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戸惑い 7
アキラは決心した。
「彼女は病気なんだ
いつまで生きられるか分からない…
俺は彼女のそばに居てやりたいんだ
それが俺の彼女にしてやれるたった一つの事だから…」
アキは拳を握りしめて聞いていた
「彼女、二ヶ月前に倒れてな
その時に、あと半年の命だって宣告されたんだ。
でも、病状は悪化してて、いつどうなってもおかしくない状態なんだ」
それから、アキラは彼女と高校の時に付き合っていて、三ヶ月前に偶然再会した事を話してくれた
『アキラ、彼女が病気で、余命が短いから一緒に居たいの。
彼女の事が好きだからじゃなくて、昔、付き合ってたから。
それは、ただの同情じゃない。
その同情は、彼女のことも、ゆいのことも傷つけてる。
それは優しさじゃない。
ゆいの事がまだ好きなら、どうしてゆいに相談しないの。
別れなくても、彼女のそばに居る方法はあるじゃない』
アキラは考え込んでいた