78/143
戸惑い 21
電話を切ろうとしたが、古田の話は止まらない。
「アキ、俺と別れようなんて思ってるんじゃないのか
だから俺を避けてるんだろう
俺は絶対に別れたりしないからな」
アキはため息が出そうになっていた。
『古田さん、今は仕事の事で頭が一杯なんです』
アキの言葉に、古田は怒りをぶつける。
「そんなに仕事が大事なのか」
『はい、今は仕事が大切なんです。
私にとって、今は仕事が一番なんです。
古田さんなら、分かりますよね。
おやすみなさい』
アキはそう言って、電話を切った。
電話を切ったアキは、冷蔵庫からビールを取り出し、バルコニーに出た。
『今日は月が綺麗だな。
私は古田さんとどうしたらいんだろう…
別れたい?それとも、このまま関係を続けたいの?
自分で自分の事がさっぱり分かんないや』
ビール片手に空を見ながら考えていた…