大きな星と小さな友達
お友達登場です(^^)
さて、残された大きな星は大変悩みました。体が光るかどうかということは大きな星にとってはそれだけ重要な事だったのです。その間にも星の河では新しい星の子供が産まれます。
ゆーらゆーら、コツン
ゆーらゆーら、コツン
大きな星が星の河を眺めていると、どこからか小さな星の子供が、ゆーらゆーらと近づいて来ました。そうです。大きな星の友達の赤い星の子供です。
赤い星の子供は大きな星に話しかけます。
「おーい!大きな星!僕だよ、星の子供だよ!」
すると大きな星が答えます。
「やぁ、久しぶりだね。赤い星の子供」
「ふふふっ、覚えていてくれたんだね!」
「もちろんだよ! 忘れるはずがないよ!」
大きな星は元気の良い赤い星の子供の声を聞いて少し元気になります。
「それにしても、大きな星、僕は君が何か悩んでいるように見えてやって来たんだ。何か悩みごとでもあるのかい?」
「そうなんだ。実はね…」
大きな星は魔女とのできごとを全て話しました。
「ふむふむ、なるほど。つまり君の体が光るという夢を叶えるためには星の子供が必要で、その事を悩んでいるんだね」
「そうだよ。銀の石と夜の切れ端と朝の鳥はなんとか用意できそうなんだ。でも、……今回は諦めることにするよ」
大きな星はしょんぼりといいました。すると赤い星の子供がいいました。
「えっ! どうしてさ! 大きな星、ここで諦めたら、もう君の体が光るチャンスがなくなってしまうよ!」
「そうだけど、星の子供を薬にしてしまうなんて、やっぱり良くないよ。どんな星の子供だって薬になんてなりたがらないよ」
「そんな事ないよ! 少なくとも僕は君のためなら薬になってもいいよ! そりゃあ、ただの薬になるだけなら僕だって嫌だよ。だけど、君みたいに大きくて立派な星が光輝くための薬になるなら大歓迎さ!」
そう言うと、赤い星の子供はくるくると大きな星の周りを飛び回ります。
驚いたのは大きな星です。大きな星はそんな事はダメだといいましたが、小さな星はにこにことして、大丈夫だと繰返します。
「大きな星が光るなんて、とても素敵な事じゃないか! この星の河でも君ほど立派な星はいないからきっと人気者だよ! 薬の事は心配しないで!」
そう言うと、赤い星の子供はすーいとどこかへ行ってしまいました。