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第終話
檻と思われる籠の中から此方を伺う視線を感じる。
その瞳と目が合うと、おれは懐かしい感情が生まれた。
おれは、こいつらと、どこかであったことがある様な気がする。
今まで感じたことのない様な、それでいて心地よい気持ちになった。
ーー俺はこいつらを助けたい
見知らぬ大地に放り出され、初めて人間らしい感情が生まれた。
こいつらのためなら、おれは戦える。
こいつらもおれのためならば、死んでくれるだろう。
そう自己完結をし、檻の中の人間を犯そうとしたりしなかったりした。
ふぅ…。
その数年後、何だかんだで現代へと帰ったのであった。