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視線 12
アキは心の中で呟いていた
『ごめんね、ゆい…
今はまだ話せないんだ
必ず話すから
でも、その時は私達は友達で居られないかも知れない…』
アキはゆいの背中をさすりながら、声を掛けた。
『ゆい…
一人で辛かったよね。
苦しかったよね。
あんなにアキラの事好きだったんだもんね』
「ア…アキッ…ヒック ヒック
私、アキラの事まだ好きなんだ
好きな人が出来たって言われても諦められない
どうしたらいいの、アキ…」
ゆいのアキラに対する想いが伝わってくる。
『ゆい…
私、明日アキラに会って来るよ
会って話聞いて来る
アキラにも何か事情があるかも知れないから
話聞いてから、一緒に考えよう』
ゆいの涙は止まらなかった…