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年下の上司 9
課長の挨拶が始まった
一瞬、アキは課長と目が合い、ドキッとした。
『えっ、何?このドキドキは』
アキが男の人にドキドキすることなど、初めてだった。
「今日から企画部でお世話になる事になりました
桜田優一と申します
皆さんにはお力をお借りする事が多いとは思いますが、一緒にいい仕事が出来ればと思っていますので、宜しくお願いします」
桜田は挨拶の後、深々と頭を下げて、割れんばかりの拍手が響く…
課長の挨拶の間にも、アキのドキドキは止まらず、必死に自分を落ち着かせようと、自分に落ち着きなさいと何度も言い聞かせていた。
『何ドキドキしちゃってるのよ…
あなたは年下は好みじゃないでしょ。
ましてや、年下とは言え上司なんだからね。
落ち着いて、アキ』
とこんな具合に。