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迷い 15
アキは席に戻って、ゆいの席を見つめていた
『アキラに何があったんだろう…。
あんなに、人を傷つける事を嫌っていたアキラが、ゆいを傷つけるなんて…』
ゆいとアキラはとても仲が良くて、将来は結婚するのではないかと思っていた。
見ているとこっちが恥ずかしくなるくらいラブラブだった二人なのに…
「星川、どうした?ボォーッとして」
それは古田だった。
『主任、何でもないです』
「何でもない様な顔じゃなかったぞ」
アキは頭の中で言葉を探していた。
『本当に何でもありません』
こんな言葉しか、見つからなかった…
アキは慌ててパソコンを開いた。
「元気がないのは星川らしくないぞ
何かあったらいつでも相談に載るからな」
そう言って古田は去って行った…