生きてました
グゥ~~キュル 何の音?
グル~~~キュル …………
グゥ~~~ 何の音?
グゥ! 身体の中から聞こえるよ!
グル~~ えっ 夢見てたか……グゥ~~
良かった。 生きてる!
浅葱兄や湊に怒られる。お昼ごはん食べて無いから お腹が鳴ってるよ。
頭少し痛いかな、発熱後ならこんなもんだね。
わたし、まだ目を開けてないよね? 周りで誰かいてる? えっ! えっ! まだ夢見てる?
わぁ〰️〰️匂いが違う! うちでも神社でもない!!
ましてや病院でもない、匂いが違う!
何処!!
思いきって目を開いてみた。閉じていたはずの目に光が入ってきていたから、カーテンはされていないのは、分かっていたけどそれでも眩しい。
あっ! やっぱり知らない天井? 天井低い?
あ~意識したら血が巡り出した。お腹が鳴っていたと言うことは、わたしの意識より身体の方が先に起きたんだね。
やっぱり周りで声がするね。病院の処置室より広いし大きいな。
手動く。握ったり、開いたり出来る。
足動く。あれ? 下着の履いてない感は何!!
ベットを囲む薄手のカーテンが所々動く。わ〰️何! ツンツンされている?
「君、目が覚めたかい?」
あっ、唯一会話出来た人だ。
「……はい。目が覚めました」
と、少し掠れ声で返事をした。
「あぁ~私は、医師ではないから君を見ても分からないが、会話が出来るのが私しかいない。一緒に入るが良いか?」
なるほど、通訳してくれるのか
「よろしくお願いします」
と、返事をしたら、男性が二人カーテンを避けて、ベット側に入って来た。
一人は、会話出来る赤髪のおじいさんだ。
もう一人がお医者さんなんだ、緑髪のお父さん位の年の人だ。この世界でも医師は白衣なんだね。
お医者さんが赤髪のおじいさんに何か言ってる。
「君の世話をしていた女性がいるんだが、入ってもらってもいいか?」
と、聞いてきた。看護師さんなんだろうね。わたしの色々をしてもらった人だ、お礼を言わないと。
「はい」
と、返事をしたら、ベットの反対側から茶髪の女性が入って来た。わたしの顔を見るなり優しげな表情を作って微笑んでくれた。
「私は、辰巳 藍といいます。お世話になりありがとうございました」
と、茶髪の女性に向かって言葉を発した。
それから赤髪のおじいさんに目線を送り、伝言して欲しいと訴えた。
意志が伝わったのか、女性に伝えてもらった。
「君は、たつみ あい と、いうんだね」
と、赤髪のおじいさんが、確認してきたので、
「はい。名前は、あいです」
と、名字を言っても解りにくいから、名の方だけでいいや。
「私は、こちらの言葉がわかりません。申し訳ないないですが、お付き合いください。それに、ご迷惑をお掛けしてご免なさい」
と、言っている間に女性が、背中にクッションを当てがってくれた。
「何とお呼びすればいいですか? 私は、アイと呼んで下さい」
と、お願いした。
「それなら、私の名は、シアンだ」
「……私が、そのまま‘シアン'と呼んだら怒られそうなので、他の方が呼んでいる言葉を教えて下さい」
と、お願いしたが、
「そうだな、皆は‘シアン陛下’と呼ぶが、アイにはシアンおじいさま‘と呼んで欲しいな」
と、シアン陛下がニッコリ笑顔を作って言うが、
「あの、絶対に後で怒られることは、有りませんね?」
「こっちの白衣を着ているのが、医師のディービスで妻のロッティナ、看護婦だ」
と、スルーされつつ紹介された。
「シアンおじいさま、先生と何々さんとは、こちらでの言葉で何と言うのですか?」
「ふぅん ディービス□□、ロッティナ□□だと思うぞ」
「では、ディービス□□、ロッティナ□□で合ってますか?」
「そうだ!理解が早いな」
「では、ありがとうは?」
「アイ。焦るのは分かるが、先に診察してもらうよ。君は、三日寝ていたんだから」
と、シアン陛下が言う。
「三日ですか」
と、藍が言ったら、
「驚かないんだね」
「三日で済んで良かったと思っています。よく有ることなんで」
と、藍が答えたら、シアン陛下が驚いている。
「ディービス先生、ロッティナさんありがとうございます」
と、感謝を言葉にして頭を下げた。
シアン陛下が二人に通訳してくるが、でも二人共驚いた顔をするので、シアン陛下に目を向けて、
「何を驚かれているの?」
と、聞いたら、
「アイが三日で済んで良かった。よく有るらしい」
と、伝えた結果だった。
……へぇ~……そうなんだ……
そうしていると、ロッティナがスープを持ってきてくれた。
ディービス医師にスープを飲みながらで良いかと聞いて貰って、ゆっくり口に含む。
どうせ、通訳付きで時間がかかる。
遠慮してたら、また、倒れてしまう。
ディービス医師が今の体調を伝えられるかと、シアン陛下通して聞いてきた。
「頭は発熱後の鈍痛が有りますが…………etc」
と、つらつら時間をかけて説明していたが
「すみません。先にお手洗いに行きたいので、ロッティナをお借りしてもいいですか?」
と、シアン陛下に言って、ディービス医師に聞いた。
そしたら、ロッティナが尿瓶らしいものを見せてくれたが、わたしは、首を横にふり、シアン陛下に問うた。
「ひとつ教えて下さい。後々でなく今教えて欲しいことが、あります。こう顔を横に振ったら《違う、嫌です》と、否定で伝わりますか?」
と、聞くとシアン陛下が、
「そうだな、横に振れば《否定》縦に振れば《肯定》で伝わるな」
と、答えてくれた。
「早くは歩けませんが、お手洗いの場所とやり方を教えて欲しいです。ロッティナさんにお願い出来ませんか?」
シアン陛下が困惑気味に、ディービス医師に伝える。
「構わないが、何で急に動こうとする?と聞いてるぞ」
「私は、急に物事を起こすと体調不良を起こします。
ゆっくり時間をかけて、一人でお手洗い位は行けるようにしないと、今度はロッティナさんが倒れてしまいます。
どれだけ、この三日間私に対して看護してくれたのか、目覚めた後の体調で私は、分かります」
と、ロッティナを見て言う。ロッティナさんの目の下には、隈が出来ている。
「これからの仕事の内容は、分かりませんが、休んで欲しいのです」
と、答えてた。
そのまま伝えてくれた?
ディービス医師から許可をもらった。
ベットから降り客室にある手洗いに誘導してもらう為、天蓋のカーテンを開けてビックリした。
緑髪のおじいさんと、ミカエルさん、アートムさんにルカさんが、一斉にこちに視線を向けるのだ。
よく在る光景だが、顔ぶれがいつもと違う
……そうだ、いつまは…………今は、カラフルだね。うん……
そのままロッティナさんが介助してくれて、用の足しかたとを、教えてもらった。
続き部屋に行き、新しい寝着と今度は下着らしきものもある。どうやら、身体は拭いて貰った後みたいだ。
下着らしきもの、男性のステテコみたい。膝位まであるパンツらしきもの。
……あっ! 縫い目が表側にある。
ひっくり返してたら、ロッティナさんがまた戻す。
……えっ!縫い目がある方が、表なんだ。
赤ちゃんの肌着と同じなんだ。
下着と寝着、ガウンを新しく着て部屋に戻ると、ソファーに座る様に誘導された。
シアン陛下が隣になる配置だ。向かいに緑髪のおじいさんとミカエルさんが、後ろにアートムさんとルカさんだ。
ディービス医師は、サイドソァーに座りわたしをシアン陛下と挟む形になる。
ロッティナさんは、続き部屋に行ったから休んでくれるのだろう。
「さて、アイのことを話したいんだか、体調はどうだい?」
「このままお話しすることは、大丈夫です。色々ありがとうございます」
……わたしから話してシアン陛下に通訳してもらう形だよね……
「自己紹介します。辰巳 藍 23歳です。多分この世界の住人ではないと思いますが、日本人です」
と、ここまで、シアン陛下が通訳しながらルカに聞く。
「ルカは何歳だ?」
「はい。私は、21歳です」
と、返事をして、
「ルカより年上だったのか」
と、緑髪のおじいさんが、言ったそうだ。
「アイは、医師もしくは、医師見習いか?」
と、ディービス医師がシアン陛下を通して聞いてくる。
「いいえ。私は、身体が弱いので医療関係のお勤めは、家族に反対されました。多少他の人よりは、医学に詳しい程度です」
と、答えた。
ディービス医師は、答えを聞いて驚いている。
「では、戦闘訓練は受けていないのか?」
と、緑髪のおじいさんが聞く。
「体力作りの一環で護身術は習いましたが、持久力がないので、一撃して逃げる方法しか出来ません」
「アイ、護身術とはどんな戦い方なんだ」
と、シアン陛下が聞く。
「えっとですね。襲われても身を守る避け方や、相手の急所を狙って怯ますやり方です」
そのまま伝えたら、全員困却する。
「私は、戦えても持久力と体力がないので、どっちみち負けます」
と、付け加えたが、そういう問題ではないそうです。
ディービス医師から
「高熱で意識を無くした過程は、分かっているのかい?」
の、質問に、
「はい。虚弱故の身体的疲労と冷え、精神的な疲労、脱水だと思われます」
と、答えたら、答えを聞いたディービス医師は頷いた。
ミカエルが、
「どんな仕事をしているんだ?」
と、聞いてきた。
が、わたしが答える前に、シアン陛下が、
「巫女だよね」
と、問うた。