白髪男
確かにそこにいたのは、自分達と同じ服を着た男二人組だ。
地面にぐったりと倒れ、血まみれになっている。
様子から見ても死んでいた。
ただ、不可解な事に2人共目の玉をえぐり取られていた。
「ねぇ、私達の同期の中にいたよね?この2人、」
いかにもセレーネは人の死体を初めて見る様な顔をしていた。
「出よう!この森から!魔物も目標数は倒してるから」
セレーネの状態も危ういと察しセレーネの手を取り急いで元来た道を走る。
「おい!リオス!!」
聴き覚えのある声が後ろのほうから聞こえた。
振り向くとヴェルとペアの白髪の男が立っていた。
「おい!早くこの森を出ろ!一回避難したほうが良い」
俺はすかさずヴェルに促す。
「まさか、見たのか?」
ヴェルは真剣な表情になり、その言葉は同時に俺とセレーネを疑惑へと誘う。
「おい、まさか、お前らが、、ヴェルツ!」
「ふざけんな!何年の付き合いだと思ってんだ!俺が聞いたのは、あいつらを殺した犯人を見たのかって聞いてるんだよ」
疑った俺らにヴェルツは強く反論し言い返してきた。
「じゃあ、ヴェルはその犯人を探してるってことか?」
親友を少し疑ってしまい罪悪感が残るも、ヴェルツが犯人じゃなかったとゆう安心がリオスの心を落ち着かせた。
「そうだ、リオス悪いが先にリン隊長に報告してきてくれその子も具合が悪そうだ」
ヴェルツは俺の隣にいるセレーネを気遣って言った。
「そうだな、けどヴェルはどうすんだよ!ヴェル達も一回リン隊長の所に戻った方がいいぞ!」
「いや、俺にはアキスがいるから何とかなる」
ヴェルツは隣にいた白髪男に肩に手を置き俺に言う。
「リオスさん。挨拶が遅れました、アキス・ユーベルトと言います。ヴェルツさんからリオスさんの事は少し聞いてます、あとこの件少し気になることがあって」
「とりあえず俺たちはもう少しここに残るって事だ、だから早くその彼女をリオの家で安静にさせてやれ」
この時俺は2人の姓が一緒なのを気付かず今はセレーネを安全な所に送る事に頭がいっていた。
「わかってるって、でも2人共気をつけろよ!」
そう言い放ち、俺は森をセレーネと駆け抜けた。