって国政に響きます」

と、アートムさんが言ってくる。横でメリアーナ様も頷いて同意を示された。


「……分かりました。アートムさん、シアン国王陛下との時間を作ってもらえますか?

思い切りぶちまけてきますから!」

と、藍が言えば


「お手柔らかにお願いします」

と、アートムさんが呟く。


「ところで、アイ様。ルカから聞いたのですが、お国に婚約者がいらっしゃると」

と、アートムさんが聞いてくる。


「そうですね、婚約者は居ますね」


……わたしではないですが、結衣さんの……


「どの様な方ですの?」


「此方の方でないので、メリアーナ様もアートムさんも会うことは無いですよ」

と、藍は答えた。


「会うことが無くても、アイ様の好みの男性が分かれば、言い寄ってくる者達に伝えることは出来ますわ」

と、メリアーナ様が食いつく。


「どの様な事が知りたいですか?」


「お名前は? お年は? 何処がお好き? いつお気持ちが伝わったのですか?」

と、メリアーナ様の淀みなく続く質問に、


「おかだ かなたさんですね。おかだとは此方の家名になります。私はたつみ あいですから。

年は3歳年上の26歳ですね。優しい方ですよ」

と、藍が説明したが、


「それだけですか?」

と、アートムさんが聞いてくる。


……えっと? アートムさんも興味あるの?


「説明をしても良いですが、此方の学校学舎の仕組みや仕事の種類体制など違いすぎて、説明しきれません」

と、藍は答える。


「それでもお聞きしたいと言ったら、ご迷惑ですか?」

と、アートムさんに言われた。


「先ず、学校の説明をしますね。私の国は、義務教育という国民なら必ず受ける教育場が有ります。

7歳から15歳までを9年間を住んでいる地域か個人企業が運営している処に通います。それから3年間を選択制で場を変えて通います。それから私の場合は5年間また違う選択制の教育場に通いました。本当なら4年で終われる所を、私は体調を崩して5年になりましたが。

教育の場は、始めの9年間は、義務ですが後の教育の場は、各々の判断や金銭的なことで選ぶことが出来ます。

まだ説明の半分位ですが、どうします?まだ続けますか?」

と、聞けば、


「アイ様と婚約者かなたは、いつどこで知り合ったのですか?」

と、メリアーナ様に聞かれ、


「おかださんとは、5年通うことになった大学という、教育の場ですね。私が1年生の時に4年生だったおかださんと知り合いました」

と、藍は岡田さんとの初対面を話す。


藍が体調を崩して倒れる所に居合わせて助けてくれた本当の話だ。岡田 湊太さんという名前は後から知ったけど、初対面の私に養護室まで付き添ってくれた優しい人だと、知っている。


「成る程、学舎場でお知り合いになった。

では、親の紹介とか周りからの押し付けではないということですね」


……あぁ、此方は親が結婚相手を見つけたり、政略的なことがあるんだ……


「そうですね。そんな方もいらっしゃいますが、恋愛結婚の方が多いと思いますよ。成人になれば親の許可無しで結婚できますし」

と、藍が言ったら、メリアーナ様とアートムさんが驚いていた。


……いろいろカルチャーショックはあるよね……誤魔化せたかな?


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