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虚弱体質巫女ですが 異世界を生き抜いてみせます  作者: 緖篠 みよ


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ロッティナの秘密 1

午前中の診察が早めに終わり、夫ディービスが病棟を娘のルナーと他の看護見習いを連れて廻っている。

冬の寒い時期は診察も時間が長くなるが、この暖かくなる季節になると、一年で穏やかな時間がとれる。

はずでした。


診察に来る患者も少なくなるこの時期を狙って夫は王都に赴き、医師会館にて新しい治療や薬の研究内容を勉強しに行くのです。その時は私も以前お世話になった看護学校に行き学生達の学び具合を見てきます。

それは私の密かな楽しみでもあります。


私ロッティナは、カーディナル王国の民ではなく、隣国ジャスパード国の国民です。国境境にある街で家業は薬卸を、自国ジャスパード国内を主に、隣国カーディナル王国の医師会館にも薬や薬草を卸仕入れを担っている家の長女です。


シアン国王陛下の父君アラン陛下の時代は、三人の妹達が国内国外と嫁がれて、アラン陛下に御尽力されてと伺っております。


ダーニーズウッド辺境伯爵領に嫁がれたシモーヌ様、スマールート大公爵家に嫁がれたセシール様、隣国ジャスパード国の王太子に嫁がれたリズリー様後の王妃さまです。三姉妹が仲が良く何かと交流が有ったそうです。


その交流の中に、カーディナル王国の医学と、ジャスパード国の薬草薬学がありました。アラン陛下の時は、私のお祖父様がヘンリー陛下、シアン陛下の時は、お父様が許可頂きダーニーズウッド領を通過して王都に行っておりました。

私は、薬学より看護に興味があり、看護学校があるカーディナル王国にグロー先生を通じて、入学出来ました。


看護学校は、14歳から20歳までに四年間の勉強内容と実習で試験を通れば卒業看護見習いとなって、お仕事が出来ます。後は三年間の職業経験で正看護婦、正看護士と、なり王宮や国内の重要な研究軍関係の職に付けるのです。


私は、言葉の壁があり同期で入学した子より半年遅れで卒業出来ました。卒業に関わる試験は年二回あるので、四年と半年かかりましたが、看護見習いになれたのです。



国に帰る前に、お世話になったダーニーズウッド領内のノーマン医院に寄りグロー先生に、お会いしたいことを手紙に書いて先に出してありましたが、まさか街の手前で、待ち伏せされるとは思いもしませんでした。


待ち伏せされたのには、ちゃんと理由がありダーニーズウッド邸に向かう看護婦が不足して困っているから、一時手伝って欲しいという依頼でした。

領内特に街の中では、重症重篤まで行かないまでだが、流行病が拡がりつつ有って、医院でも患者さんが大勢行き来していると、看護婦の中にも罹患するものもいて、潜伏期間を考えると誰でも良いといえないが、私なら王都から今到着したものだ。


領主様一族でなく、使用人の中に街に実家があって、休暇中に家族が罹患したのだ。

その者は、館に帰る前にノーマン医院に寄り家族の罹患や自分がそのまま、館でお勤めをしても良いのか? と、問い合わせたが、彼と同じような使用人もいると相談され向かう途中で待ち伏せされたのだ。


私は、驚いたのだがたかが使用人が、流行病の知識と対応を知っていることに、後で聞いたところ彼は、ノーマン家の下働きしていた事があるそうだ。グロー先生の推薦で領主邸で働いている優秀な人材である。


彼の危惧通り、数人罹患者がおり、使用人の部屋で隔離となったが、私は荷物を客室に置かせていただき見習いでは有るが、グロー先生の息子ディービス先生と一緒に行動することになった。グロー先生は医院で見習い医師を使い終息に周り、やっと潜伏期間の様子見まで来た頃、一人の使用人がディービス先生を呼びに来た。


「ディービス先生悪いがついてきてくれないか? 怪我をした女性が敷地内で倒れているんだ」

と、言った成人男性は銀髪でブルーの瞳をした綺麗な人でした。


二人で駆けつけて見れば、旅装束のまま全身怪我をして出血した女性が意識がない状態で倒れている。その男性は、今の状態で館に運んで良いのか判断出来ないからと、ディービス医師を呼んだようだ。

止血もしないと出血の量が多い。見える範囲でも打撲傷も有る。街の医院まで行くには危険とディービス医師が判断をして、領主様に許可をその男性が取ってくれた。

使用人の部屋を1室借りて治療するが、ディービス先生は思案顔をする。

グロー先生が医院での鎮静化と、ダーニーズウッド邸の経過を見に往診してこられて、ディービス先生は相談されたようだ。

私は、女性の傷を洗い薬を塗布し、当布や包帯で手当てを施して行くと、グロー先生がディービス先生と使用人の男性とで話をされる。


「アートムこの女性はの傷は、本人が付けたものではないが、何故か違和感が有る。一緒に診てくれないか?」

と、グロー先生がアートムと呼ばれた男性に言う。


「グロー先生が言うのなら」

と、私が手当てしている側に来て、ディービス先生が説明する。


「刃物を傷は、上から左に流れています。でもこちらは上から右に流れています。突っ立ったまま切られたものですか? 拘束された形跡はないのですが、防御した跡が無いように思います。打撲痕も正面から受けていますし、どいう状態だと推察しますか?」

と、ディービス先生が、アートムさんに聞く。


「拳の痕が、正面から過ぎますね。身体を捻って避けようとしていません。致命傷となるところには、傷が浅いです。出血はありますが」

と、答えを出す。


「それに、女性にしたら鍛えられているような」

と、ディービス先生が付け加える。


「と、いうことは」

と、アートムさんが言えば、


「自分では、出来ないところも有るので数人」

と、ディービス先生が返事する。


「それにしても、傷の数が多いいな。下手をすれば彼女は死んでるな」

と、グロー先生が言って、


「刃物傷だけじゃないです。打撲も酷い」

と、ディービス先生は説明した。


倒れていた女性は、ピンクの髪で前髪を顔を隠すほど長くして、肌は日に焼けた小麦色だ。


「グロー先生、ディービス先生、私はカール様とロビン様に報告してきます。私が離れていて大丈夫ですか?」

と、アートムさんは聞く。


「あぁ、これから強めの鎮静剤を投与するから、大丈夫だ」

と、グロー先生が言えば、アートムさんは部屋を出て行く。


「グロー先生、先程の人は?」

と、聞けば、


「侍従のアートムだ。ロッティナ。彼には惚れてはいけないよ。今まで散々言い寄られてはいたが、全く相手にせんかったようだ。私も付き合いが長いほうだが、浮いた話しも聞いたことない」

と、グロー先生は言う。


……独身なんだ…………


「あっそうだ! ロッティナを私がひき止めて、手伝ってもらったのだが、本国のダルギには、伝えているのかい?」

と、グロー先生が聞いてきた。


「いえ、帰ってから父の伝で、医院を探そうかと思っています」

と、返事をした。


「どうだろう、ロッティナ。このままウチで働かないか?」

と、グロー先生が言ってきた。


「良いんですか?」


「こんな良い看護婦をわざわざ還さなくても、ウチで職業期間をとればいい」

と、言ってディービス先生を見る。


「ロッティナが良ければ、そうして欲しい」

と、ディービス先生も言う。


その後、ベットで横たわっていた女性は、傷が癒えて館から出てもらう段階で、何か有ったのか又看護することになった。

グロー先生は何も言わないが、今度は後遺症が残ることになった。


ディービス先生から、求婚をされたが見習いが終わってないからと、返事をしなかったのは密かに思う人がいたが、私の失恋を機にディービス先生の求婚を受けた。

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