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嗚呼、暑い

作者: 稲星
掲載日:2026/01/08


「嗚他呼縲∵暑縺ィ」

意識が遠のく。視界がぼやける。

いつからか水面に惹かれるようになった。

何処に向かって歩いているのだろうか。

もうすぐ死んでしまうのだろうか。

これはもう自分の体なのか。

何もかも分からない。


ダメだ…体が痛む…殺してく…(グシャ)


「………!!!……!」

ぼやける視界の中に、苦痛から解放してくれた文明を見た。


「嗚呼、熱い」

もう、そろそろか。

ここから出ることが出来る。

水面に届くまで長かった。

この体も用済み…(グシャ)


「◯◯◯◯!!!◯◯◯◯◯◯◯!」

あと少しだったのに。


「嗚呼、暑い」

何度目だろうか。


「暑いって言うと暑くなるから、寒いって言おー!!」

「変わんねーって。笑」


後ろの学生がそんな事を言っている。

近年の暑さは凶器的になって、人を殺している。

頬を伝う汗が加速する。

早く家に帰りたい。

そんな事を思う信号待ち。


「……これは間違えるな…」

ハリガネムシが寄生したカマキリは、光るコンクリートと水面を間違える事があると言う。

それより先に暑さで死んでしまわないのだろ…

「お!青になった!行こうぜ!!」

「アイツらもう川着いてるってよ!」

「マジかよ!!!俺達も急ごうぜ!」


颯爽と駆け抜けて行った自転車の風を受け、感情が揺れた。

「川か…」

後ほど、ビショビショに濡れた彼らと再会出来るだろうか。


たった今、足元に生まれたカマキリの死骸に気付いたのは翌日だった。


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