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バッドエンドシリーズ

泡にならなかったキミ

作者: sakia

彼女は泣いていた。

人魚姫はなぜ、泡になって消えてしまう

そんな悲しい終わり方しかないのかと。

「だから私は人魚姫に幸せになって欲しかったの。」


彼女の手には破かれた絵本。

千切られたページには、何が書いてあるのかも

分かりかねるような、拙い絵で綴られた、新しい物語。


彼女の手によって生まれ変わったそれは、

王子に気持ちが通じ、泡になることなく

城で暮らす、幸せな"人魚姫"だった。


「とても素敵だと思うよ。」

彼女は頬を染め、微笑んだ。

僕には見つめることができなかった。


次の日、彼女はいなくなった。

彼女がいた水辺には、

破かれたページがあるだけ。


彼女の絵本の中の人魚姫は、

お城で王子と幸せになれたのに。



泡になれなかったキミは、

城の水槽で孤独を生きる。


これは最高のバッドエンドだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 詩的な言葉遣いが胸にグッときました!凄いです! ラストは少し悲しいですね。でもそこがまた素敵です。 [一言] これからも執筆頑張って下さい!
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