暗殺されかけた第3皇子の復讐譚、毒殺されそうになったので流石にキレました。邪魔をする奴は皆殺しにしてやります~後に虐殺帝と呼ばれる男の復讐劇~
沈む行く意識の中、私は過去の事を思い出しました。
私は過去に日本という国で大学という場所で勉強をしていた学徒だったようです、そして意識が沈んでいるのは今晩の食事に毒がしこまれていたからです。
死にそうになりながらも転生する時の神様との会話を思い出しました。
《若死にとかされると正直迷惑なのよね》
「ここは一体どこなのでしょう」
《ここは神界。あなたは死んだ。あなたは転生する。他に何か聞きたいことはある?》
「死んだのですか?」
《死んだは説明するの面倒なのでさっさと転生してくださし。転生得点で「健康な体」をあげるから頑張ってね。じゃあさようなら》
「ちょっとくらいはおはなしをおおおお」
落下感と共に意識を失いました。
そして今意識を取り戻しました。夕食に入っていた毒により昏睡状態になってしまっているようです。何とか生きているのは「健康な体」のお陰でしょうか、何とか意識を繋ぎとめているとガシャーンを窓ガラスを割り曲者が入ってきます。ガラスもただではないので普通に開けて入ってきてほしいものです、
「死ね。ブラスト」
そう言われて簡単に死ぬわけにはいかないので、あまり動かない体で応戦します。
次の瞬間には全ての刺客を斬り殺しました
「誰かいないのか!」
「はい、何の御用でしょう」
「この死体を片付けろ。それと毒が入ってない夕食を用意しろ」
私がこんなことになっているのは理由があります。
私が帝国の第3皇子であり唯一の正室から生まれた男子であるということです。側腹でしかない兄二人は私が生まれたことで継承権が下がりそうなので私を殺そうとしています。なんでこのような中途半端な情勢が続いているかというと皇帝である父が政治に興味がなく芸術にばかり興味を持った結果、皇位の継承順位についても興味をしめさないのです。その為後継者を誰にするかで宮廷内で闘争が起きてしまっています。
私は健康な体を利用し幼い頃から剣術や体術に槍や弓といった武芸全般を鍛えることが出来ました。そのおかげでこの様に刺客を楽に倒せているのですが、正直信用できる味方がいません。
正直前世の記憶を取り戻したところで意味がある気がしませんが、命を狙われる生活にも飽きてきたので、そろそろ何とかしたいと思います。
しかし底辺大学生でしかなかった私も、脳筋でしかなかった私も考えるのが苦手です。前世で例えると項羽や呂布みたいな感じです。取り敢えず私が毒で苦しんだのに平気な顔をしている毒見役は殺してしまいましょう。
筆頭執事が反対をしたのでついでに殺し、毒見役も殺し、適当な家人を毒見役に銘じて食事を待ちます。一向に食事が来ないので何故か問い詰めると、料理人が逃げ出したとのことでした、料理人には追っ手を出すとして、味は拘らないからメイドに料理を作らせることでようやく空腹を満たすことに成功しました。
お腹も膨れたことのでこれからの事を考えます。私に刺客を送ってきているのがどちらの兄なのかわかりません。証拠もありません。しかし、殺してしまえば関係ありません。
とりあえず二人の兄を殺してそれを目撃した相手も殺してしまえばいいという天啓を得たので皆殺しにすることに決めました。そうと決めたら体力を回復するためにもぐっすりと寝ることにします。
翌日、次男であるヘラストの離宮に来ました。入口で事前連絡が無いからと止められましたが関係ありません皆殺しです。
「第3皇子殿下ご乱心!」
失礼なことを言ったのでとりあえず殺すことにしました。殺しながら離宮を進むと逃げようとしているヘラストがいました。
「お前は何をやっているのかわかっているのか」
「暗殺がもう面倒なので、変わりに暗殺を昼にし返してみました」
「それはもはや暗殺ではない!」
「皆殺ししてしまえば暗殺と大差ないでしょう」
「貴様は頭がおかしくなったのではないのか」
「話すのも面倒なので死んでください」
私の投げた槍がヘラストに突き刺さりそのまま壁にぶつかり貼り付けになりました。
「暗殺を見られたので悪いけど皆殺しにします」
私の暗殺を見た人間はいなくなったので暗殺成功です。その後は自分の離宮に戻ってメイドが作った料理を食べてぐっすり寝ました。明日は長男の番です
ぐっすり寝た私はメイドの作った朝食を食べて長兄であるライギルの元に向かいます。
ライギルの離宮は物々しい警備がしかれていましたが、関係ないのと会話するのが面倒なので初手門番殺しで行きます、出会った敵を声を出す間もなく殺していくので邸内は静かなものです。私の離宮では誰かしらが私を殺そうと画策していて煩いので、こんなに静かな離宮は憧れます。
「ブラスト乱心したという話は本当のようだな」
「乱心?なんのことでしょうか」
「ヘラストに何をしたか忘れたのか、それにこの屋敷でも何をしている」
「何って国を割りかねない愚かな継承争いをしている帝国の敵を討っただけですが?」
「て、帝国の敵だと・・?」
「そりゃそうでしょう。父上が動かないので仕方ないので帝国の敵を討ち果たしているだけですよ」
「貴族たちが納得するとでも?」
「大人しく従うならば兄上達と組み国内に混乱を起こそうとしたことは不問にするつもりです。従わないなら討伐するだけですよ。まあ死ぬ人とこれ以上会話する必要はありません。大人しく死んでください」
長兄と次兄を殺したにもかかわらず、父上の政治への無関心は変わりませんでした。そおそも政治的に私の立場が弱いのは政略結婚で他国からきた母の実家が滅亡してしまっているからです。そのため後ろ盾がない母に味方する国内貴族もいなく国内貴族の支持が5:4:1という極端に私が不利な状況になりました。私を殺して1割の支持を奪い合うという状況だったわけです。しかし殺すことで支持が奪えるわけではありません。実際に私は支持を得ることが出来そうにありませんのでこれからが大変そうです。
私が思索にふけっている間にも暗殺は成功し続けて、 長兄の離宮からも人の気配が消えたので暗殺に成功しました。これによって帝国の継承争いは終わったのですが、別の争いが巻き起こるのは別の話です。