表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

第漆話 赤い雨と蜘蛛の糸…

ポタリ… ポタリ…


ん…?

何やら頭上より…

(しすく)(したた)り落ちてきおった

挿絵(By みてみん)


ぬ…?

雨が降ってきたか…?

いや…

この(ねば)り気のある(しずく)

暗がりに(かす)かに見えし赤き色

そして…鉄臭(てつくさ)(にお)

これは、まさしく()


カタカタカタ…


斬妖丸(ざんようまる)』よ

お主は感じるのだな…?

この頭上より(したた)り落ちし

赤い血の雨は

まさしく(あやかし)の起こせし仕業(しわざ)


むう?

あの大木(たいぼく)より張り出した大枝(おおえだ)

()るされし白き(しかばね)

うら若き娘の裸身か…?

何とも(あわ)れな…

()き通る様に白き(はだ)

紫色に変じた上

血に(まみ)れておる

(むご)い事を…


「むんっ!」

拙者は小柄(こづか)を投げ(はな)

娘の亡骸(なきがら)を枝に()るしし(つな)を断ち切った


落下して来た娘の遺体を

拙者は地上にて

しっかりと受け止めた


南無(なむ)…」


娘の身体に巻き付きし(つな)

(ねば)つく白き糸の(たば)…?


どうやら…

蜘蛛(くも)(あやかし)と見た


挿絵(By みてみん)


気を付けよ『斬妖丸』…

この夜の(とばり)の中

夜目(よめ)()く妖に有利…

拙者(せっしゃ)の目よりも

お前が頼りだ…


拙者は『斬妖丸』の(やいば)を抜き放ち

正眼(せいがん)に構えた


シュバッ!


突然

(やみ)の中より此方(こなた)飛来(ひらい)せし

一本の蜘蛛の糸…

拙者に()れる寸前に

『斬妖丸』が()って捨てた


敵が放ちし蜘蛛の糸か!

よくやったぞ『斬妖丸』

危うき所であった…

あの糸に(から)め取られたら

如何(いか)に拙者と言えど…


よし…

拙者はこれより目を(つむ)

どの道、この新月の夜陰(やいん)の中…

拙者の目は当てにはならぬ


『斬妖丸』よ

ヤツの居場所を探れ

その(ほう)が拙者の目となるのじゃ…


頼んだぞ…



*********



「そこかっ!」


拙者の投げた小柄(こづか)

風を切って飛んで行く


「ぎゃああああっ!」


(ごた)えあり…

『斬妖丸』の申す通り(はな)った小柄は

見事ヤツに突き立ったようだ


ふ…

ヤツの血の(にお)いだ

禍々(まがまが)しい人食い(あやかし)

(けが)らわしき血の匂い…

匂う、匂うぞ…

これで拙者にも

ヤツの正確な位置が(つか)める


妖よ… 聞くがよい

その小柄(こづか)の切っ先には

妖怪や鬼にのみ()き目のある

ありがたい毒が()ってある

人の身には何でもないが

貴様らにとっては(しび)れ薬となる


間もなく貴様は

身体が痺れて来よう

もう(のが)れる事は(かな)わぬと思え


貴様に喰われし

罪もない犠牲者達の無念の(おも)

(おの)が身で思い知るがよい


今から貴様は…

迫りくる死の恐怖に(おび)えながら

自分が犯した罪の深さを

己自身(おのれじしん)で思い知るのだ


あの…若くして死んだ

娘御(むすめ)のためにも

楽には死なさん

貴様の八本有る脚を

一本ずつ(たた)き斬ってくれよう

貴様が得意の(なぶ)り殺しだ

もがき苦しみながら

じわりじわりと

死ぬるがよい…


行くぞ!

蜘蛛の妖よ、覚悟致せいっ!

ズバッ!


まずは、脚一本!

次、二本目っ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ