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視線 11
ゆいが泣いている姿に、アキも思わず泣いてしまった。
『ごめんね、ゆい
こんな時こそ、一緒に居てあげるのが友達なのに…
私、友達失格だね』
ゆいは、大きく首を横に振った。
「アキ、ありがとう」
アキも首を横に振り、泣いているゆいを部屋の中に連れて行った。
部屋に入っても、ゆいは泣いていた
泣いているゆいを見ながら、アキは後ろめたい気持ちだった…
『やっぱり私は友達失格だ
ゆいは親友のはずなのに、ゆいは何でも話してくれたのに、私は隠し事ばかりしている
私はゆいを傷つけ、騙している…
三年前の事も、古田の事も、今日の事も…』
アキは心の中で、ゆいに謝るしかなかった…