眞王様妖精猫と対面する。
俺達は急いで戻って来たキャットピープルの男性の案内で妖精猫がいる屋敷へとむかった。
「着きました。こちらが妖精猫様のお屋敷です。」
「はっ!?えっ?マジっ!?はぁぁ~スゲーな!超豪邸じゃん!」
俺は余りの家のデカさに感嘆の声が洩れた。それは例えるなら良くテレビとかで見かける有名人のお宅拝見で出てくる様な豪邸であった。
俺の雀の涙程の給料でこんな豪邸を買ったら一体何百年ローンになることか。
先ず、俺が生きてる頃には支払いは終わらない事は間違いなしだな!
そんな俺を見てリリムは何をそんなに驚いているんだ?という様な顔でこちらを見ている。
「主様何をそんなに驚いておるのかえ?」
「何ってそりゃあこんな大きな屋敷を目の前で見たら誰だって普通驚くだろ?」
「そうなのかえ?妾の屋敷も大体この位の大きさなんじゃがのぅ。それに各領地を治める領主の屋敷も何処もこんなもんじゃよ。主様の住んでいた屋敷は余程狭い屋敷なんかえ?」
「うるせー。どうせ俺の家は家賃7万円のワンルームの寂しい独り暮らしだよ!悪かったな!」
「途中何を言っているか妾には理解出来なかったんじゃが主様の住んでいた屋敷は妾の考えが到底及ばない位みすぼらしく寂しい暮らしじゃったんだと感じたえ。」
「うるせー!みすぼらしいは余計だわ!」
そんな俺達のやり取りを見ていたキャットピープルの男性とゴブリン達もまたもや苦笑していた。
「で、では私はこの辺で・・・。」
キャットピープルの男性は微妙な空気間が漂っている中、その場を後にした。
「さて、行くか。」
俺達は屋敷への門を通ろうとした瞬間、然も当然の如く門番に進路を阻まれた。
「ここは妖精猫様の屋敷である。理由なき者を何人も通る事はまかりならん!」
うわぁ~。先程案内をしてくれたキャットピープルの男性と違い、門番は正に獣人ですって顔してる。何故なら顔がライオンの顔してるんですもの。もう一人いる門番の顔は・・・あっ!こちらは虎さんですか。ってこわっ!顔、こわっ!厳つい・・・。
するとリリムが厳つい獣人の門番の前へと立ち
「お主の主にリリムが来たと伝えた筈じゃが、お主らには伝わってなかったのかえ?それとも妾と妾の主様を小馬鹿にしているのであれば、妾はここで一暴れしても一向に構わんのじゃがな?」
「んぐっ!ちょ、ちょっと待たれよ!今、妖精猫様に確認してみる。お、おい!お前、ちょっと妖精猫様に伝えて来てくれ!」
「お、おう。」
リリムの凄みが効いたのか獣人は後退りし、もう一人の虎顔の門番に屋敷の中へと確認させに行った。
暫くすると、虎顔の門番が戻って来た。
「大変お待たせしました。リリム様とその御一行様。我が主、妖精猫様がお会いになる様です。どうぞ中へ。」
虎顔の門番の案内で屋敷の門をくぐり、屋敷の中へと入っていった。
「では、ここからはワタクシが案内させて頂きます。」
屋敷の中へと入ると今度はキャットピープルの女性のメイドさんに案内を交代した。
おぉ~日本でのメイド喫茶のメイドさん達も捨てがたいが、このキャットピープルのもふもふ感溢れるメイドさんの破壊力は凄いな!
メイドさんの案内で後ろからついて行っているが、メイドさんが歩く度に揺れるプリプリのお尻とふわふわでさわり心地が良さそうな尻尾はマジでヤバいな!ケモミミもふもふメイドさんアリだな。
そんな俺を見てリリムは不機嫌そうな顔している。
「痛っ!何すんだよ!いきなり!つねるなよ!」
「ふん!知らんのじゃ!主様なんて!」
「はぁ~?俺が何したっていうんだよ?」
「分からなければ自分の胸に手を当てて聞いてみるが良いのじゃ!」
「何言ってんだよ。意味分からん。」
そんなやり取りをしている内にどうやら妖精猫のいる部屋の前へと着いたらしい。
「こちらが妖精猫様のいらっしゃるお部屋でございます。どうぞリリム様とお連れの様だけ中にお入り下さいませ。」
俺とリリムは妖精猫がいる部屋の中へと入っていった。俺がリリムの連れと思われているのは若干癪に障るが、まぁこの際どうでもいいか。中に入るとそこには、大きな椅子にその巨体を乗せ、キセルを吹かしながら座っている猫がいた。
これが・・・妖精猫ケット・シー!?確かに頭に冠を載せてるけど、ふてぶてしい顔したただのデブ猫じゃね?それに妖精猫なのに何で日本の三毛猫なんだよ!確かに三毛猫の雄は稀少って何処かで聞いた事あるけど、流石にこれはな~。
「おみゃあさん達か?ミーに用があるって言うのは?」
妖精猫は不敵な笑みを浮かべていた。