出会い
学校。
この世で最もかったるい場所。そのくらいの印象の場所になんでこうも俺は足繁く通っているんだろうか。まあせっかく入った良いとこの高校だし、まだ今月分の学費を払ったばかりだから。と言うのが正しいのかもしれない。それでも授業なんてまともに出たこともないし、最低限単位が取れるようなギリギリの成績でとどまっているに過ぎない。退学しろと言われたらさっさと出て行けるレベルでどうでもいい。
「つーか遅刻確定じゃねーか・・・・・・面倒だなオイ。」
遅刻しそうなのにもかかわらずのんびり歩いているこの男はいわゆる不良である。本人も自覚はしているのか周りから不良呼ばわりされようが気にもしていない。
「あー、良い天気だなぁ・・・・・・。良い天気過ぎて逆に嫌だわ・・・・・・。」
8月も後半もう夏も終わりの頃だと言うのに熱い。とにかく今日は異常なまでに暑かった。完全なる猛暑日である。
「学校には着いたが・・・・・・時間的には2限終わった後の休み時間ってところか。運がよけりゃあ何事もなく教室には入れるな。」
校舎内に入り予想どおり何事もなく教室に入り自分の机に座る。
「なあ狼牙、転校生来たってしってるか?」
こいつは俺の友人で凜。女っぽい名前だがれっきとした男である。
いわゆるインテリ系の爽やかイケメンと言う奴だ。口を開けば残念な奴だが。
「いや知らん。つかHR出てないんだから分かるわけ無いだろうが。」
あーそうだっけかなどとうなずく友人の話を軽く聞き流していると、噂の転校生が入ってきたらしく。クラス中がざわついてきた。
「来たぜ。かわいこちゃんが。」
「かわいこちゃん?女か?」
「あのなあ、狼牙。男子校なんだから女子が来るわけ無いだろ!」
いや今年から男女共学だぞ。と心の中で突っ込みを入れておくが、確かに今年からそうだからと言っても、すでに二年生の俺たちには確かに関係ない。そして転校生が見えたとき、かわいこちゃんと言われるのも納得できる気がした。顔立ちは中性的で、どちらかというと女子に近い。体つきも華奢で細いし、ぱっと見だけなら女子にも見える。ショートカットのボーイッシュ女子ってこういう奴のことを言うんだろうな、男だけど、などと思っていると凜が隣に来て、
「な、驚いたろ?」
「よくこんなむさい所に来る気になったモンだ。その気になりゃあモデルかなんかで働き口があったろうに。」
お前が言うな。と苦笑された気もするが無視しておく。
「まあそうだよな。まあでも、転校って事だし、なんか理由があるんじゃねえの?」
「だろうな」
まあ俺には興味ない。次の時間も、学年が新しくなったからクラスの委員決めとかそんなんだった気がする。となると俺に出る義理は無く。屋上で本でも読んでいようという思考に至って、屋上にいた。
「・・・・・・・・ ・・・・・・・・!」
「あん?」
俺を呼ぶ声に目が覚めた。どうやら寝てしまっていたらしく。俺を呼ぶ声は俺を起こそうとしていたやつの声だった。
「あー、誰だお前。」
「今日転校してきた日向燐那です。以後よろしく。」
そういや転校生だった。
「あー、転校生か。俺は吉良狼牙。で、何の用?」
「風紀委員として、あなたを授業に呼びに来たんですよ。」
こいつ風紀委員なのか。つーかお堅そうなやつだなオイ。
「だが断る。」
「え、ちょ」
「なんで出なきゃわりーんだよ。単位最低限取ってるからいいんだっつーの。」
「まさか本気に取ったんですか?周りを見て下さいよ。」
「あ?・・・・・・あー・・・・・・。」
周りを見ればもう夕焼け空だった。時計を見れば4時を回っていた。とうに下校時刻だった。
ポカーンとしている俺をみてそいつは笑っていた。
「だましやがったなテメエ・・・・・・」
「すいません。学園の暴虐狼と呼ばれているのがどんな人か気になったので。」
誰だ学園の暴虐狼とかどこの誰が名付けたか知らねえ二つ名をこいつに吹き込んだやつは。
「おいそれ誰に聞いた。」
「凜さんに」
あの野郎。明日あったらお礼参りだな。
「で、その狼に合った気分はどうよ?」
「割とかっこいいんですね。体育会系のイケメンとでも言いましょうか。」
「そいつぁ素敵なお世辞をありがとうよ。」
「お世辞じゃないんですけどね」
とりあえず帰ろう。
心の中でそう決め込んだ俺は帰り支度をして帰ろうとしているんだが。
「なんでついてくるよ。」
「家の場所が近いので」
納得した。いや、一つだけつっこもう。
「なんで俺の家知ってんだ?お前は」
「ずっと貴方の後をつけてましたから」
「恐っ!!ストーカーかテメエは!」
「嘘ですよ。凜さんから聞きました。」
あの野郎はマジで殺されたいらしい。まあ明日どんな顔で俺に土下座してくるかが楽しみだ。とりあえずどんなに土下座されても許す気は無いが、まあ今はとりあえずこいつをどうにかしないとな。
「お前家どこよ?」
「隣です。あなたの家の。」
よりによってお隣さんかよ。
「そうかよ。」
送っていってやろうかと思ったがやめた。家が隣なら面倒ごともないだろう。いや、それはそれであるかもしれないが。
「喋らないんですね。」
「そういうのを求めているんなら、別のやつを当たりな。それこそ凜とかそういうやつが適切なんじゃねえの?」
それっきり黙り込んだ。燐那のやつも声をかけるにかけれないようで黙って歩いていた。それから帰り道を歩く間に考えたのは、俺の家の隣に借家があったからこいつはそこに住んでいるんだろうなと言うことぐらいだった。
そいつの家に着いたときに家の前で母親が待っていた。楽しそうに母親と談笑する燐那を見てから、俺は家に戻った。隣から楽しそうに笑う声が聞こえてくる。俺の家はわりとでかい方だがその家に響くぐらいに声がする。俺の家が広いのか、それとも向こうが騒がしいのかは知らないが、とにかくうるさかった。その声を聞きながら、どうしても俺は昔を思い出してしまって、俺は広い家に一人でいるのがたまらなく寂しかった。
初めましての方は初めまして前の話を見られている方はお久しぶりです。
どうも紅い華です。前回に続きまた恋愛もので勝負っつーかなんつーかです。
まあ俺はどうやっても話ができず。結局駄作になっちゃう訳なんですが。
まあどうしようもないですね(笑)
さて久々に連載物を書いてみようかと思って・・・・・・いませんねごめんなさい。単純に短編にしようかと思いましたが話がまとまらず必要以上に長くなった結果ですごめんなさい。
読む方もだれますね。本当に申し訳ないorz
まあそんなこんなで書くに至った もう一度この場所で ですがまあ読んでいただけるとうれしい限りです。ではまた次の話で。