眞王様召喚する。
俺はだだっ広い草原を歩いていた。
はあぁぁ。全く人に会わないし、道も見当たらないし本当ここ何処?完全迷子の子みたいじゃねーか・・・。
ガァーッ!もう嫌だっ!お家帰りたい・・・。
一通りいじけた後俺は、まだ見ていないステータス画面がある事に気が付いた。
そういえば・・・この召喚ポイント(1000)
って何なんだ?
俺はステータス画面にある召喚ポイントを押してみた。
【説明】
魔王の能力の1つである召喚が使用出来る。
魔物を召喚し、使役する事が出来る。
尚、魔物の種類毎にコストが設定されており、希少な魔物程掛かるコストが大きい。
1度召喚し、使役した魔物は如何なる理由に関係なく戻す事は不可能である。
召喚ポイントは魔王のLv及び成果によりポイントが換算される。
召喚を使用する場合、良く考えて召喚しましょう♪
何じゃそりゃあぁぁぁっ!!!
召喚!?魔物!?
これじゃあ完全に(悪)じゃねーかっ!
それに召喚ポイントを消費して召喚するなんて完全にゲームの世界か何かか?
まぁそれはこの際どうでも良い。
取り合えず何が召喚出来るか見るだけ見てみるか。
えーっとなになに・・・一番低コストがゴブリン(小鬼族)でコスト2か・・・。
やっぱりどのファンタジー世界でもゴブリンの存在価値は低いだなぁ。
それに対して一番高いコストは・・・っと俺は羅列されている魔物のリストをスクロールした。
古代竜(竜族)でコスト1・・・10・・・100・・・1000・・・1億!?
マジかっ!?
どうやって1億も貯めるんだよ!
はいっ!無理っ!はぁ・・・まぁ手始めに一番低いコストのゴブリン辺りから召喚してみるか。
歩いて腹も減ったし、喉も渇いたし、ゴブリンに何か探して来させよう。そうしよう。
俺はゴブリンの画面を押した。
【ゴブリン】で宜しいですか?
【はい】【いいえ】
ってか今更思ったけど、この画面の文字日本語表記なんだな。
まぁどうでもいっか。そんな事は。何だか知らんがこの世界に来ている事自体色々言いたいが、考えても仕方ねーし今はこの召喚とやらを試してみたくてウズウズしているんだからな。
【はい】にポチっとな。
【数】と【性別】を入力して下さい。
数っ!?性別っ!?何?そんなんあるの?
まぁ少し考えてみたらそりゃあそうか。1体だけ召喚しても仕方ねーし。性別はあれか。生物学的に雌雄はあるよな。
そうだな・・・取り合えず数は10で、一応雄雌5ずつにしてみるか。
【コスト20】掛かりますがこれで宜しいですか?
【はい】【いいえ】
イエスっ!オフコースっ!
俺は勢い良く【はい】の画面を押した。
それでは召喚を開始します。
召喚開始の画面と共に地面にいきなり六芒星の魔方陣が現れ青白い光と共に魔方陣がクルクルと回り始めた。
おぉぉっ!スゲーッ!!俺は興奮が隠し切れず一人草原のど真ん中ではしゃいでいた。
すると回転している魔方陣の中からゆっくりと影が現れ始めた。その数10。
回転していた魔方陣がその動きを停止する頃、緑色の肌色をした背丈の小さい魔物が10体その姿を現した。
ピコンッ!
何かを知らせるかの様に効果音が頭の中に響き俺はメニュー画面を開いた。
ゴブリン10体の召喚が完了しました。
おぉぉっ!ヒャッホーイッ!やってやったぜ!
マジで召喚出来た!スゲーッ!さてと、これからどうしよう。確か返品不可みたいな事書いてあったよな。こうして見ると10体も要らなかったかな・・・ははっ・・・。
ゴブリン10体は俺の方を見つめている。
「あ~ゴホンッ!俺がお前達を召喚した
【立花 雪】だ!って俺の言葉通じてる?」
「ギギッ。」
「えっ?何だって?」
「ギギッ。」
(はい。分かります。)
「うおっ!何だこれっ!?頭の中に日本語が響くぞ。何だこれ変な感じ。」
「ギギギッギギッ。」
(魔王様は我等を召喚されました。召喚し我等を使役する事により魔王と我等の間に主従関係の鎖が構築されましたので、我等の言語が魔王様に通じますし、魔王様の崇高な言語も我等にも通じます。)
「へえぇぇ。そうなんだ~。ってそんな短文なのに頭の中に入ってくる内容濃いな!」
「ところで魔王様、我等は何をすれば?」
「おぉ。そうだったそうだった。召喚に夢中で忘れる所だった。お前達俺らが今いる場所って何処だか分かるか?それと出来れば何処か休める場所と食料と飲み水が欲しいんだが。」
「そういう事でしたら。先ずは我等が今いる場所ですが、ダオス大陸に位置するアラバ平原に我等はいます。ここから少し行った先に、前の
魔人大戦で戦火に晒され住めなくなった人間の集落があった筈ですが。」
「マジか!?良し行こう!今すぐ行こうっ!」
俺とゴブリン10体は集落へと向かった。
こうして見ると小さい子ども10人を連れてるお父さんの気分だな。結婚した事ないけど。