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戸惑い 12
-昼休み-
「アキ、お昼行こう」
ゆいに誘われ、昼食を食べに外へ出た。
レストランに入ると、ゆいはすぐにこう言った。
「アキ…
今日の朝、アキラから連絡が来たんだ
一度会って話したいって」
アキは、昨日のアキラの話を思い出した。
『そう…、それがいいね』
余命の短い、病気の彼女のそばにアキラは居る。
「アキは話聞いたんだよね。アキラから…」
アキは一瞬、息を飲んだ
『私は聞いてないんだ
アキラが直接ゆいに話すって言ってたから』
"嘘ついてごめんね
でも、ここで私がアキラから話聞いたって言ったら、ゆいはすぐにでも話聞きたがるよね
私の口からゆいに話す訳には行かないんだ
許してね、ゆい…"
アキは心の中でゆいに謝った。