ペア決定
「まさかヴェルが断るとは、俺以外にこーゆうの苦手なんだよなぁ」
頭を抱えて悩んでいると、次から次へと組は成立しリン隊長から仕事を言い渡された者たちは部屋を出て行く、その中にヴェルツと白髪の男が出て行った。
そんな中まだ席を立つ事すら出来ずペアを誰にするか悩んでいた。
トントン
「ねぇ?あなたペア居ないの?」
後ろから肩を叩かれ、綺麗な声をした女性が俺に話しかけてきた。
振り向くとポニーテールの髪型をした、同い年くらいの女性が立っていた。
「あ、うん。親友と組むつもりだったんだけど他に組みたいやつがいたみたいでさ」
少し暗い雰囲気を醸し出してしまう。
「じゃあ私と組もうよ!周りはみんな知り合い同士みたいでさ、周り見ると貴方だけがボーッとしてたから声掛けちゃった」
「良かったぁ。こーゆうのどうも苦手で。助かったよ、俺でよければよろしくお願いします」
少し照れを隠しながらお礼を言った。
「そこの二人がペアで良いのか?他の奴らは全員出て行ったが」
リン隊長に言われて気付くと部屋には俺と話しかけてくれた彼女だけが取り残されていた。
「決まりましたよ!この彼と」
彼女は俺の腕をとりリン隊長に言う。
‥‥おいおい、彼女かい!‥‥
一瞬心の中でツッコミをしてしまうリオス。
リン隊長は少し俺の顔をニヤっと見ながら話を始める。
「よし、では内容の説明に入る
まずお前達2人には他の組と同様に街の東にある森へと行ってもらう。
知っての通り最近モンスターの繁殖が多くてな住民の森への移動制限が掛かっている。
そこで我ら騎士隊は森の移動範囲拡大に向け、魔物討伐をしているんだがこれをお前達にもやってもらう。
まあ戦闘訓練はここに来る前にある程度の指導を受けたから大丈夫だろう。
目標としては魔物を15体程討伐してこい」
「「はい!!」」
「いい返事だ。期待してるぞ」
そして俺たち2人は王国騎士としての最初の仕事を果たすため東の森へと向かった。
「中々、運命を感じるじゃないか。まさかこの国あの2人がいたとはな、、、」
2人を懐かしそうな目で見送ったリンは1人呟いていた。