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はじまらないけどおわる。

作者: シナモンしゅがー

出会いの季節と呼ばれることの多い4月だけれど、その出会いが必ずしも良いものとは限らないところに一抹の不安を、しかしながら奇跡的で運命めいたものかもしれないという蜘蛛の糸ほどの期待を抱きながら僕は今日、中学校の入学式を迎える。

入学式という節目の行事で、特別な感情を持たないわけではないけれど、いつもと同じ1日に過ぎないのだから、いつもと同じ6時に起きて母の淹れてくれたコーヒーをすすりながらぼんやりと新聞に目を通す。もちろん、テレビ欄にしか興味はないが。

小学校とは違い中学からは制服というものがあり、毎日毎日違う服を着ていく面倒臭さから解放されるのはありがたいものである。僕の通う中学校は男子は学ラン、女子はセーラー服を着ることになっている。学ランに袖を通し鏡を見ると、なんだか制服に着られているかのようで気恥ずかしく思える。きっとそのうち背が伸びていい感じになるはずだろう、きっと。

7時15分に家を出ると外はは曇り気味の空模様で、春っぽさを感じさせる生暖かい風が頬を撫でる。どんなクラスなんだろうか、どんな先生が担任なのだろうか、部活は何部があるんだろうか、授業についていけるだろうか、テストで悪い点を取らないだろうかなど、今の段階では答えの出ないことを考えながら登校していると、ふいに身体が宙を舞った。どうやら 後ろ から 何 か 硬い も の が ぶつ か った よう で

…。


ここで僕の人生は終わりを告げた。

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