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誘い

着替えが終わった後、ふくれっ面の燐那を連れ俺達はカフェテラスに来ていた。

向かい側では燐那が少しふくれっ面でシェイクを飲んでいた。俺はというと燐那からは真っ黒な液体と言われたブラックコーヒーを飲んでいた。

「よくそんな真っ黒い物が飲めますね。」

「何時まで怒ってんだよ、つーか元はと言えばお前が池に落ちたのが原因だろうが。」

むぐ、っと黙る燐那をおいておいて俺はコーヒーを飲んでいた。

何故燐那は若干切れているかと言うと、俺達の高校は割と育ちのいい奴らが通う学校なので三限目が始まる前には校門が閉まってしまうのだ。転校して直ぐに遅刻で学校に入れてもらえないと言うのがよほどショックだったのか、今にいたるまで俺に八つ当たりをしていたのだ。

「つかお前何時まで敬語で話す気だ?いい加減砕けてもいいだろ。」

しゃべり方とかからして割といいところの子なのは察しがついていたが、ずっと敬語で話されると流石に居心地が悪い。そう思って言ったのだが、

「何か不都合でもありますか?こっちの方が楽なので。」

「いやねぇけどよ・・・・」

通じ無かったみたいなので諦める。

まあそんなこんなで、俺らは早めの昼食を取っていた。

「色々払わせてしまってスイマセン。」

「あー?気にすんな、親はいい仕事してるから金には困って無いんだよ。」

「いい仕事?」

「まあ、財界人だしな。」

そう言ってコーヒーをすする俺と不思議そうな顔をする燐那。

「なら社交界とかに貴方も出るんですか?」

「俺がそう言う人間に見えるか?」

「見えないです。」

「即答だなオイ」

まあ俺はそう言うガラじゃ無い。それは分かるが即答されると流石に腹が立つ。

「だってどっちかと言うと貴方は荒くれ者じゃ無いですか」

「否定はしねーっつーかできねーけどよ・・・。もうちょっと言い方って物がねーのかよ・・・・・。」

そう言いつつ俺はコーヒーを飲む。空になったカップを捨てて戻ってくると燐那もちょうどシェイクを飲み終わった所だった。燐那がシェイクの容器を捨ててくるのを待って、俺は燐那にこれからどうするかを聞いてみたが、まあ予想通り何も考えていなかった。

「いつもなら学校に行っていますから、平日の昼間に動き回ったのは久しぶりです。」

「マジかよ・・・・、サボろうとか思わねぇの?」

「普通は思いませんよ。」

何この模範生は。学生の鏡じゃねえか

「いいとこの息子だとは思ってたけどまさかここまでとはな。」

「まあそこそこ、親も職業上のメンツとかもありますので。」

メンツと来たか。俺は仕送りだけするからあんまりお前が我らの息子であることを公言しないでくれ。とは言われたが、礼儀正しくなんてことは求められなかったな、とか下らんことを俺は考えていた。

「そういえば今どこに向かっているのですか?」

「ん?何も考えてないけどとりあえずゲーセンかな。」

「ゲーセン・・・・・ですか・・・・。」

俺はこいつの反応をみて不振に思った。こいつは良いとこの坊ちゃんっぽいが、ゲーセンくらいは知ってる物だと思うが・・・・

「まさかお前ゲーセンって何か分からない。って事は無いよな。」

「そ、そんなこと無いですよ!名前くらい知ってます!!」

「つまり名前しか知らないって事だな。」

「~~~~!!」

顔を真っ赤にさせて睨んでくる燐那。こいつ案外チョロいな、と思った瞬間でもあるのだが。

「まあいいか。入れば分かるだろ。」

「昼間っからゲームとかどうなんですか?」

「誰かさんが落っこちなきゃ、こんなところでゲームなんてして無えよ。」

反論しようとする燐那を無視して俺はゲーセンに入ろうとしたが、

「昼間っからゲーセン通いか、いいご身分だな牙」

聞き覚えのある懐かしい声にして二度と聞きたく無かった声でもある、低い声がした。

「兄貴を呼び捨てにしてんじゃ無えよ、最低限の礼儀すら知らねえのかクソガキが。」

「フン、金だけむしり取って呑気に家を出て暮らしてるクズに払う礼儀など無いわ。」

相変わらず可愛げの無いインテリちゃんだなコイツは、と思っていると燐那が

「この人誰ですか?て言うか話に付いていけないんですが」

「これは失礼、マドモアゼル。しかし何分こちらの話ですので。」

「何言ってるのか分からないけど私は女じゃ無いです。あと凄い気持ち悪いんで普通に喋って貰えますか?」

盾也の顔を見てみるとおもしろいぐらい引いていた。ま、社交界とかのお偉いさんの前での話し方が身についてるから仕方のないことかもしれないが、それにしても盾也の顔は見物だった。

「フ、フン。まあいい、女性だと間違えた失礼はお詫びしよう。しかしこちらの話になるので部外者は口を挟まないでいただこう。」

「俺としてはお前と話すことは何もねえし俺としてはさっさとゲームして帰りたいんだけど?」

「俺とて貴様と話すことなど無いわ、しかし俺とて伝言を伝え忘れるほど馬鹿ではない。」

「自分の欠点を自覚するのは良いことだと思うがよ、その伝言とやらは誰からなんだよ。」

「我がお父様からさ、貴様を夕食に招待したいとのことだ。」

俺は伝言だけ聞くと盾也に背を向け、返事を返した。

「断るってだけ伝えとけ。」

「そうもいかん。これは重要な事でもあるのだ。貴様にお見合いの話が来ているのだ。」

「はあ?見合いだぁ?どこの馬鹿がそんな話を持って来やがったんだよ。」

「相手のお嬢様だ。どこで調べたのか貴様のことを調べて婿によこせと行ってきた。」

んな面倒な話を俺の親父が受けるとは思えなかったんだが、こいつの物言いからして裏があるのは間違いなかった。

「わかった。要するに俺が断りに行けば良いわけだ。」

「そう言うことだ。今夜7時だ。遅れるなよ。」

「了解。」

それだけ言うと盾也は帰っていった。どうやら本当にそれだけを言いに来たらしい、暇な奴だ。

「悪い燐那、俺は帰るわ。どうやら面倒なことになったみたいだし。」

「あ、はい。お気をつけて。」

さーて、また面倒なことをあの馬鹿共は持ってきたらしい。しかしまあ俺を指名してきた奴も久しぶりだ。どんな愉快な馬鹿は顔くらいは見てやろうと思いながら俺は家に帰った。

お久しぶりです。久々の投稿なのでいろいろと詰め込んでしまいましたw

投稿ペース・・・・あげていきたいですねww

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