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最後の恋  作者: 雅-miyabi-
視線
55/143

視線 18


アキは味わう暇もなく、あっという間に食べ終えた




外に出ると、少し汗ばむような陽気だった




『もう夏か…』




アキにとっては悲しい夏




毎年夏はやって来る




夏が来るたびに、夏が嫌いになる…




夏なんてなくなればいいのに…




そんな事を思う…




別れの夏が辛かった…




『今の私には仕事が全て…

人を愛する事も、そして愛される事も忘れてしまった…

三年前に全て…


暑さになんて負けないんだから

頑張って残りを回りますか』




背筋をピンと伸ばし、胸を張り、気合いを入れてアキは歩き始めた




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