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視線 5
人は見かけによらない…
課長と言う立場上、大変な気苦労も多いだろう…
『確かにクールって感じはありますね
でも、女ってそうゆうのに弱かったりするんですけどね
課長はうちの女子社員に人気があるんですよ』
「僕が人気があるなんて嘘ですよ」
随分と謙虚な桜田。
『本当ですよ
イケメンの25歳、そしてエリートともなれば、女子社員はほっとかないでしょう』
とちょっと持ち上げ過ぎだったかも…。
「そんな事ないですよ
僕は仕事人間ですから…
彼女なんて、もうしばらく居ないし、会社と家の往復の寂しい生活ですよ」
そう言った課長の顔は、寂しそうだった…。