好きに生きたった
「やりおったなぁ」
「ほんと」
「あいつらしいわ」
「ほんと」
「ちだらけやったってか」
「うん」
「どうやった」
「なにが」
「そりゃ、みつけたとき」
「なんともいわれんよ」
「雪のしろにあかやもんな」
「うん」
「うん」
「でもな」
「うん」
「ばかやんか、やっぱ」
「そうおもう」
「あいつらしいけどなぁ」
「さいごまでな」
「できんよ、ふつう」
「なんよふつうて」
「けっきょくめいわくやん」
「うん、ちだらけやもんな」
「えっ」
「なに」
「そうじゃなくて」
「あぁ」
「あとにつぐもんとしちゃ」
「けっきょく」
「いきとるしか、まっとうなみちはないって」
「そう」
「世の中に」
「証明してみせた」
「あぁ」
「あぁ」
「ああ」
「え、どうした」
「流れ星や」
「あ、消えた」
「きえてへん」
「へっ」
「ちらかっただけや」
「そう」
「そう、もえて」
「燃えて」
「もえて」
「散らかった」
「ちらかった」
「それで」
「ひろがった」
「広がった」
「ひろく、ひろく」
「ふーん」
「うん」
「わるくない」
「わるくない」
「でもほんとはあいつ、失敗しおった」
「うん」
「ほんとは消えそこなった」
「消えんかった」
「ひろがりそこなった」
「あほや」
「でもな、いいとこまで、いったよ」
「きえそこなってか」
「いや、やつのいきかた」
「好きかっていきてか」
「そう」
「そうねぇ」
「うん」
「うらやましかった」
「いいよな」
「まだおったんよ」
「まだいたんか、こども」
「いや、かのじょ」
「いくつ」
「75」
「しんぱいないな」
「でけへん」
「そりゃ、むりよ、いくらなんでも」
「いや」
「へっ」
「うん」
「やつのまねは」
「うん、でけへん」
「あんないきかた」
「うん、やつの」
「そう」
「オリジナル」