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視線 13
「アキ…
私、怖いよ、アキラを失うのが怖いよ」
ゆいは震えていた
『ゆい…
今日は寝た方がいい
全然寝てないんでしょ
私がそばに居るから、安心して寝ていいよ』
アキはゆいをベッドに連れて行った
ベッドに横になったゆいの手をアキは握っていた
「ねぇー、アキ
昔もこんな事あったよね
私が風邪引いて、熱出した時
あの時も、アキはそばに居て、手を握っててくれた
アキは私の大切な親友だよ
今日だってこうやって来てくれた
友達失格なんかじゃないからね」
ゆいの言葉を聞いて、アキはまた涙が流れた