エルフの里
一同はしばらく森の中を歩いていくと木々から不思議な力を感じる場所に来た。
「エルロッドたのみます。」
「…かしこまりました。」
そういうとエルロッドはひざまずき祈り出した。
(体が光ってる…?いや集中して魔力を高めているのか。)
今まで木々しかなかったそこにエルフの村が現れた。
「エルフの里の入り口は精霊の加護を持った者しか入ることができないようになっています。つまり普段はエルフの里へは里の者の助けなしに他種族の方は入ることができません。」
(だから狼牙族はエルフとヒュムが組んで討ってくる話をつかんでも里を襲撃することはできないから馬車を狙っていたわけか。)
(なにか不思議な雰囲気を感じる。ヴィユノークの小屋に流れていた不思議な魔力のようなものを感じるな。ただ、この魔力なにか少し悲しい感じがする。何か大切なものを失ったときの喪失感のような…。)
イザは少し物悲しい気持ちになった。
エルフの長はこちらを見て何か感じとったようだ。
「竜族のお方。もう感じられたようですね…。」
「みなさんこちらへ、私の家です。どうぞおあがりください。」
みんなテーブルを囲んで席へ着く。
「私お茶を入れてきますね。」
そういってヴィユノークは奥へ入っていった。
エルフの族長が口を開いた。
「まずは私の声に耳を貸していただきありがとうございます。」
「挨拶が遅くなりました。私はウィルヘイムと申します。このアジーウッドの森のエルフの里の族長を務めさせていただいております。」
「先ほどそちらの冒険者の方がおっしゃったとおり今この森は精霊の力を失いつつあります。それはこの森にすむエルフ、狼牙族、ドワーフ族の方、それと近隣に住むヒュム族の方には周知のことと思います。」
「…」
エルロッドと狼牙族は怪訝な顔を、お茶を持ってきたヴィユノークは暗い顔をしながら皆にお茶を配っていく。
「では何故精霊の力が弱まっているのか、これを話すと長い話になるのですが。森の精霊の力は代々エルフの中で生まれ持って強い魔力を持つ者が依り代となって引き継いできました。森の精霊になると、森とともに生きることになります。端的にいうと、精霊の力の依り代になるとエルフはその姿を捨て、魔力が尽きるまで数百年の間精霊となって森を守り森とともに生きていくことになります。」
(なるほど、生まれ持った資質がある人がその才能と人生のすべてを森に捧げることで管理していたのか。…むごいな。それじゃブラック企業の社畜じゃないか。よく今までだれも文句言わなかったな。まぁ社畜で過労死しかけて転生させてもらった俺が行けたことじゃないけども)
狼牙族が怪訝な顔で聞いた。
「ではなぜ今精霊の力は弱まっているんだ?今の森の状況はエルフがその責務を怠ったからじゃないのか?そのうえヒュムと組んで我らを討とうと企んでいると聞くが?」
「それは私の耳にも入っています。一部の若者が誰かにそそのかされて裏でひそかに動いてるようなのです。狼牙族を討とうなど我々の総意ではありません。」
「ふん、信用できるか森の裏切り者どもめ。」
ヴィユノークがうつむいている
「…」
「狼牙族の方の怒りも承知しています。ですがいまはまず話を聞いてはいただけませんか。」
ウィルヘイムは狼牙族へ頭を下げた。
「それでは続けさせていただきます。現在精霊の力が弱まっている理由について説明します。。先ほど申し上げたように精霊は数百年置きにエルフが依り代となってその存在を維持してきました。そして今から200年ほど前、精霊の力が薄れ始めたころに次の精霊の依り代候補が現れました。それは私の妹でした。」
一同は息をのんだ。
「私の妹は生まれながらにして強大な魔力を有し、自然魔法にも長け、森の精霊の声を聞くことも出来ました。精霊の力を継ぐものと里のみなが思っていました。」
「しかし妹は精霊として森に縛られることに疑問を持っていたようです。100年ほど前のある日里を飛び出し元より交流があるヒュムとともに森を去ってしまいました。私も含め里のもの精霊の力を途切れさせてはならないと思い、ようやく彼女の居場所を突き止め連れ戻したのですが、その時すでに彼女はヒュムとの間に子を身ごもっていました。」
ヴィユノークがうつむいたまま悲しい顔をしてる。
(なるほど、なんとなく話が読めてきたな)
「あとで知ったのですが、里に来る行商のヒュムの子と恋仲にあったようなのです。ヒュムとエルフの間に生まれたハーフエルフは強い魔力を持って生まれることは少なく生まれる前に母体の魔力に耐えきれず死に至ることが多く、滅多に生まれることはありません。」
「お腹の子もその例に漏れずほとんど魔力を持っていませんでした。しかし彼女はその子が生まれるまで自身の強大な魔力でお腹の子を守り続け、子を産むと同時に息を引き取りました。当然生まれてきた子は生まれたときは母の強大な魔力をもっているわけではなく、精霊の力の後継としては不適合でした。それから100余年。里には精霊の力を引き継げるほどの魔力を持って生まれたものは無く今に至ります。」
「私が生まれてこなければ良かったんです!」
ヴィユノークが泣きながら大きな声を上げた。
「それはちがう!」
慎重な面持ちでウィルヘイムは言った。
「違わないわ!私さえいなければ精霊の力を失うことも母が死ぬことも無かった!私さえいなければ!!里のみんなも言ってるわ!あいつが生まれたせいで森が維持できなくなるって!」
「生まれてきたものに罪はない。お前の母は命を掛けて愛する我が子のために魔力を注いだんだ。この森じゃなくてな…。精霊の力を守るよりも母として生まれてくる新しい命を守ることに力を尽くしたのだ。だれがそれを責められようか。」
「情けない話だが、あの時お前が生まれてくるまで私もそのことに気が付かなかった。誰もが妄執して今までのしきたりだけを信じ、個人の意志など考えずそれが当たり前だと思っていた。里のものもそうだ。精霊の力無しに森を守る方法など考えようともせずにな…。」
「(ヴィユノークさんの母が精霊候補でヴィユノークさんを生むためにすべての力を注いで亡くなったから。里の者からも煙たがられて離れて暮らしていたのか、50年もの間。なんて辛い話だ。誰も悪くないのに。)」
「でも。それじゃあ。誰がどうやって森を守っていけば!いいのよ!」
狼牙族がつぶやいた
「森の管理を長年の習慣からエルフ族が引き受けるのが当然のことと思いこみ、今まで任せきりだった我々狼牙族やドワーフ族にも責任があるのかもしれないな…。」
貴族らしき人
「私たちも助けになりたいとは思うけれど、ヒュムには魔力がほとんどないからな…。」
「(どこの世界でも人間は人任せだな…)」
「…。」
しばらく沈黙が続いた。
ウィルヘイムがまた静かに語り出した。
「そこで、この風習を終わらせる方法がないか、妹を失ってからは過去の文献などをあさり精霊の力に頼らない方法を探してきました。そして、最初の精霊になった者の言葉を見つけたのです。そこにはこう記されていました。」
この地に息づく全てのもの
自然に愛し愛されしもの
魔に恵まれ魔に愛されしもの
霊廟最奥の聖域にてこの地に恵みをもたらす力を祭る
我、地竜の加護を受けし宝玉にこの身を捧げ精霊となりてこの地を守らん
魔に愛されし森の妖精よ
我が力が弱まるとき
我をその身宿し力を引継ぎ森の恵みを守るべし
「妖精とはエルフ族のことを指します。地竜の宝玉と言うのは、はるか昔、この地に繁栄をもたらした六大龍王の一人ティアマト様が残したとされる物のようです。更に調べを進めるうちに地竜の宝玉はこのアジーウッドの森の禁域にある霊廟の奥深くに祭られていることがわかりました。しかし、霊廟の内部は普段は精霊となった者のみが向かえるところ。中に入り確認してみましたが、おそらく2000年以上誰も踏み入れていない様子。魔物も住みついており一人ではとても聖域までたどり着くのは不可能でした。そこで戦える力がある人の協力を頼もうと考えております。」
「種族同士様々なわだかまりがあるのは承知しています。不満に思うところもあるでしょう。ですが森を思う皆さん!どうかお力をお貸しください!森を、妹を、そして今を生きるこの子を救ってあげてほしい!」
そういうとウィルヘイムはテーブルに両手を突き深々と頭を下げた。
ウィルヘイムの行動を見てのエルロッドが声を荒げた。
「族長頭を上げてください!エルフの長が他種族に頭を下げるなどあってはいけません!それに禁域に立ち入るなど…!何が起こるかわかりません!」
狼牙族が先ほどまでとは違い穏やかに口を開いた。
「エルフが管理して当たり前だと思って意にも留めないでいた我々も同罪。これからは狼牙族もこの森を守るために協力させてもらおう。このガルドも全力で助力させていただく。」
「私は商人なので…荷物の番をしておきます。冒険者を雇うならギルドに話を通した方がいいかと…」
ヒュムの貴族は逃げ越しだった。
「あんたも協力するんだよ!聞いてなかったのかい?今の話!森を救おうって言ってんだよ?森に棲んでいないとは言ってもあたしらも無関係ってわけじゃないでしょ?」
冒険者風の女が割って入った。つづいて騎士風の男も
「だそうだ。俺達も協力させてもらおう。」
「ふふっ(人間も捨てたものじゃないか)。森のものではありませんが私にも手伝わせてくれませんか。」
(ここは協力しておいた方がこの世界の情報を知るには都合がよさそうだし、なにより少し気になることがある。)
「ありがとうございます。里のものにも伝えて参りますので少し失礼します。」
そう言い残すとウィルヘイムさんは一度席を外した。
「みなさんありがとうございます。命をかけて守ってくれた母の為にも、こんな私でもやれることをやってみようと思います。」ヴィユノークは深くお辞儀をして涙を拭った。
「あんたが気にすることないって。2000年間誰も踏み入れてないダンジョンがあるなんて冒険者が聞かされて行かない方がおかしいって。お宝あるかな~。」
「エルザはまたそうやって照れ隠しして。ほんとは今の話を聞いて宝よりもヴィユノークさんのことをなんとかしてあげたくて引き受けたくせに。」
「う、うるさいなぁ!ラインハルトあんただってヴィユノークさんの為にーって言うんでしょ。」どうやら騎士風の男はラインハルト、女はエルザという名前らしい。
「そりゃナイトはうら若きレディを守るのは当然だろう?」
「あんたは騎士じゃなくてただの冒険者でしょうが!」
「あのぉ…私、ラインハルトさんよりだいぶ年上だと思うので、若いって言われるとなんだか変な感じがします。」ヴィユノークさんが苦笑いしている。
「見た目が若くて可愛ければ何の問題もありません!」
ラインハルトがニコっとしながら右手を出し親指をたててる。
「あたしもレディなのに、そんな扱いされたことないんですけどぉー?ナイト様ぁー??」
ラインハルトがあごに片手をあてながら首をかしげて言った。
「エルザは女って感じしないしなぁー。」
「このやろっ!言ってくれるじゃないか!今日の晩飯あんたの大好きなキノコづくしにしてもらえるようにあとで頼んでくるわ。」エルザはにやにやしながら楽しそうだ。
「わかった!俺が悪かった!かわいいくて優しいエルザ様!キノコだけはご勘弁を!」
ラインハルトは両手を合わせて頭を下げている。
「あははっ。」
ヴィユノークが涙を流しながら笑った。
「ヴィユノークさんいい顔できるじゃん。いまのほうがずっと美人だよ。」
「ラインハルトあんたそういうとこだよ!」
そういってエルザはラインハルトの頭をひっぱたいた。
「痛ったいなぁ。なにも叩くことはないだろう…?」
「うっさい!」
「ふふ、ヒュムは賑やかしいもんだな。」狼牙族も尻尾を振りながら笑っている。
「フフフ。(戦ってるときは怖かったけどこうしてみると狼牙族って犬みたいで結構可愛いかも。)」
そんな話をしているうちにウィルヘイムさんが戻ってきた。
「みなさんお待たせいたしました。宿の部屋を用意してまいりましたので今日はどうかゆっくりしていってください。食事の準備もしておくように伝えてありますので皆様今日はゆっくりしてください。エルロッドみなさんを宿まで案内してください。」
「…かしこまりました。」
そしてみなその場を後にして宿の前に案内してもらった。
「こちらが里唯一の宿になります。それでは私は失礼します。」
そういうとエルロッドは去っていった。
去り際にヴィユノークを睨んでいたように見えた。
宿に入ると使用人らしき人が近づいてきた。
「ウィルヘイム様からお話は伺っております。部屋の準備も済ませてありますので荷物などを降ろしたら食堂までお越しください。」
「ありがとうございます。(何か月ぶりかのまともなご飯とベッド~!この世界にきてずっとほぼ水とスライムしか口にしてなかったからなぁ。泣けてくる。)」
「うはー!御馳走じゃん!いただきます!」
「あんた食事の時くらい剣置いて甲冑くらい脱いできなさいよ。」
「剣は騎士の魂のようなものだからいついかなる時も置くわけにはいかん。」
エルザは呆れた顔でラインハルトを見ている。
「はは…(ん?あの獣人の人はだれだろう?)」
イザとヴィユノークも苦笑いした。
「そいうえばイザ殿は何故このような森にいるのですか?現在竜族のほとんどはニブルヘイムとムスペルヘイムに居ると聞きますが。」
「(いや、誰!?ってかニブルヘイム?ムスペルヘイム?なにそれ?この世界に来てずっと洞窟で彷徨っていたからここがどこだかもわからないんですけどー…。)」
「これは失礼、私はガルド先ほどの狼牙族の者です。食事に招かれてあの姿では失礼かと思い人化しております。」
「(なるほどー。たしかに狼の姿だと料理は食べずらいか。)」
「えーっと、ニブルヘイムとムスペルヘイムって何ですか?」
みんな真顔になって食べる手が止まった。
「(あ、やっぱこれ知らないとまずいやつでしたかー…しまった。)」
「イザさん大丈夫か?頭でも打った?」
ラインハルトが心配そうな顔でこちらを覗き込んでいる。
「イザさんは永い眠りについていて最近目覚めたばかりですこし記憶が混乱しているそうですよ。私が説明しますね。」ヴィユノークが微笑んだ。
「なんと、それは失礼した。」ガルドが頭を下げた。
「ありがとう助かるよ。(ヴィユノークさんありがとおおお。そしてやっぱこの子笑うと可愛いな~。)」
「この世界は10の大陸にわかれています。まず先ほどガルドさんの仰られた、竜族が多く住むと言われる二ヴルヘイムとムスペルヘイム。そしてこのアルフヘイム。隣のスヴァルトアルフヘイム。神族が住む言われるアスガルズとヴァナヘイム。ヒュム族が多く住むミズガルズ、巨人族の住むヨトゥンヘイム。小人族の住むニダヴェリール。最後にアンデットや魔族の住むヘルヘイムです。古の大戦の前は一つの大陸で様々な種族が平和に暮らしていたとあります。大戦後、世界が10に分かたれた後、完全に大陸間の交流が絶たれたわけではありませんが、種族ごとに集まって生活をしているところが多く。その中でも特に神族と竜族の方は、他の種族が総べる大陸に現れることはほとんどないと聞きます。言葉を解さない眷属がたまに紛れ込んでくることはありますが。」
(10の世界かなるほど、さっき初めて顔を合わせたときにガルドさんが言っていた はぐれ っていうのは、たまに迷い込む眷属のことを言っていたのか。俺ってしゃべることも出来ない頭悪い奴に見えたのかな…。なんかちょっと悲しい。)
イザはガクッと肩を落として泣いた。
少し困った顔でヴィユノークがイザを見つめる。
「あの、イザさんここまでは大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫!大体わかった助かったよヴィユノークさんありがとう。さっきヴィユノークさんが言った通り俺は目覚めたばかりでほとんど眠る前の記憶がないから、迷惑かけるかもしれないけどみんなよろしくね。」
「それはわかったけど、なんでこんなとこで眠ってたんだ?ここはエルフやドワーフ、ホビット、フェアリーっていうほとんどが妖精族の大陸だろう?」
「ラインハルト~。ヒュムのあんたがそれを聞くのー?それにイザさんは眠る前の記憶がないって言ってるじゃん!」
エルザがラインハルトを突っついた。
「ヒュムは寿命が短いし魔力もほとんどないからどこにでもいるだろ!」
「ふむ、なにか事情があったのかも知れぬ。」
「(さっきの話で狼牙族のような種族の名前は出なかったけど、ヒュムみたくどこにでもいるからなのかな?聞いてみるか。)ガルドさんのような種族の方は他にもいるんですか?」
「我らのようにその地の魔気を受けて進化した種族は大戦の後に生まれた種族なので大陸の分類には入らないのです。」
「なるほど。(動物から進化した種族も居るってことか。)」
(この世界について色々と知ることが出来たけど。あっちの世界の常識とはだいぶ違うんだなー。もう完全にファンタジーの世界だよ。自分のことについても全然わからないし。一度その竜族の住むニブルヘイムとムスペルヘイムには行ってみたいな。何かわかるかもしれないし。)
「あれ?そういやべスターの奴はどこいったんだ?」
「雇い主を奴よばわりってどうなの?」
エルザは呆れ顔でラインハルトのとこを見ている。
そのころエルフの里路地裏
「話が違うじゃないか!」
「事情が変わったんだ。取引は無しだ。」
「冗談じゃない。苦労してここまで商品を運んできてやったのに!」
「文句なら俺じゃなくてウィルヘイムに言ってくれ!」
「領主さまに何て説明したらいいんだ…」
べスターは倒れこんで床に手をついた。
「このまま帰ったんじゃコーエン商会の面子が立たない。覚えてろよ…。」
宿 自室にて
イザは食事を終えて宿の部屋に居た。
「んー!!久々のベッド最高~!!!ご飯もおいしかったし洞窟を出れて本当によかった。生きてるって実感するよ。」
(でも普通のご飯を食べてもあのスライムを食べたときの感覚はなかったな。)
「はぁ~。それにしても、雰囲気に流されて手伝いますって言っちゃったけど、自分の力も把握できてないのに大丈夫かな。さっきの話、ヴィユノークさんはハーフエルフって事なんだよね。ときどき悲しい顔をしたり色々負い目を感じているようなのは、生い立ちからくるものもあるんだろうな。里から離れて一人で小屋に住んでいるものこの里に居づらいからなのかな…?すべてが解決するといいな。」
「ってか昼間のあれなに!魔力まとった状態で羽を羽ばたかせただけなのにあれ!?何かスキル名みたいなのも頭の中に流れてきたし…。どうにかして魔力の操作方法覚えないといけないな。魔力の扱い方は間違えると、その気がなくても人を傷つけたり大切なものを壊しかねないな。」
「今日は外に出て色々あったから流石に疲れたな…」
「明日も忙しそうだし、色々考えるのは後にして明日に備えよう。」
そういってイザは静かに目を閉じて眠りについた。
『どうやらようやく外に出たようだね~。』
『あのままずっと洞窟で過ごすかと思って心配しちゃったよ。』
『君には期待してるからがんばってね。』