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Leabe

                                              


夏休みが終わり陰鬱な日々がまた始まってしまった。                        

休み中の間は深夜まで起きていたので朝起きるのがつらかった

僕はいわゆる陰キャラというやつなので友達も少ない

学校にも行っているが行っているだけなので楽しみがない

それで学校を休みがちになったりする


「おはようー!元気してた?」                 


なんて笑いかけてくるイケメンは斎という名前の陰キャラにも優しい陽キャラだ

この人となら大体の事を話せるし良い友人ではあると思っている


「だいぶと不健康な夏を過ごしたよ。斎は?」


どうせ、部活に入り浸っていたのだろうと思った

ちなみに僕は剣道部に籍をおいていたが今年顧問嫌いでやめてしまった。

                               

「俺は今年も部活一筋だったよ!」


なんて満点の笑顔で言うのでいいやつだなあと素で思ってしまった


「好きだねぇ…バスケ…」


彼はバスケ部を今年引退したらしい。これが普通だ


「好きだよ!俺!」

                               

不覚にも男にキュンとしてしまった。

女に絶対モてると思ったがまだ告白されて付き合ったことの一回きりらしい

勿体ないなんて心の中で思うけれど彼には当然届かないだろう

そのあとも、他愛ない話を時間をすり潰すかの勢いでしていたらすぐに先生が前に出てきて話し出したので話を中断したのだった。

特に、面白くもない話だったので窓の外を眺めていた

ぼんやりと眺めていると猫がいたので少し癒された

そのあとで言うと全校生徒で集まって学校長の面倒な話を聞かないといけない恒例行事を全力でスルーしながら考え事をする。       


人間はなぜ生きているのか

恋をするのか

好きとはなんだ


なんて哲学のような途方もない事を考えている

中学3年の暑い夏

受験を控えた思春期の夏


                               


僕に異変が起きたのは夏休みが終わって1カ月ほど経って気温が徐々に下がってきた10月ごろだった。

僕の学校の席は男子列女子列というものがあって必ず隣は女子というものだった。

斎は女子からの人気も厚くよく女子と話しているが、僕は話には入らなかった

入らなかったというか入れなかった。そんな無様な僕に話しかけてきたのは彼女だった。

                               

我が校の伝統のクラスダンスをするためのクラス共通のTシャツを作っている最中の事。

最初は斎と話していてそのあと流れで話しかけられただけだった

けれど、それは僕にとって珍しい事なので彼女が僕の気になる人になる対象になるには十分だった。


「手めっちゃ汚れたんだけど!見て!」

なんて笑顔で言ってくれたおかげで本当に久しぶりに恋を思いだした

恋なんて何カ月ぶりだろう。失敗しかしないので潜在的に嫌っていたのかもしれない                          

けれど、乏しいコミュニケーション能力は変わらず


「めっちゃ汚れてんねぇ」


と笑いかけるという面白くもないことしか言えなかった



恋の始まりというと壮大かもしれないが

ちっぽけな僕にはこれぐらいがちょうど良かったのかもしれない。

                               

ちっぽけで全然面白くもない始まり方をした恋はあまり良い方向には進んでくれなかった

雨のおかげで体育大会が延期になり、仕方なく打ち上げを頑張ろうの会に変更して

クラスで食事をすることになった

クラスのほとんどが来るこの集まりに僕も斎の伝手で参加した

会場はごく普通の洋食店でクラスの代表者が予約した店だった。

僕と斎とその他よく話す人間とで一塊になり椅子に腰を下ろす

そのちょうど斜め前に座ったのが彼女こと山野 沙羅。

僕が、恋をしている人物だ。                  

この恋はどうしようもなく熱烈で見つめたり話しているときにやけてしまったりと散々なので気を付けないといけない。

妙に僕は顔にでるらしい。辛い。

さて、さっきの話に戻るが別に沙羅さんと話したりしたかった訳じゃなかった

顔を見ているだけで幸せで仕方なかった

もちろん、これは自分の心の中だけで思っているだけだ

多分、こんな事を友人に話せばドン引きされるだろう。

なので、今はだれにも相談するつもりはない…

孤独はつらいな…                      

なんて、一人で考えていると死にたくなったので友人たちの繰り広げる馬鹿な会話に加わった。

クラスでの食事は案外順調だった。

いつもの教室のように各々自分の所属している群れに寄りかかり話をしている。たまにクラスの目立っている男子たちが苦いジュースを一気飲みする芸などをして場を盛り上げた。斎も参加を強いられ弱く微笑みながら一気飲みしていた。それだけで我々は盛り上がれた。

その後の出来事は多分テンション任せだったに違いない。

大量に運び込まれたオムライスを頬張りながら斎の顔をじっと観察する

なぜ、観察したかは今考えてもわかりやしない         

すると、突然斎の隣の空席に人が移動した。

それは、沙羅さんだった。

僕は、斎の正面に座っていたわけだから斜め前なのは変わりないがなぜか距離が近くなった気がして顔が熱くなったのを感じた。前の席に座っている斎は微笑みながら話している。

あそこと変わりたいと願いながら必死に赤くなっているのであろう顔を隠そうとしていた



                              


黙々とオムライスを頬張り  「あれ?これどれだけあるの?」と内心思いながら

ぼーっと過去をふわふわと思い出していると

沙羅さんのことを断片的に思い出した。

朧で確かに覚えていない記憶の中にSNS上で話した記憶や現実で少しほんの少し他愛もない事を話をした記憶が浮かんでは消えた。

それはシャボン玉のように。

今までなぜ忘れていたのだ…!と自責の念に呑まれたが愛らしい声にたたき起こされ                         


念から解き放たれた。


「オムライス多すぎるし、じゃんけんして負けたやつが一口ずつ食べようよ」と言った

当然、僕のおなかは満タンだった。

けれど、みんながノリノリでゲームを始めようとしていたし沙羅さんからの誘いに乗らない手はなかった

この誘いが友人の友人としてだとしても彼女と関われるのが幸せだった

僕は、順調に勝っていき一回も食べずにゲームは終わった。

この後斎と共に残ったオムライスを頑張って食べたのは内緒だ。









僕は考えるのが好きだった。だけど、途中でそれらを放棄してしまっていた

だから、恋なんてまともにできなかった。

してこなかった…なんて言うと嘘になるしそんな事言う気もないない。

だが、どれも失敗だった。失敗しかしてこなかった。

告白して世間一般の付き合うというような事をしたこともある

それならどこが失敗かと疑問に思うかもしれない。では、どこが失敗か。

それは。どれも長くはなかったという事だった

ほとんどが僕の所為だった。

全部、自分が悪かった。悉く。すべて。何もかも。

僕は、途中で考える事を放棄していた。なんで。なんて聞かないでほしい。

自分でもわからないから。

それを、考えるのすら放棄していたのかもしれない。

今となっては、もう何も覚えていない。思い出したくもない。

思い出したらきっと死にたくなってしまうから

もう思い出さない…そう決めた。「過去は過去だ」そう割り切り。




確か、斎に彼女が好きと話したのは食事を終えて家に帰った時のことだったはずだ。

少し前に「好きな人おる?」と聞かれていた僕はなぜか正直に「好きな人できた」と言った

この時なぜ言ったかは分からないが多分、斎の情報だけを掴んでいるのが申し訳なくなったのだろう。もしかした、秘密を共有する仲間が欲しかったのかもしれない。

とにかく僕は彼女が好きなことを斎にカミングアウトしてしまった。

彼は、そうなのか。と喜ぶような素振りをみせた。本当に純粋に良いやつなのであろう

それから、体育大会があり我が組が見事優勝した。

といっても僕は何も役に立たずに傍観を決めていたのだが。

体育大会があってからは、しばらく何もなかった

少し話したり全く話せなかったりするばらばらな日が何日かがすごいスピードで駆け抜けた。

好きな人。というのはえらく重要だなぁ…なんてしみじみ思う

                              

塾や勉強に追われる日々を過ごした。

だが、前の味気ない生活ではない。

しみじみした日からすでに何日も経った

あれだけ、面倒だった学校も毎日行くようになった。

行くと彼女に会えるし。話せるかもしれない。

そう思うと自然に学校へ行きたいと思うようになったのだ。

本当に好きという感情は大切だ。

ここで、僕の心を躍らせるニュースが飛び込んできた

近くの神社でお祭りがあるのでみんなで行かないか。との事だった。

みんな…というのは斎、僕、沙羅さん、沙羅さんの友達で席も近い優美香、そして斎の好きな人の莉紗。この5人だ。楽しみで仕方なかった。

大人数とはいえ沙羅さんと一緒に遊びに行けるのは本当にうれしい 





その日が待ち遠しかった。


その日はすぐに来た。

体感時間は本当に早かった。秒だった。

どうしても、早く感じてしまうのはもう何回も言ったがもう一度言おう

すごく早い。早すぎる。くどいなんてどうか思わないでほしい。本当に早いから。

とにかく、神社にて秋祭りが開催される日になった。

僕らの予定は至って単純で昼過ぎに集合し屋台が並ぶまで時間をつぶす。というようなものだった                   

集合場所に到着するまでの道のり、僕の心臓は高々と鳴り響き外に漏れるんじゃないかと心配するほどだった

嫌なほどに緊張をしていて死にたくなった。

念のために5分ほど前には集合場所に着いたはずなのに斎以外の全員が到着していた。

さすがだな…なんて思いつつもっと早くに家を出なかったことを後悔した。



                              

それから、斎が来たのは30分後ぐらいの話だった。

彼曰く急な模試の予定が入ったからと言い訳していたが真相は分からない。

それからは、公園で人狼ゲームの亜種のようなものを楽しんだが限界があり途中でゲームセンターに移った

ゲームセンターではプリクラを撮ろうという話になり撮ることが決定した。

僕は、写真写りが悪く亡霊のようになってしまうため1枚だけ端に写りこんだ

斎と僕の男性陣は写真加工に参加しないので外で待つことになった。

プリクラのブースというのは女性しかいないので男は奇異な眼で見られる。

その、場違い感から逃げるように僕らは男子トイレに籠城した。

だけど、僕らの籠城戦は5分と持たずに外に出た

その理由は、ただトイレという閉鎖空間が耐えきれなかっただけという残念な理由だった

ゲームセンターを出たのはもう少したって陽が傾きだしてからだった



                              

僕らは神社へと向かい神社内を回り始めてからすぐに神社を一旦離れるという事態が起こった

大げさには言ったが斎がお金を拾ったというだけだ。ではなぜ神社を離れないといけなかったか。それは善人でしかない斎がそのまま懐にお金をしまえる訳がなく交番に届けに行くと言い出した。「みんなは、ここで待ってて」と言い残し走っていった

斎の背中を眺めつつ少し嫌な空気を感じた。

そう。男子は僕一人である。正直学校生活ではモブでしかないのでこの状況をどうすればいいか分からなかった。

そんな事を思い詰めていると勝手に女子内で会話が始まった。無理に会話の主導権をとらなくてよかったと安堵していると、僕のポケットで着信音が鳴り響いた。


スマホの画面を確認すると斎からだった。受話器をとるマークを押して耳にスマホを押し当てる

「もしもし?実は、警察の方が巡回に行ってるみたいで…少し時間かかるらしいから先回っといてくれてもいいよ」

僕は、この事をほかの3人に伝えてどうするかを聞く

「とりあいず、斎と合流したら?」と意見が合致したので斎と合流することにした。                          


交番につくと、斎が退屈そうに壁にもたれかかっているので「悪い事したみたいだ」といって笑ってしまった

交番で警察の人を待っている間に太鼓の音が聞こえてきてその音に合わせて揺れていると沙羅さんも一緒に揺れだしてなぜか嬉しかった。



そこから無事にお札は交番に預けることが出来て僕らはお祭りを楽しんだ。

ここ数年で一番楽しかったといってもいいほどに僕は楽しかった。本当に。








恋は大切なものだと思った。

命を賭してでも失いたくないものが出来る。

勿論。片思いでも。彼女が誰と付き合ってようと。

その気持ちを失うことは難しいと思った

我々の秋が終わり季節は冬に移り変わろうとしていた。

長袖をきていても肌寒いほどだった。

まだ僕らの席は近いのでしばらく楽しい日々を送った。



                              

それは、他愛ないことだったのだろう。よく話すお菓子やほかの人間のことと同じように。

女子の好きな話題第1位であろうこの話題。

そう。察してくれた方も多いだろう「好きな人。」についてだ。これを他に聞かれるならまだいいが

本人から聞かれるのだからタチが悪い。これまではごまかしてはきたがついに審判の刻が来てしまった


「じゃんけんに負けた人が好きな人に告白ね!」

                               

だれが言ったのだろう。焦りすぎていて覚えてすらいないが多分沙羅さんだった思う


最初は、負けなきゃいいだろう。なんて軽いノリで参加してしまったが後々考えると僕は馬鹿だなと思う

最悪の場合、斎と談合してあいこを連発すればいいと思っていた

それが、甘かった。チョコより甘かったのは僕の思考だ


この後、お察しの通り僕は負けた。

しかも最悪の負け方で。                   

一回で女子陣が勝ち上がり男子だけが残された。

当初から予定していた談合計画を発動して「最初はグー」と号令を発して

僕は予定ではない物を指で形作ってしまった。

その結果僕の負けが決まった。なぜ違うものを出したのか。多分癖だ。

癖を恨みつつ再戦を申し込み再戦するがまた負けるという散々な結果になった。

そして、明日告白という最悪な積み荷が増えまた明日へと。

斎にどうすればいいかと相談するが決め顔で「好きにすれば相手にも伝わると思うよ」なんて言うから腹の立つ男

だと思いつつそれが斎かと思い受け入れる。          

その日は何も考えることが出来なかった



1夜過ごすだけだからそれはそうなのだがすぐに明日はきた。

告白は嫌ではなかったが時期が早すぎた。なんの準備もしていないし何を言おうかも決めてない




                              

観客たちによってその日の昼休みに告白が行われることが決定した。


それまでの授業は本当に酷で地獄というのがふさわしかった


告白の文面を頭の中で思い浮かべては消していく


処刑執行を待つ死刑囚はこんな気持ちなのだろうと思い処刑制度に全力で反対したくなった


                              

そんな馬鹿でなんのためにもならないことをだらだら考えるうちにすぐご飯の時間となり


その時間さえ通り過ぎて行ってしまった


遂にその時になってしまい重い足を引きずりつつ階下に向かう。


ほかの見守るという名目で野次馬に参加したのはお祭りの時のメンバーでほとんど公開告白のようなものだった

                              

定位置につき頭を抱える。今から沙羅さんに告白するのだ。なんて思うと頭は真っ白でせっかく考えたシナリオは飛んで行ってしまった


頭を抱えていると斎が寄ってきて声をかける。


「大丈夫?とりあいずでも頑張ろう!」


「どんな風にしたらいいかわかんなくなっちゃったんだけど…どうしたらいい?」

                              

「相手に気持ちぶつけたら絶対伝わるから…!頑張って!」


感情論…なんて大嫌いだ…

よくもわからない嫌悪感に包まれると共になぜか僕の心は軽くなった。


「沙羅さん…こっち来て…!」

馬鹿のような声量で言ってしまった事を後悔する余剰すらなかった


困惑し訳が分からない。といったような顔でこちらに寄り一定の距離をとった彼女の顔は困惑一色だった                


僕の準備は不十分だった。だが、もう見切り発車でいいや。そんな思考を巡らせた



「僕は、沙羅さんの事が好きです!」


辛く。重い沈黙につぶされてしまい「本当に言ってしまった。」なんて感慨は起きなかった

                              

しばらく沈黙が続くと目の前にいた沙羅さんが駆け出した。





嗚呼。何たることか。




                              

逃亡。というのは聞こえが相当に悪いがそんな雰囲気がした。

周りの観客どもは「追いかけろ!」なんて言うが僕が追いかけて大丈夫なのか。僕からの逃亡に対して僕が追いかけることは彼女を追い詰める事にならないかそう思ったのだ。

僕は周りの声を聴くふりをすることに決めた

彼女に到底追いつけない速度で走り出し階段を上った。

本当は彼女を教室で見たが見て見ぬふりをした。それは僕のエゴだったのかもしれない。

沙羅さんの事を想うふりをして自分が楽になろうとする。そんなものだったのかもしれない。                    

告白する前が地獄といったが告白した後の方が地獄だった。

席が近いこともあり我々の空気はお通夜であった。

その日、沙羅さんと話すことはなかった。




告白した次の日に感謝と伝えきれなかった気持ちを手紙として作成した。それらは、あの日居たメンバーに審査され厳しい校閲を繰り返し、ちゃんとした手紙になった。白クマのプリントされたかわいい便箋だったのを鮮明に覚えている。                     





結局僕らは、僕が告白する前から予定されていた外出の約束の日まで僕らは話さなかった。

それはそうだ。自分に言い聞かせ「嫌われたかも」という不安を拭っていた。

さっき言った「話した」他愛もない事で告白には直結しない事だった。

その日は、なにも言われなかったしなにもしなかった。途中斎らの陰謀により沙羅さんとチームを組んで運動はした。

だが、それにより変わるのは微々たるもので直接的に今後の関係には響かなかった

人間という生き物は自らのエゴによって動いているのだな。そう痛感する。

我々人類だけじゃないかも知れない。

生きているものは自分が生きるために何かを摘む。

どんな善人でも、人生に一回は嘘をついていると思う。

どんな善人でも生きるためなら人を殺してしまうと思う。

それらの行動は、狡猾で醜い。

だが、それらは美しくもある。

生きているという事は辛く苦しい。

辛く苦しいから人間は美しく散ることが出来るのだ。

さて、最初の話からえらく脱線したが僕が何を言いたいかというと。




人生の主役は自分だ。という事である。



あの告白が終わり何週間経ったかはもう覚えていない。

数えるのもなにか気が引けるので数えはしない。

1週間ほど前に遊びに行った時以来また話していない気がする。

そんな事を思いながら昼休みの終わりを告げるチャイムを聞いていると

沙羅さんが教室に駆け込んできて僕の机に紙を小さく折ったものを投げつけ自分の席に座った

僕は、察した。これは告白に対する返事だと。

開けるのが怖かった。すごく。だけど、ここでこれを開けないとどうなるか僕は知っていた。

なぜか、震えだした僕の手を牽制しつつゆっくり紙を開いた。



そこには丁寧に書かれた断りの文が書かれていた。

落ち込んだ。なんて感情ではなかった。繊細なこの文章は僕を落ち込ませなかった

だが、なにかやはり脱力するような感覚に襲われた。

なんとか、授業が終わり斎を人気のないところに呼び現状を伝え手紙をみせる。

手紙の内容をすべて読み終わると斎は僕を刺激しないように慰めの言葉を吐いた

後から聞いたが、斎は沙羅さんから僕を慰めるように言われていたらしい。聡明な彼女の行動を僕は尊敬した。



いつもの僕なら振られれば身を引いていただろうし諦めていただろう。

だが、今回は違う。

どう頑張っても諦めきてない身を引きたくないそう思った。

自分の人生において人を愛する場面は多々あっただろう。それらはとはまた違う。

何か分からない。難解で複雑に絡まりあった感情が沸いてきたが僕にはそれは何か分からなかった。

稚拙な僕の心はこの感情を飲み込むのは難しかった。



人を愛するという事の難しさを感じた。

光と影をと同じように醜いものが横にあることによって美しいものはより輝ける。

自殺願望などという醜く悪臭を放つ花が咲く事により恋という美しい花が煌々と輝けたのだった。









自殺願望が増殖しようと諦められないものはしょうがない気がする。

そう思い開き直る事に決めた。

まだ、諦めちゃだめだよと数人の友人たちに言われたのもあり

彼女に負荷をかけぬよう。自分が荷物にならないことを意識して

僕は彼女を愛することを決めた。

それが、どれだけ一方的でも。その恋が報われなくても。

いくら辛くても。彼女が何をしていようとも。

僕じゃない誰かを愛していても。

僕が死のうとも。

愛したかった。愛されたかった。

醜くても愛したかった




嗚呼、欠落。


実は実話にフィクションを織り交ぜた話なので

途中、がばがばのとこありますがすいません。








実は、僕の実体験70%

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