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プロローグ 



--はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。



かおながれるあせにもめず、一心不乱いっしんふらん少女しょうじょもりける。少女しょうじょがすためにみずからを犠牲ぎせいにした一人ひとり騎士きしためにも、状況じょうきょう打破だはするかぎもとめて。



--このもりけたさき魔術師まじゅつしさんが・・・っ!



あしがもう限界げんかいなのか、あしがもつれてたおれこんでしまう。



--ごめんなさい・・・ハルベルト・・・わたくしはもう・・・



元来がんらい少女しょうじょ身体からだつよほうではなく、華奢きゃしゃ身体からだ広大こうだいもりやすみなくはしつづけていたのだ。とうにスタミナは限界げんかいむかえていたのだが、それでもここまではしつづけられていたのは騎士きしとの約束やくそくがあったからだろう。



「どうしたの、きみ



少女しょうじょうすれゆく意識いしきなかひとこえいた。



◇ ◇ ◇ ◇



--あれ・・・わたくしは・・・



少女しょうじょますと見慣みなれぬ部屋へやにいた。どうやらベッドでねむっていたようだ。

まわりを見渡みわたすと、ベッドのほかにはむずかしそうなほんまった本棚ほんだなしかない簡素かんそ個室こしつだった。

時折ときおりとびらこうからガチャガチャとしたおとこえてきたり、会話かいわのようなものがこえたりしていた。

になった少女しょうじょはベッドからがり、おそおそとびらをかけた。



「そこにいてあるあかいやつって」

「あいよ。てか、今度こんどなにしようとしとんねん」

「ん?結界けっかいよわまってきてるみたいだからあたらしいわなでもつくろうかな~とね。ちなみにこれはれたものをくす地雷式じらいしきね」

もりくすはあかんやろ」



とびらこうではゆかきそうなほどながあおかみ女性じょせい椅子いすすわってしゃべっていた。

その女性じょせい少女しょうじょ気付きづき、作業さぎょうめて少女しょうじょほうなおす。



「おじょうちゃん、目覚めざめたかい。疲労ひろうしてたみたいだから一応いちおう手当てあてはしておいたけど、まだ安静あんせいにしておいたほうがいいよ。」

「あ、はい。大丈夫だいじょうぶです。えっと、たすけていただいたようでありがとうございます。」

べつにいいよ、そういうのは。」

「あの・・・さっきだれかとはなしていたようにおもえたのですが・・・?」



少女しょうじょあたりを見渡みわたすが女性じょせいほかにはだれ見当みあたらない。あるものといえば、つくえかれたいろとりどりのいし分厚ぶあつほんへんかたちのぬいぐるみぐらい・・・



「まいど」



----っ!?



少女しょうじょがぬいぐるみをていると、突然とつぜんぬいぐるみがうご少女しょうじょはなしかけてきたのだ。

それにたいして少女しょうじょいきをのんだ。



「いやぁ、こういうリアクションも久々《ひさびさ》やなー」

「あ、これのことはにしなくていいよ。そういえばおじょうちゃん、なんであんなところにたおれてたの?」

「あの・・・それは・・・」



少女は事情じじょうもり目的もくてき女性じょせいはなした。



◇ ◇ ◇ ◇



「それでもりにいるとされる大魔術師様だいまじゅつしさまたすけをもとめてきたと」

「はい・・・(大魔術師様だいまじゅつしさまってったかな?)」

「よかったねー、それアタシだわ」

本当ほんとうですか!?」

「でもねー、そういう相手あいて正直しょうじき苦手にがてなのよねー」

「え・・・」



魔術師まじゅつしだるげな反応はんのう少女しょうじょとしそうになるのをて、魔術師まじゅつしつづきをべる。



「いやべつことわるってってるわけじゃないのよ。ただ一人ひとりでするには厄介やっかいだなぁっておもっただけで」

「あの、わたくし出来できることはお手伝てつだいするので」

「うーん、それでも出来できることあんまりわらないような・・・」



魔術師まじゅつしはしばらくかんがんだあと、アレするかぁ、とつぶやきながらがりいえそとへとあるす。

それにつられ、少女しょうじょ魔術師まじゅつしあとってそとかう。



「おじょうちゃん、異世界いせかいってしんじる?」

異世界いせかい・・・ですか?興味きょうみはありますけど・・・本当ほんとう存在そんざいするんですか?」

「するよ。昔、こことはちが文明ぶんめいきず世界せかいから異界人いかいじん召喚しょうかんされたことがあったらしいよ。それで異世界いせかい存在そんざい証明しょうめいされたんだけど・・・その召喚術しょうかんじゅつ侵略しんりゃく危機ききかんじたいろんなくにのおえらいさんがたはそのじゅつ禁止きんしし、そのときばれた異界人いかいじんはその召喚しょうかん事故じこ副産物ふくさんぶつであったためにかえることが出来できなかったんだけどね。まぁわすれられた歴史れきしだからこのことをってるひとほとんどいないだろうけど」

「・・・・・」



魔術師まじゅつしはなしいて自分じぶんたちがおこなおうとしていることをかんった少女しょうじょかえりたくてもかえれない異界人いかいじん同情どうじょう言葉ことばうしなった。



「よしできたっと。まぁ安心あんしんなさい。アタシをだれだとおもってるのよ。あとのこともかんがえずにやろうとしないわよ。」



はなしながらも道具どうぐ用意よういし、地面じめん魔法陣まほうじんえがき、準備じゅんびすすめていた魔術師まじゅつしつぎ段階だんかいかろうとしていた。魔法陣まほうじん青白あおじろひかし、周囲しゅういひかりちる。



「そうそう、アタシはとびらひらくけどびかけはきみまかすよ。ちからになってくれるひとるかどうかはきみ次第しだい

「は、はい。頑張がんばります・・・。」

「それじゃあ・・・いくよ!」



周囲しゅういちていたひかり二人ふたりつつみ、一筋ひとすじはしらとなっててんつらぬいた。まるで世界せかいからやぶるように。




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