無理難題の解決法
世の中には正解の出せない問題がある。
その中の一つにケーニヒスベルクの七つの橋というものがある。
ケーニヒスベルク(現カリーニングラード)にある七つの橋を二度通ること無く、全て通ることができるかという問いである。
この難問に多くの者が挑戦しては敗れていった。
そして後世、かの有名な数学者レオンハルト・オイラーによって、これは不可能であると証明した。
……にもかかわらず、新たにこれに挑もうという愚者が一人。
「二度通ることなく全部渡るのは不可能だって? そんな常識、俺が覆してやる」
そう言って、彼がおもむろに取り出したのはダイナマイトだった。
彼は何を思ったのか、橋の一つを爆破したのである。
彼の挑戦を見物していた学者たちはこの暴挙に大量の罵声を浴びせる。
しかし、当の本人は黙って歩き出す。
そして、同じ橋を通ること無く、全ての橋を渡り切ったのである。
学者たちは目の前の光景に言葉を失った。
橋を渡った彼は言う。
「渡れないなら渡れるようにすればいい」
学者たちは目から鱗が落ちた。
また、のちに彼はエッセイでこう述べている。
「俺は式が不変の物だという固定観念を取り去っただけだ。問題が解けないのなら解けるようにしてやればいい」
――そして、現代。
人は論戦で不利になると、論点をすり替えるのである。




