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眞王様出番無く空気でいる。

「おみゃあさん達か?ミーに会いたいって言ってるのは・・・ってリリムちゅわぁーん!!リリムちゃんじゃみゃあか!!ミーに態々会いに来てくれたのかみゃあ?ミーに会いに来てくれたって事はミーの花嫁になるのを承諾してくれたって思って良いのかみゃあ?リリムちゃんならどんな雌よりも大切にするみゃあー。8番目の妾として。こうしてはいられないみゃあ!早いとこ祝言の準備みゃあ!」


「ちょっ!ちょっとっ!」


ケット・シーは1匹で舞い上がりリリムの話も聞かずに自分の世界に入り込んでいるみたいだ。

これか。リリムが渋っていた理由は。それに側室がリリムの他に7人もいるのかよ。正室含めたら8人かよ。何て羨ましい・・・っていやっ!実にけしからんっ!


「これから忙しくなるみゃあ!今日は日取り的に良くないから・・・おぉ!明日は丁度大安吉日みゃあ!」


「だからちょっと待つのじゃっ!」


俺の隣でリリムが拳を握り締めワナワナしている。あっ!そろそろ不味い気がする。


ケット・シーは指をパチンッ!と鳴らし側近を呼び寄せる。


「大至急リリムちゃん用のウェディングドレスと白無垢の着物を用意するのみゃあ!それとリリムちゃんが困らない様に何種類かドレスと白無垢の着物を用意するみゃあ!分かったみゃあ?」


「ハッ!!畏まりましたっ!!直ぐにリリム様のウェディングドレスと白無垢の着物を準備させて頂きまする。」


そう言うと側近は速やかに部屋を後にした。


「プチッ!」


何かの糸が切れた音がした。


「良い加減・・・人の話を・・・聞きくのじゃっ!このデブ猫がっ!!!」


あっ!リリムが切れた。


リリムは無詠唱でその場で大きな水球を造り出しケット・シーに照準を合わせてそれを打ち出した。


ドッ!パーンッ!


水球はケット・シーの顔面にめり込む様にクリーンヒットした。


「ぶにゃっ!!!」


ふてぶてしい顔が水で濡れ更に不細工度が増したな。


「デブ猫がっ!本当良い加減にするのじゃっ!何度も言ってるけど、お主となんか結婚する訳ないのじゃっ!それに妾とはなんじゃっ!それによりにもよって8番目とはっ!正室ならいざ知らずこの妾を8番目にするとは妾も嘗められたもんじゃ!」


えっ!?そこっ!?怒る所!?


「聞いておるのかえ?」


ケット・シーは白目を向いてグッタリして気絶している。こりゃあ目を醒ますまで暫く時間がかかりそうだな。


っておいっ!リリムは気絶しているケット・シーのデップリとした腹の上に馬乗りになり今度は何度も平手打ちをかました。


「これ!起きるのじゃ!デブ猫!」


ハッ!と目を醒ましたケット・シー


「はいっ!ご褒美ありがとうございますっ!!!」


えっ!?ケット・シーは恍惚な表情をしている。

うわぁ~このデブ猫ド・Mなのか・・・余り関わりたくない感じだな。


目を醒ましたケット・シーを確認したリリムは馬乗り状態から降り、俺の隣に戻ってきた。


「お、おい!どういう事だよ!?」


俺は隣に戻ってきたリリムに小声で話し掛ける。


「うん?あぁアレか?アレはいつもの事なのじゃ。発作みたいなもんじゃな。会うといつもあぁなのじゃ。それにあやつはド・Mだからのう。妾の攻撃全てをご褒美だと勘違いして困るわ。」


「いや、それもそうだけど大丈夫なのか?あんな事して。」


「大丈夫なのじゃ。発作の様なものだと言ったであろう?」


リリムは大丈夫だと言いケット・シーの方へと指を指す。


ケット・シーは姿勢をただし椅子を座りに直してオホンッ!と咳払いを1つして此方へと意識を向ける。


「さっきはちょっと取り乱して申し訳なかったのみゃあ。それでおみゃあさん達はミーに何の用があって来たのかみゃあ?」


「それは・・・」

「お主の領内を通らせて欲しい。」


俺が説明するよりも早くリリムが口火を切った。


「ほぅ?それは何故みゃあ?そもそも何でリリムちゅわぁんがこんな所にいるのかみゃあ?」


「お主も知っていると思うが妾の領地迄戻るのにお主の領内を通る方が近い道だと言うこと。それと妾がここにいるのは隣にいる我が主様に召喚されたからじゃ。」


「主?召喚?」


ケット・シーは髭を摘まみながら俺の方へと視線を向ける。


「おみゃあさんは一体誰みゃあ?」


「俺か?俺は・・・・・魔王だっ!!(らしい。)」


自分で言ってて物凄く恥ずかしい。
















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