第一話『黄金都市を継ぐ者2』
「何だ・・と?」
黄金の骸骨は千年以上無かった久方振りの驚愕を感じていた。
今際の際に『ィセクゥアイテンスゥイ』の術を使い懐かしき思い出たちと共に果てようとしてた。
そう魔力を使い果たし命も使い果たし成って果てるつもりでいた
しかし、何の間違いか目の前の空間からいきなり血だらけの男が降ってきたのだ。
それと呼応するように術は解除され魔力と命は未だ保たれたままである。
「如何した・・大丈夫か・・?」
咄嗟の事ではあったが黄金の骸骨はすぐさま動いた。
骸骨は血だらけの男に話し掛けるが男は唸るばかり、見る見る内に顔は青くなり息も浅くなる。
魔術で男の体を調べた。
骨は折れ内臓は幾つか破裂しており直ぐにでもその命は消える事は明白だった。
その怪我の要因が何か大きな物に凄まじい勢いでぶつかったのだろう事も分かったが今はそれは重要では無かった。
「黒き髪・・黒き瞳・・我が故郷ジパングの戦士と同じ姿だ・・」
それだけで骸骨にとっては救わないという選択肢は無くなっていた。
状況は限りなく不鮮明で事態は急を要する。
その中で骸骨は自分自身驚くほどに直ぐに行動を起こした。
自分の今際の際だと言うのに骸骨は男の体から丁寧に魂を抜き取る。
霧散していく男の命が消える前に新たな依代に入れる必要があった。
骸骨は躊躇なくソレに入れる事を決意する。
「はは・・若き人よ・・主は何処から来た誰かは分からんが・・どうか・・願わくば・・その生を輝かせて生きてくれ・・去らばだ・・若人よ!!」
それが黄金の骸骨の最期であった。
千と五百余年を生きた黄金の主であり唯一無二の魔術師でありそして伝説の黄金国ジパングの戦士は一人の人間を救ってその生の終幕を飾った。
一瞬だがその骸骨の表情に温かいものが在った事は本人も知らぬまま歴史へと埋もれて行くのであった。
「んんぐ・・ん?あれ?痛くない・・あれ俺今・・轢かれたよな・・」
黄金の骸骨が喋っている。
しかし、その声は先程までの弱弱しく古風な喋りでは無く若々しい喋り方に変わっていた。
黄金の骸骨は辺りを見渡す。
その行動は初めて来た場所でするソレであった。
すると視界の端に信じられない物が横たわっている。
「何で俺の体があるん?・・・え・・・へ・・?・・・オレ・・シンジャッタノ!!?」
黄金の骸骨は絶叫した。
そこには血みどろのスーツ姿の日本人男性の遺体が転がっていた。
腕や脚は面白おかしい方向に曲がっており何やら腹部も輪郭がおかしい。
そしてその顔。
その顔には既に生気は無く死人のソレだった。
瞳孔は開き生命体として終わりを迎えそしてもはや「物体」と化したその姿は一般人なら衝撃で叫ばずに入られなかっただろう。
若々しき黄金の骸骨の声が部屋の中に響き渡った。
続けて投稿してますが自分の文章が何か見づらく感じてしまいます。
うーん、段落とかかな?
良く分からないのでちょくちょく編集すると思いますが何卒宜しくお願い致します。
(・w・)つ旦 お目汚し失礼しました。




