表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハナコトバ  作者: 結汝
3/3

白き花散る時に

ねぇ、ねぇ赤薔薇姉様。黄薔薇姉様。

私達いつになったらお外にでれるの?


そうね、白薔薇。近いうちに私達はお外に行くわね。

そうね、きっと遠くないうちに私達2人はあなたと離れるわ。


どうして離れてしまわれるの?


だってほら。私の眼帯を巻いているでしょう?赤薔薇姉様はお年を召されているわ。

だから・・・


分からない!どうして離れでしまわれるんです!?


白薔薇。あなたはまだまだ若々しい

それに比べ私達は歳をとり、怪我をしている

この人生に満足したのよ。

だから外で散って行くの

でもあなたは違う。もっと違う道があるはずだから・・・生きなさい


すっと赤薔薇姉様は箱の外に出て行った。


白薔薇に幸福があらんことを・・・・

そう言って黄薔薇姉様も外に出て行った

2人の姉様は外に言ってしまわれた。

あれから数日

私を含め色々な仲間が箱の外に出された

長い髪を切りそろえられ、かすみ草やカーネーションと一緒に紐でくるめられ綺麗なレースに包まれる


私と同じ真っ白のレースに


みんなで仲良く話しながらコトコト揺られ遠くに運ばれる

そして私は真っ白な手袋に強く握られ覚醒する

握る手は少し緊張していて熱帯びている

ああ、きっとあと少し。

胸の高鳴りを感じながら鐘の音と共に人の温もりが離れ、大空に投げ出される

風に顔を打ち付けながら、鳥達に挨拶されながらクルクルまわる。

降下しながらまわる世界で赤薔薇姉様と黄薔薇姉様のお顔が浮かぶ


グシャッ

仲間の声が遠ざかり、散らした涙が弧を描いて地面に落ちる


白薔薇、白薔薇

よく来たわね?


黄薔薇姉様・・・


白薔薇元気だった?


赤薔薇姉様・・・

お2人こそお元気でしたか?


ええ、もちろん。


お2人に会えてよかった


何言っているの?

これからずっと一緒なのに・・


えっ?

本当にですか?


うん。本当によ


さぁ行きましょう

風になびいて白い花びらが空に舞う


かの人は心からの尊敬

そして恋の吐息、約束を守る花

読んでくださりありがとうございます!!


綺麗なものほど最後というのは何処か残酷で美しさのあるものです。貴方は使えない、美しくないものを切り捨ててはいませんか?切り捨てられたものは帰ることなく散って逝く運命にあること。それは人も花も同じだとお忘れなきように


感想・誤字の指摘お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ