プチお見合いパーティ
12月上旬の土曜日。
陽が落ちてしばらく経った時間に結婚相談所へ向かうおじさん。
事務所での営業が終了してから会員を集めて、プチお見合いパーティを行うからだ。
開催時刻より10分早く集合して自己紹介カードに記入するのだが、その10分早い時間よりもさらに10分早く到着。
10分前集合が身に染み付いていた。
自己紹介カードには名前、血液型、出身地や所在地、仕事の内容に好きな食べ物、アピールポイントを書く欄があった。
裏面にはいくつかの趣味の項目があり、興味があればチェックを入れるものだった。
アピールポイントにめちゃくちゃ悩み、穏やかに過ごしたい的なことを記入。
今思えば好奇心旺盛なので相手の趣味も楽しみたいですのような共感できますアピールをするべきだったかもしれない。
記入が済むとイベントスタートで、自己紹介カードを相手と交換して10分間話す。
これを男性がブースを移動して6回行うというものだった。
詳しい相手の情報は記載できないけれど、アニメ・漫画・ゲーム趣味の人はいなかった。
相手のカードを元に会話するけれど、時間がなくてカードを埋められていない人相手にはめちゃくちゃ頑張って10分持たせた。
我ながらやり切ったと思う。
そうしてイベントは終わり、ホームページからイベントのページ経由で話した人に申し込みを行い、受理されたらサイトを経由してお話しできるという流れ。
おじさんには6人中3人から申し込みが来た。
WEBでの申し込みとは違い、トーク主体でやりとりするからか、とても良い成果だと思う。
しかし、おじさんも人間。
申し込まれても相手の容姿や趣味、自己紹介カードが埋められていないなどの時間を守れないというところから、どうしても受け入れられなかった。
1番盛り上がった人だけは受け入れて話をするようになったのだけど、向こうから申し込んできた割に話題の提供がなく、数回やりとりして止まってしまっている。
こちらから質問すれば長く続くのだろうけど、あまり意欲はない。
6人の中でピンときた人はいないからだ。
相談所の人曰く、数をこなさないとダメだからもう少し受け入れろと言われるけれど、望みがないのに受け入れるのもどうかと思う。
やりとりしているうちに惹かれる可能性もある。
それはわかる。
けれど結婚なんて大きなイベント、ある程度の要望は通したいじゃないか。
別に無茶な要望は出していない。
10代がいいとか20代前半がいいなんて思っていない。
おじさんが33だから同じぐらいか、30前後でオタク趣味に理解があり、小柄で、できればインドア趣味の人いいだけなのだ。
小柄重要。
小さいと可愛いし。
今も一つ上の方から申し込みがきていたけれど、惹かれない。
少し前は38の方から申し込みも来た。
今後はイベントを中心に活動しよう。
結婚はお互い妥協だといわれているけれど、妥協できる範囲はそれぞれ。
相談所の人の言いたいこともわからないではないけれど、今はまだ思いっきり妥協する時ではない。
とおじさんは考えている。