気がかり
さすがに初日から訓練とはいえ内容が内容だった為に今回残った俺たち四人はリン隊長から帰宅を言い渡された。
ーーー自宅ーーー
「ただいま」
家の玄関をくぐると今日の疲れがどっと押し寄せた。
「「「おじゃまします」」」
そう、セレーネ、ヴェルツ、アキスも我が家へ来たのだ。親睦も兼ねて、我が家でご飯でもどうですか?と帰りにアリエスが誘った。
普通俺から誘うものだろうが、妹も初めて城へ入り、興味を持ったのだろう。
「適当にくつろいでてくれ」
俺がそう言うとセレーネとアキスはソファに遠慮しがちに腰をかける。
もちろんヴェルツは慣れているせいか言う前に勝手にくつろいでいた。
「そういえばアキスとヴェルは森で俺と別れた後なにしてたんだ?」
おれは気がかりだった2人の行動に質問を投げた。
「死体?」
アリエスは俺が森で死体を見た時の顔をした。
セレーネはあの時、死体を見たせいか気が動転しどう帰ってこれたのかもあまり記憶になく、そんなことがあったんだと呟いた。
ヴェルはアキスから話してくれと言いアキスが説明した。
「さっき森で二人組の男が倒れていたと思うんです。血まみれで、ただあれはリン隊長の言う通り偽物だったと言ってましたが、目玉を取られていたんです。あの死体には、なんでわざわざ作り物の死体に目の玉だけ取られているように見せたのかが気がかりなんです」
フラッシュバックの様にリオスは、そういえば確かにあの時あの2人の死体には目玉を取られた後があった。
「そう、それにまだこの王国騎士にはまだ裏切り者がいると俺は踏んでいるあのリン隊長は特に何かを知っている。それに国王殺しの件は俺とアキスは知っていたんだ既にな、そしてその前国王も目の玉をえぐり取られていたんだ」
ヴェルもアキスに続けて話し始める。
「だから、僕達は森に少し残り何か手掛かりがないかを探していたんです。なにも見つかりませんでしたけど、それに前国王の息子なんです僕は」
「えー!なんでそんなこと黙ってたんだよ!そこ一番重要じゃないか」
「なるほど、どこかでみたような、。」
セレーネが少し呟いてた気がしたが、それより前国王の息子が自宅にいる事の方が大きかったせいか気にしなかった。
「ん?でも待てもう一つ気になる事がある。なんで2人共いきなりペア組んだんだ?俺あの時セレーネ居なかったら本当に孤独だったぞ!」
「確かに2人共話してる限り知り合い以上の関係なのは見てわかるわね」
「そうか、アイリにもリオにも話した事なかったな、俺はあの前国王を殺した、弟の息子なんだ」
正直この会話には驚かされてばかりな俺とセレーネとアイリはここまで来ると、とてつもなく大変な事になって来たんだと確信した。