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読者視点から考えるなろう系小説の問題点

作者: ゴンベエ・ナナシノ

 まずこの文は筆者の主観や憶測によって構成されているものであり、データに基づいたものではないことを記しておく。


 小説家になろうやカクヨムなどを読んでいるとどうしてもなろう系と呼ばれるような作品を多く目にする。これらの作品を読んでいると大体の作品において同じような違和感や主人公に感情移入ができないといったことを感じたためそれらに対してなぜそのようなことを感じるのかを言語化することにした。


 結論から言ってしまうとなろう系小説の多くは主人公が一体何を目標にして行動しているのかがわからないことが違和感を生んでいる原因だと考える。

 いやいや、追放系なんかはなろう系の典型だけれど元のパーティに復讐することが目的の場合がほとんどじゃん、と思う人もいると思う。しかし筆者が読んできたその作品群の多くは元の仲間に復讐することで物語を終えていることは稀でその後ハーレムを築きながら冒険を続けていくのがほとんど、主人公の目的が曖昧なまま作品が進んでいくことが多かった。異世界転移/転生では異世界で無双しハーレムを築くこと、VRMMOではゲームをプレイすることを目的としているが作品が始まった時点で目的を達成あるいは達成することができることが大半で、現代恋愛ものではひょんなことから美少女と仲良くなったことから物語がスタートしていくため主人公が目的を持っていないことが多かった。


 なぜ主人公に目標がないことが多いのかそれは作品を作る際に主人公に持たせる能力、あるいはこんなヒロインがいてくれたらいいなといった物語の第一話で説明するような設定を考えたり、いま流行っている設定が面白いからそれを元に作品をとりあえず書いて投稿してみるといったことが多いのだと思う。これは小説投稿サイトというものの手軽さのいいところではあると思うが今回の考えにおいては悪く働いたのだと思う。


 主人公に目標がないせいでなぜ感情移入ができないのかそれは主人公がなにをしたら話が終わるのかがわからないからである。

 そもそも物語は目標に関しておよそ三つに分類できると思う。それは

 1、大目標型

 2、中目標型

 3、無目標型

である。

 1、大目標型は主人公が一つの大きな目標をもってそれに向けて物語が進んでいく作品のことをを指し少年漫画に多い、漫画なら『ONEPIECE』や最近終わり方に物議を醸した『【推しの子】』、ライトノベルなら『ノーゲーム・ノーライフ』や小説家になろう発である『この素晴らしい世界に祝福を!』などが含まれる。いずれの作品も海賊王になることや復讐、神とゲームをする、魔王討伐などを物語序盤に掲示しているため話が寄り道したり多少長くなっても作品は目標に進むのだろうことが読者視点からすると汲み取れる。

 2、中目標型は物語を通して一つの目標があるわけではなく、章ごとに目標を掲げ話が進んでいく作品のことを指しライトノベルに多い、漫画なら『FAIRYTAIL』や『BLEACH』、ライトノベルなら『ソードアート・オンライン』などが含まれる。これらは章ごとに目標が異なるが目標がしっかりしており読者も主人公が目標に向けて動いていることがわかる。

 3、無目標型は基本的に特筆するような目標をもっていないあるいは目標を無視して読んでいても物語の面白さに大きな支障がない作品を指し、一話完結のギャグ漫画やミステリー作品、日常系作品などが含まれる。これらは読者からしても一話完結の作品であることから面白ければ、納得できるトリックならば癒されるならなど主人公に感情移入などをする必要性が薄い作品群で主人公が目標がなくても問題ない作品群と言っていいだろう。

 もちろん、分類として二つ以上に含まれる作品もあると思う、新一に戻ることを目標としながら基本的に各事件の推理をメインとする1、3に含まれる『名探偵コナン』などである。

 ここで、多くのなろう系がどれに分類されるかと考えると敢えていうなら2に分類されると思うが小説家になろうやカクヨムを読んでいてあまりそうは感じない、なぜなら編集などに通さず話ができた側から投稿することが可能なため各章ごとにプロットを定めていても作者のライブ感で章の長さが増え、章ボスを討伐すればとりあえず章終わりの目印ぐらいの印象を抱くことがあるからだ。各章ごとにどこまで膨れるかわからない、この作品は主人公が最終的になにをしたら終わりなのかわからないというのは読者としてはこの主人公はいったいどこへ向かっているのだろうこの主人公はなぜこの行動をしているのだろうといった主人公を理解するためのピースが足りない状態で話が進む。これは読者を作品への没入感から引き上げるには十分すぎる疑問点で自分が違和感を感じたものの正体だったと思う。


 長々と書き連ねてきたが結論は主人公の目標を序盤に掲示していればそれに対する必要な行動を読者は想像でき、今回自分が感じた違和感が少なくなると思うし作者としても作品を描きやすいと思う。


 お目汚し失礼致します

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