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戸惑い 6
アキは涙を流していた。
「アキ…
俺の心は今でもゆいにある
今でも、ゆいの事を好きな気持ちには変わりはないよ」
アキラはそう言って目を伏せた
『じゃあ、どうして別れようなんて言ったの』
アキの中に悔しさが込み上げる
「ゆいの事はまだ好きだ
でも、もうゆいとは一緒に居られないんだ
これ以上ゆいと一緒に居たら、ゆいを傷つけて、苦しめるだけなんだ」
アキラの言葉には、何か大きな理由が隠されている。
『どうしてゆいが傷つくの?
どうしてゆいが苦しむの?
アキラ、ちゃんと理由を話して、理由を…』
涙が止めどなく流れた。
あんなにも愛し合っていた二人…
終わってほしくない…
好きなのに、離れてほしくない…