表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚弱体質巫女ですが 異世界を生き抜いてみせます  作者: 緖篠 みよ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/99

探し物

ナリスさんが、わたしが持っている生地を一緒に干してくれると言ってくれて、濡れている生地を絞らない訳を言ってお願いすれば、取り入れる時期も聞いてくる。

ナリスさんが、クルナさんの身の回りの世話をしているらしく、ついでに後のことも引き受けてくれた。


「アイ。お昼までは時間あるが、部屋で休むか?」

と、ルカが聞いてくる。


「昼食後に予定が有るって言ってたのは、ミカエル様に言われたの?」

と、ルカに聞けば、


「そうニックから聞いてる。アイの体調が良ければと無理することは無いよ、皆アイの虚弱は理解してるから」

と、虚弱を主張されても、有り難いが。


「それは今のところ大丈夫だけどね。今からルッツさんに会いたいけど、どこに居るか知ってる? クルナさんのとこかな?」

と、聞けば、


「いや、多分作業場だろう。川のことでしたいことが有るって言ってたから。案内するよ」

と、ルカが言うが、


「ルッツさんの作業場は、知ってるわよ。ルカは自分の仕事してきていいよ。その後は部屋に戻るから」

と、答えた。


「クルナのとこには行かないのか?」

と、不思議そうにルカが聞いてくる。


「まだ 産後三日だよ。クルナさんも疲れるよ。馴れている人ならいいだろけど、私は面識無いのに気疲れさせるのも気の毒よ。色々落ち着いてからアイル君に会わせて貰うわ。楽しみを後に取っておくの」

と、答えた。


「そうかでも、ルッツが作業場に居なかったら困る。又行方不明になられたら、こっちの身が持たないから付いていく」

と、自棄に今回の騒動はルカのトラウマにしてしまったのかしら?


「ルカの時間が有るなら私は良いけど、ルカは暇じゃないでしょ?」

と、聞けば、


「……これも仕事のうちだよ」

と、小声で返ってきた。




「ルッツ居るか」

と、ルカが作業場で声をかける。


「ルッツさんアイです、聞きたいことあ」

バァーーンと、作業場の扉が開いてルッツさんが、飛び出してきた。で、抱き潰されている。


……るっげぇっ?


「コラ! ルッツ! アイが潰れている」

と、慌ててルッツさんをルカが止めてくれたが、


「あ~あ、アイ。ごめんよ」

と、ルッツさんから解放せれたが、ビックリした。


「あの、ルッツさん? 抱き付くのは奥さんのクルナさんにしてくださいね。力の加減はしてあげてね」

と、注意はする。

今日は抱き付かれる日なんだ。と、内心思った。


「アイ。ごめん。クルナと赤ん坊の命の恩人に嬉しくてな」

と、言ってくるが、無事にお産を誘導してくれたのは産婆さんのおかけであって、赤ちゃんはクルナさんが必死に守ったからで、わたしはたまたま見つけただけだ。


「無事で良かったですね。クルナさんもアイル君も」

と、言えば、


「何で、アイルって名前になったの知ってんだ? 朝クルナと決めたばかりだぞ」

と、聞いてきた。


「さっき、ナリスに聞いたんだ。洗濯場で会って」

と、ルカが説明する。


「アイには感謝しかないんだ。本当にアイが見つけてくれたから、クルナは助かったんだ。ありがとう」

と、また抱擁される。今度は手加減ありで。


「それで、俺に用事かい? 何でも聞くぞアイの頼みなら」

と、大袈裟に言われるが、頼みづらくなる。


「植物のことで、ルッツさんに聞きたいことが有ったんです。お手洗いのお尻拭きはルッツさんが、用意してるの? 海の物と植物の物があったと思って」

と、聞けば、


「良くわかったな。使用人の方は俺が作っているが、客室用は他所から取り寄せている海の物だ。親父が似た植物を見つけて加工している。街の店でも売ってるよ」

と、教えてくれた。


わたしは初めてこの世界に来たとき使用した、お手洗いと、今客室で使っていお手洗いに置いてあるものが、似てるが違うと思って触ったり匂いを嗅いでみたりしたら、客室のは柔らかくて無臭だが、使用人の方は少し繊維が荒くて草の匂いがした。


「それが聞きたかったことかい。必要なら作るしアイのためなら親父に頼んで高級な物もあるぞ」

と、言ってくれるが、別にそこまでこだわらない。


「いえ、新しいものが欲しかっただけです。それとルッツさんにお願いあるんですが、お花を分けて欲しいです」


「この前みたいにするのかい?」

と、ルッツさんが聞いてきたから、説明する。


「今度は、花の部分と葉っぱだけが欲しいんです。それを天日干しにしてください」


「薬草の収穫みたいにするのか?」


「そうです! その通りなんですが花と葉っぱだけでいいので、出来れば香りの良いのがあれば嬉しいです」

と、お願いしてみた。


「あぁ、そんなことでいいなら構わないよ。花と葉っぱは直ぐに無いが、便所のケツ拭きの新しいのなら直ぐ渡せるよ。持っていくかい?」

と、ルッツさんが聞いてきたから、頷いて返事をする。


後でルカが部屋に持って来てくれるというので、お願いをして、もう一つ聞いてみた。


「金物があれは良いのですが、こんな風に振ったら音が出るものなんて有ります?」

と、手を左右に振って見せ聞いたら、ルカとルッツさんが馬に飾りで付けていると教えてくれた。

やったあぁ! 鈴があるらしい。


「ルッツは今何をしてたんだ。仕事の邪魔だったか?」

と、ルカが聞いたら、


「山の川が大雨も降ってないのに、石が動いて館に引き入れてる水が濁ったんだ。それを見に行こうかと思ったが、急ぎじゃ無いからいいさ」

と、言ってから、


「ルカ、鈴は後で俺が取りに行ってやるよ。今日は若いのばかりだから、アイは近付けない方がいいぞ」

と、言う。何の事だろう? ルカは分かったみたいで頷いているけど。


「アイ、クルナのとこに行くかい?」

と、ルッツさんが聞いてくる。

ルカに言ったみたいに落ち着いてからとお願いしたら、ビックリされた。


「いや、それの方が有り難いが、直ぐに会わせてくれと頼まれるかと思って覚悟してたんだ」

と、言われた。わたしはそんなに我が儘な態度なんだろうか? 凄くへこみます。


「いや、メアリー様がアイルに会いたいと言われてな、メアリー様もクルナを知っているから良いんだが、ノアさんが落ち着いてからと断ってくれたんだ。でも、アイが言ってきたら、応えてあげて欲しいと言われてな。

アイの機転がなければ、アイルだって無事でなかったとタウさんにも言われてたんだ」

と、事情を聞いた。


ルッツさんが、お詫びに一緒に川を見に行くかと、誘ってくれた。

どうやら、私が朝抜け出して散歩をしてたことを知ってたらしいが、ルカが止める。


「今度にしょう。ルッツがアイに見せたいのは、あの窪みだろう? それに水が濁ったとルッツが言ってたじゃないか」

と、説得される。


「そうだが、今は魚の稚魚が川を下ってキラキラしてキレイなんだがな」

と、理由を教えてくれた。


「川の水の濁りが治まったら、段取りを付けるから」

と、ルカが約束してくれる。


ルッツさんの作業場から館の庭を通って、部屋に戻る途中でニックさんと会う。


「アイ。回復して良かったです。ルカから聞いてますか?」

と、確認された。


「えっと、はい。昼食後に何かあるのですか?予定が入ったと聞きましたが、執務室に向かえばいいですか?」

と、ニックさんに確認を取れば、


「アイ、今から部屋に行ってもいい?」

と、廊下をケビン様が歩いて近付いて来る。


……はぁ?


と、思わず脇から勝手に話に入ってきたケビン様に、礼儀を取るつもりもなく、


「ルカに昼食後に案内を頼むことにしますね」

と、ケビン様に視線を向けずに、ニックさんに答えを聞かずに終わらせることにした。


ニックさんが、一瞬ビックリした顔をしたが、


「そうですね。何時ものようにルカが案内しますので、アイの体調が変わらなければお願いしますね」

と、ニックさんが答える。


「分かりました。では部屋で少し休みますね」

と、そのまま部屋に向かえば、廊下に取り残されたケビン様が、


「どういうこと? 僕を何で無視するんだよ」

と、ケビン様が喚いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ