眞王様自分の容姿にビビる。
グウゥゥ~キュルルルルゥ~。
俺の腹の虫が盛大な音を上げる。
「腹減ったなぁ~。そういえばコッチに来てからまだ何も口にしていないからなぁ。」
コッチに来てからした事といえば、召喚と徒歩と睡眠だけだ。睡眠に至っては丸一日寝てた位だ。無駄に。
「なぁ、タロウ君。」
「はい。何でございましょう?魔王様。」
「俺が寝落ちしてからお前達あれからずっと村の中を散策してたのか?」
「はい。左様でございます。今は散策を終え、各自魔王様の指示を待っている状態です。」
「あっ、そうなの?別に起こしてくれて良かったのに。」
「い、いえ!滅相もございません!魔王様の安眠を妨害するなどあってはなりません!」
「あっ、そう。(朝起こされたけどな。)」
まぁ良いや。取り合えず先ずは腹ごしらえが先だな。それと・・・服も着替えないとな。流石にスーツのままって訳にはいかんだろ。目立つし。
「なぁ。タロウ君、何か食べ物と水を用意してくれないか?」
「ハッ!畏まりました。魔王様。直ぐにご用意致します。」
暫くしてタロウが食べ物と飲み水を準備してくれた。食べ物は家の中のは既に腐っているか、カビが生えて食べれたもんじゃないから、付近の森から果物を取ってきてくれた。
飲み水は勿論井戸からだが、大丈夫なんか?これ。まぁ井戸水だから平気だろうが日本での水道水に慣れ親しんでいるこの俺のデリケートな腹は果たして耐えられるだろうか?
だが、此処は異世界そんな事四の五の言っている場合ではない。
「えぇい!ままよ!」
俺は出された井戸水を一気に飲み干した。
「んっ!?冷たくてうまーい!マジか!?こんなに冷たくて美味い水初めて飲んだわ!」
俺は井戸水の美味さに感動した。井戸水ってこんなに美味いんか!?嫌!待て!ただ単に俺の喉が渇き過ぎて美味いと感じているだけかも知れん。
まっ!そんな事どうでもいっか。美味い物は美味いって事で。
俺はその後、果物に手を付ける。
うまーっ!!!これも凄く甘くて美味い!!!
俺は出された果物をペロリと平らげた。
「はぁ~満足満腹。余は満足じゃ。」
「ハッ!お喜び戴き恐悦至極に存じます。」
タロウが膝を付き深々と頭を下げる。
「マジ美味かったわ~ありがとな。それと一々そんなに畏まらなくても良いぞ。」
「そ、そんな訳には参りません我等はあくまで魔王様の僕でございますれば・・・。」
「あぁはいはい。本当堅いな~。」
良しっ!腹ごしらえも済んだ事だし家の中を見て回って何か着替えが出来るか探すとするか。
俺は後を付いて来ようとするタロウ達をその場に止め家の中を見て回った。
「えぇっと・・・男物の服はっと・・・おっ!あったあった。ちょっとサイズがデカイかな?まぁ袖の裾とかは折ればいっか。」
俺は洋服箪笥の中から服を取りだし着替えた。
うん。どこからどう見ても村人1って感じだ。
似合い過ぎる自分が恐い。って・・・。
「アァ~ッ!!!」
俺の叫び声に反応してタロウ達ゴブリンがドタドタと俺の元へと駆けつける。
「どうしました!?魔王様!」
「マジかっ!?マジで若返ってるんだけど?」
俺は着替えた際ふと何気なしに置いてある鏡を見て自分の姿に驚き叫び声を上げてしまった。
「何?この肌スベスベモチモチなんですけど?それに髭だって濃くないし、何より疲れた顔してない。ハァ~異世界万歳。」
俺は此処へ来て初めて感謝した。って女子か!
さてこれからどうしようか・・・?
全くノープランなんですけど?
誰か教えて下さい。