表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

承認欲求モンスターは異世界でしか自分の承認欲求を満たすことが出来ない

はぁ


誰かに必要とされたい。

誰かに認められたい。

誰かに感謝されたい。


この世に1人だけしかいない私をちゃんと見て、認めて、感謝してくれる人が欲しい。


1時間前に投稿した自撮り画像を見てみる。


「私はこんなにかわいいのに誰も私を見てくれない」


1人小さく呟き、枕に顔を沈める。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


気がついたら朝になっていた。


私は急いで着替えて髪をセットし、お気に入りのヘアピンを付け、朝食など食べずに玄関を出てひとり学校へと向かう。


私がまだ準備中の飲食店やスーパーなど、まだ完全に目覚めきっていない街を横目に歩いていると、


「りんかー!おはよー!!!」


信号を渡り終えた辺りで遠くの方から私の唯一の友人の声が聞こえたので振り返る。


そこには、小学校低学年の時に席が隣になり、家も近いことからだんだんと遊ぶようになって仲良くなった友人の花香がこちらに向かって走ってきているのが見えた。


私がインターネットに自分の自撮りをあげていることは誰にも言っていない。もし私がそのことを花香に言って引かれでもしたら、今度こそ本当に自殺してしまうかもしれない。


「んもう、花香!そんなに走ったら危ないよ!」


花香は信号が青であることを確認して私に向かって一目散に横断歩道を走る。そのとき、私の視界の端に信号が赤であるにもかかわらず、横断歩道へと入り込もうとする大型トラックの姿が映りこんだ。


「花香!!!」


私はとっさに花香を庇って横断歩道から突き飛ばした。


あぁ、私の人生はこんなとこで終わるのか。


直後に来るであろう激痛に覚悟をしていると、頬を暖かい風が撫でる。


恐る恐る目を開けるとそこには、視界一面の森が広がっていた。


「え?なにこれ、どういうこと、、、?」


訳が分からず、気が動転する。辺りを見回しても、森、森、森。木々の合間から太陽の日が差し、鳥やリスなどの小動物の鳴き声が聞こえる。


ひとまず、状況を確認してみる。


後ろから走って来ている花香に気づき後ろを向いたら青信号の横断歩道を渡っていた花香の姿があった。そのとき、信号無視のトラックが迫っていることに気付いた私は花香のことを庇おうとして花香を横断歩道から突き飛ばし、私がトラックに轢かれ、、、た?


いや、轢かれてなどいない。私は生きてるし、痛みも感じなかった。もしやこれは夢?それか地獄はないだろうから天国?


しかし、夢にしては現実味が強すぎるし、天国にしては神聖な感じがしない。


少し息をついて落ち着いてきたので、この森の中を適当に歩き回ってみることにした。


しばらく歩いていると、少し大きめの川に着いた。喉が渇いていたし、水も飲めないほど汚れてはいないので、川に顔を近づける。


少し苦い味がする。砂と粘土が混ざったような匂いが鼻の中に残った。


遭難して川を見つけた時のテンプレと言えば、川沿いを下流に向かって歩き、村や集落を見つけるというものである。


川沿いを下流に向かって30分ほど歩くと、小さな小屋のようなものが見えてきた。


ひとまず、この森に人がいることが分かってひと安心する。


小屋に近づいてみると、その小屋が何やら薬剤のような不思議な香りを出していることに気がついた。


小屋の前までたどり着き、恐る恐る中に入る。


「す、すいませーん、、、誰かいますか?」


中には、大量の薬草や木の実のようなものが入った瓶が棚に並び、中央には耳が長く尖った美しいフードを被った女性がこちらを見ていた。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ