眞王様愉快な僕と旅をする。
いつも拙い文章を読んで頂きありがとうございます。
俺、【魔王】1、ホブゴブリン2、ゴブリン8、ロリサキュパス1の計12人は、ここから最西端の場所にあるロリサキュパスの領土へと向かうべく西へと歩みを進めた。
ただ黙々と目的地まで歩き続けていても仕方がないので、折角の良い機会なのでこの世界の事とか色々と聞きながら行こうと思う。
まぁ正直に言うと単に無言の空気に耐えられないだけなんだけどね俺が。
「なぁリリム、お前の領土に着くまでの間こうして歩いていくんだが、何人の領主の土地を通んなきゃいけないんだ?」
「ふむ。そうじゃなぁ~妾の領土まで一直線に向かうとしたら3人かのぅ。」
「そっか。因みに最初に通る領主ってどんな奴なんだ?」
「うん?今から向かう領土の領主かえ?はて?誰じゃったかのう?」
「おいっ!」
「冗談じゃよ~冗談。可愛い女の子の茶目っ気ではないかのぅ。そんな眉間に皺を寄せていると早く老けるぞえ?」
「煩いわっ!」
2人のやり取りを見ていたゴブリン達はただただ苦笑いをするばかりである。
「まぁ冗談はさておき、主様の先程の質問の答えじゃが・・・最初に通る領地の主はケット・シーじゃ。」
「ケット・シー?って確か妖精猫とか猫の王様とか言われているあのケット・シーか?」
「おぉ~流石は主様!博識じゃのう。その通りなのじゃ!あのデブ猫・・・ゴホンッ!これから向かう最初の領主は妖精猫のケット・シーなのじゃ。ただその・・・1つだけ問題があってのう。ア奴は中々がめつい所があって、はいわかりました。と言って簡単に通してくれるかどうか・・・。」
「今デブ猫って言ったよな?デブ猫って。」
「はて?何の事じゃ?主様の聞き間違いじゃないのかえ?」
「いやいや確かに言っただろ?まぁこの際その話は後で追及するとして、要するにこれから通る最初の領主はケット・シーで通るにしても一筋縄じゃいかないかもしれないって事だろ?」
「そうなのじゃ!それで?どうする?主様、このままケット・シーの領地を通って行くかえ?それとも遠回りになるがア奴の領地を避けて通るかえ?」
う~ん。俺は腕組みをし、歩きながら考えた。
寧ろ考える程の問題でもないんだが。真っ直ぐリリムの領地まで向かうしか選択肢が無いのだから。理由?そんなもの決まってるじゃないか!
ただでさえアイツの領地に着くまで1ヶ月は掛かるのにそれ以上の日数を掛けて歩きたく無い!
ただそれだけの理由だ!他に理由なんか無いやいっ!
「このまま真っ直ぐお前の領地まで向かうぞ。
妖精猫のケット・シーはお前の言い方だと交渉次第でどうにでもなるって事だろ?なら選択肢は1つしかない。妖精猫の領地を突っ切る!」
元の世界の企業戦士営業部所属の交渉術舐めんなよっ!いざとなったら俺の秘奥義が炸裂するぜ。
【土下座】って秘奥義がな!
俺達はリリムの領地へと向かう為、通り道である妖精猫のいる領地を目指した。
「なぁリリム、その妖精猫の領地までどの位掛かるんだ?」
「うん?そうじゃのう、ざっと見積もって1週間位かの?」
「全然先じゃねーかっ!!!」
俺のツッコミは雲1つ無い青空の下響き渡る。
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