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第一話『黄金都市を継ぐ者1』


「何という事だ・・此処まで・・此処まで来たと言うのに・・我が命は尽きるのか?」



髑髏が喋る。


黄金の髑髏。


その身体は全て黄金で出来ており精緻な芸術品のような細工が骸骨の腕や脚、体の到る処に施されておりまるで、神かでなければ悪魔のような様相だ。


「故郷を再建し・・同胞を探し・・人の身を捨てこのような機械人形の身にまで成り果てて・・延命したというのに・・何と神は残酷か・・」


骸骨は歩く。

そこは広大な地下空間。

全てが黄金で作られた地下の黄金都市であった。


黄金の宮殿を出て骸骨は何処かへと向かう。

その足取りは覚束なく、道の到る処に積まれた黄金の貨幣や装飾品や調度品と思わしき物が足に当たりガシャリと倒れる。


「魂の摩耗とは厄介だな・・まあ人の身では精々が数十年・・この機械人形に魂を移して延命して千と五百年・・それでも保った方であるか・・」


骸骨は黄金で出来た住居の前に立つ。

その住居は他の黄金の建物と比べると些か見劣りする大きさだがそれでも黄金には変わりなかった。

骸骨は懐かしさを込めた思いと共に扉を開けた。


驚くことにその住居の中は一切黄金が無かった。

床は木製で壁も石造り、まるでここだけ別世界のような違和感を与えてくる。

骸骨は中に入ると扉を閉じる。

部屋の中にはこれまた普通の使い古しの蝋燭がゆらゆらと灯りを零していた。


「懐かしき我が家よ・・寝る事も無くなり・・研究することも頭打ちとなり・・寄らなくなった我が懐かしき思いで達よ・・今戻った・・」


骸骨の声には何処か懐かしさとそして悲しみが含まれていた。

そんな時ふと骸骨の手が伸びる。

机の上の一冊の魔導書。


それは自分が師匠である魔導士から譲り受けた魔導書であった。

そして触らなくなって千と百年が経つ。

懐かしさと悲しさ・・それに口惜しさが混ざった視線を落とす。


「どうせ死ぬのなら・・後悔無く逝くとするか・・」


そう言うと黄金の骸骨は魔導書を開き読み上げる。

それは禁術。

魔力をただ消費するだけの出来損ない魔術。


それは『ィセクゥアイテンスゥイ』の魔術と呼ばれた。

その歴史は古く悪しき魔族を魔王と呼び種族間の戦争が頻繁で在った頃に作られたとされる。

誰でも使えるが誰も使えない術と呼ばれた。

使用しても何も起きず魔力が消費される。

そして消費された魔力が何処に行っているのかは誰も分からない。


伝承ではそれで強き戦士を使役出来たという話もあるが誰もその真相を知らなかった。

師匠であった魔導士もそれを解明できず、ただの出来損ない魔術という見解を持っていた。

黄金の骸骨もまた人の身であった頃には幾度となく試し魔力を無意味に失ったのを覚えている。


だからこそただの戯れ。


懐かしき思い出に浸るための儀式。


今際の際のほんの出来心であった。


「はは・・懐かしい・・魔力がどんどん消費されていく・・」


人の身の頃とは比べ物にはならない夥しい量の魔力。

しかしそれがどんどん消費されていく。

今や師匠であった魔導士も大きく超えるその魔力がみるみる消える。

そして黄金の骸骨はそのまま魔力を消費しきり果てるつもりだった。


「ああ・・最後に会いたかった・・我が友に・・我が知己に・・我が同郷の同胞達に・・」


黄金の骸骨の目から命の火が消えつつあった。

そして骸骨は口走る。


「黄金の国・・ジパング・・その戦士よ永遠なれ・・!!」


そう口走った瞬間だった。

魔力の消費はピタリと止まり空間が歪んだ。

そして空間の歪の中から何かが飛び出てきた。


「がっ・・ああ・・ぐぅぅ・・」


飛び出てきたのは血だらけの男だった。



中々、小説の投稿の仕方がイマイチ分かりません。

それでも多少ごちゃ付きながらも投稿していければと思います。


(・w・)つ旦 お目汚し失礼しました。


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