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エロ画像管理人工知能を作る咄

フィクションです。

 エロ画像を管理するため、道具を作ろうと思った。

 十分にタグ付けされた画像たちの間で類似性を測るのは、そう難しくない。

 「使う」ときの気分に合った画像をチェックすれば、それらに近いものを優先的に表示できる。

 ごく簡単な仕組みだ。イラスト投稿サイトに備わったサジェスト機能と大して変わるまい。


 しばらく試した後、視線追跡技術を使うことにした。眼球の動きから、画面のどこを見ているかを検出する。

 気分に合った画像をチェックする手間を省くことができる。

 視線追跡はそれなりに高度な技術だろう。今回その部分は出来合いのものを利用した。

 やはり大したことはしていない。使い勝手はよくなった。


 それから生体データを取って、興奮度を定量化しようとした。これはあまり使用感に寄与するところがなかった。


 画像につくようなタグを文字列としていくつか画面に表示した。これも画像サジェストに反映させる。使用感は変わらない。数値として出した興奮度は上がっているようにも見える。試行回数が少ないこともあり、有意な差は確認できない。


 画像から輪郭線を抜き出す技術を用い、画面端に曲線の集まりを表示した。変動させて、興奮度の最大化を目指す。また、注目している部分と似た輪郭線を持つ画像を表示させる。

 この曲線が全体として均整のとれた輪郭線を作ることはあまりない。試していると、顔ともう一つ体の何らかの部分を形作ることが多かった。


 補助のつもりのこの曲線群は、意外にも「有用」だった。表示された画像よりむしろこちらに視線を向けることも多かった。

 音声による入力を受け取って、決まり文句を適当に返すようにすれば、なお良くなった。


 このツールを共有し、参考意見を受け取った。三つの意見がよく寄せられた。

 3Dモデルを使ってみてはどうか。

 意味のある文章を出力させよう。

 対話アルゴリズムを搭載しよう。


 それに対し、考えた。

 別にそんなことしなくてもよくないか。


 体の全体像を描き出しても、興奮を引き起こすのはその一部ではないのか。

 意味のある文章を出しても、興奮を引き起こすのは個々のキーワードではないのか。

 対話だって、「好き」と言って「好き」と返ってくる程度の現状で十分ではないのか。


 そうして今日も、最適解に愛をささやき、最適解で興奮を高め、最適解の慰めを得るのだった。

我に返るとめっちゃ虚しくなりそうですね。

試した人いたら報告待っています。

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